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第2話 職員室での初対面──歓迎されない「問題児」 職員室のドアの前に立つと、手のひらが少し湿ってい...第2話 職員室での初対面──歓迎されない「問題児」 職員室のドアの前に立つと、手のひらが少し湿っているのに気づいた。 金属の取っ手は思ったより冷たい。握った指先に、その冷たさがじわりと移っていく。深く息を吸い、ゆっくり吐き出す。ここを開ければ、今日からの私の居場所が決まる。そう思うと、ほんの数秒間、指先が動かなかった。 えい、と小さく心の中で声を出して、ドアを引いた。 途端に、空気が変わった。 インクと紙の混ざった匂いが、ふわっと鼻に届く。ウィーンという印刷機の動く音。コピー機の揺れる低い唸り。パソコンのキーを打つ乾いた音。書類がめくられる紙の擦れる音。いくつもの声が、あちこちから飛び交っている。 おはようございます、と誰かが言う。その返事に、おはようございますが重なる。笑い声が弾けたと思ったら、すぐそばで電話のベルが鳴る。受話器を取る音、名乗る声。その全部が、薄い布一枚を通して耳に押し寄



