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photo by Rein Rache 誰かを殺さなければならない、さもなければ自分が殺される、とゴンザは言った。 長...photo by Rein Rache 誰かを殺さなければならない、さもなければ自分が殺される、とゴンザは言った。 長い話を終えたあと、おとなしいゴンザがたまに見せて周囲を驚かせるあの殺気が、その目に宿っていたように思えた。 それはもう四十年近く昔のことだが、今もその時のゴンザの目を鮮明に覚えている。 オーストラリアの北のカカドゥ国立公園の中の粗末なロッジのテーブルで、僕と由美はその話を聞いていた。 友、ゴンザは、本名を権左衛門(ごんざえもん)といい、真面目な、それでいてゾクッとするような話の主人公の名前としては、あまり都合がよいとは言えない。現代に権左衛門などという名前の人間がいることが不思議だが、理由を聞かされると納得できないわけでもない。彼の家は古くから続く由緒ある棒術の道場主であり、その流派では戦国時代から、その流派を継ぐと思われる子孫の人間の名前は前もって決められているのだと言う


