相鉄バスはこのたび、2025年11月1日から一部路線で完全キャッシュレスの実証運行を行うと発表しました。 レトロなバスの運賃箱を写真で見る 今年は、国土交通省の後押しもあり、全国各地のバス事業者で同様の動きが相次いでいます。これは単なる利便性向上ではなく、バス路線網を守るための生存戦略です。 その背景には、バス業界が直面する危機的な状況があります。深刻な運転者不足の影響で、すでに約2割の路線で減便の事態を招いており、路線の維持すら困難になりつつあります。 この状況を打破するため、国土交通省はキャッシュレス化による抜本的な経営改善を推進しているのです。 現金取扱いのコストは、事業者の大きな負担となっています。国交省では、全国のバスが完全キャッシュレス化すれば、年間で約86.3億円のコスト削減が図れると試算しています。 この莫大な原資は、運転者不足という喫緊の課題に再投資され、運転者の処遇改善