ドラマが終わってしまった。もうあの“なつみ”に会えないなんて。森七菜が演じるなつみ画面にが出てくるだけで、そのフニャフニャとして身体性に反して、一挙手一投足を見逃してはなるまいといった緊張感が生まれ、ピリっとドラマを牽引していった。それくらに森七菜の演技の濃度は濃かった。フラフラしながら、悪態と悪口でもって構成された青年期という時間。その“半人前”性。青年は誰かと交わっていくことで、やっと1人の人間になっていくのだ。ヒロト(岡山天音)がいるおかげでなつみは東京で生きていけるし、二階堂(駿河太郎)のおかげでなつみは何者かにならんとしている。この“2人で1人“という感覚は、なつみとあかり(光嶌なづな)のエピソードが中心となった7話冒頭で、平屋の前をお母さんと手をつないだ小さな双子の男の子が横切り、それに続いて台所でヒロトが調理するフライパンに2つの目玉焼きが映し撮られることで提示されていて、こ