中国人に買い占められる山梨県・石和温泉地帯の取材の先に、日本全国でリゾート・温泉地帯を買いあさる中国人の姿が見えてきた。 本記事は『ニッポン華僑100万人時代』より一部抜粋・再編集。日本のリゾート地の最前線の舞台裏を調査報道・データを駆使し日経記者が迫る。 【図表を見る】中国資本が2010年以降に買収した地方の主なリゾート施設 ※登場する取材協力者の肩書や年齢は取材当時のものです。 ■中国語が飛び交う、石和温泉の今 人口減少で衰退する日本の地方リゾートで今、中国資本の影響力が着実に増している。見た目には分かりにくい、浸透するチャイナパワーの実態とは。地方で何が起きているのか。取材班は、有力な情報が入った山梨へと向かった。 東京都心から特急電車で2時間弱。平日の夕暮れ時、山梨県笛吹(ふえふき)市にある石和(いさわ)温泉の街中を歩くと、すれ違う観光客から、多くの中国語が聞こえてきた。観光バスが