メリットをもたらしてこその人間関係か。 メリットのない人間は切り捨てることが合理性か。 そうだよな。 私だってそうだ。 嫌な人間は切り捨てた。 可能な限り除け者にしてきた。 体裁の良さと都合のよさと負担の少なさとリターンの大きさと、 総合的な収支を考えて判断を重ねてきた。 ずっと。 そうした静かで冷たい生存競争が明るい会話の下にあった。 加点と減点で人の評価は変わる。 減点があふれたとき、そっと断ち切られる。 都合のいいタイミングが来たらそれが最期。 それ以上何も残らない。 いつか自分がどうでも良くなる。 なんてくだらないものに執着し、自分をかたどってきたのか。 趣味、おもむきとあじ。 どちらも必須ではないフレーバーのような、切り捨てることができるもの。 それだけが個性だとしたら。何か役立つスキルのようなものが残っていないとしたら。 環境によって使える武器でも相手にとって有用なスキルがなけ