あれから半年が経った。 昨日、痴漢を捕まえたという増田の日記を読んだ。 偶然だけど、だいぶ前に私が毎朝通勤で歩いて通り過ぎるバス停でも同じことがあった。中央区の、とある路地にある小さな停留所だった。大通りから一本入っていて朝でも人通りは少なめ。皇居が近いかもしれない。 そこでバスを待つのは、大抵、制服姿の女子高生か中学生のグループだ。彼女たちはいつもバス停で、地面に荷物を置いてしゃがみ込んでる。お話をしたり、スマートフォンを眺めている。 初めてそれに気がついたのは、今年の春。朝の八時頃かな、私がバス停の脇を通り過ぎて、駅へ向かう。その数メートル手前で、いつも同じスーツを着た、年齢はたぶん40代くらいの会社員が立ってた。 そいつは毎朝、私よりも少し前にバス停に到着して、女子高生たちの数メートル後方、建物の壁際で立ってた。 最初はただのバス待ちだと思ってた。商店の軒下を借りてるようなバス停だか