あなたが、みなとみらいに行ったときにいつも目にして、「へぇ、中に入れるんだ。次行ったときは入ってみよう」と思いつつ通り過ぎ、次に行ったときもまた「へぇ、中に入れるんだ。次行ったときは入ってみよう」と思いつつ通り過ぎ、入る機会がないものといえば日本丸である。 業を煮やしたわたしはあなたに、「今日は、お出かけの主従関係を逆転させて、日本丸を見学するついでにみなとみらいに行こう」と提案したのだった。 航海練習船だからかもしれないが、日本丸の中は学校の教室の匂いが充満していた。柔軟剤ファミリーが通り過ぎたときは柔軟剤の匂いに支配されてしまうが、今の学校の教室も一定の柔軟剤チルドレンがいるはずなので、それも含めて「教室の匂い」なのかもしれない。 匂い以外についていうと、帆は張っていない状態ではあるがマストなど大変優雅で、「太平洋の白鳥」と呼ばれる理由がわかったが、実際の白鳥の頭をよく見るとだいぶ黄ば