FASHIONSNAP(以下、F):エッセイ「きもの再入門」も出されるなど着物好きで知られる山内さんですが、この反物は浴衣に仕立てる前のものでしょうか? 山内マリコ(以下、山内):そうです。着物は洋服と違って、形は全て同じなんです。既に縫い上がった状態で売っている品もあるのですが、本来はこういう反物で買って、仕立てに出して、自分の身体にぴったりのサイズで縫ってもらうもので。形が同じな分、柄や織り、手触りといった生地に惚れて買う感じです。生地の魅力しか選びどころがないので(笑)。 F:「生地しか選びどころがない」というのは着物ならではですね。これらはどちらで購入されたんですか? 山内:反物は、今年の夏に名古屋の「有松地区」という、絞りが有名な産地に足を運んで買った、有松絞りのものです。帯と下駄は百貨店の呉服売り場で買ったもの。なににでも合いそうな博多帯と、焼杉(やきすぎ)の下駄です。下駄は、