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その釣り堀は町の外れの小さなアーケード。 所々の屋根が欠け、寂れたシャッター街の場末にある。 引き...その釣り堀は町の外れの小さなアーケード。 所々の屋根が欠け、寂れたシャッター街の場末にある。 引き戸の扉を開けると鈴が鳴り、「いらっしゃい」というマスターの渋い声。 「おや、今日もやっていくかい?」 はい。と僕。 釣竿を渡され、店の奥へと進んで行く。 扉を一つ抜けると曇り空が出迎え、屋上のような広間に出る。 中央には蓮池がひとつ。丸いような、それでいて歪んだ輪郭をしている。 水は濁っており、中は見通せない。 僕は隅の方へ眼をやり、手ごろな椅子を見つけては、それを手で引っ張り池の前に置く。 そこに座って池へと糸を垂らした。 魚の名は増田。 しかし誰も自分が魚だとは気づいていなんだよ、とマスターはいつの日にか僕に言った。 「人生っていうのは、ときにそういうもんだ」 いつの間にかマスターは僕の隣にビールケースを逆さに置き、椅子として座っていた。 どういう意味ですか? 僕の問いにマスターは煙草に火
