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ある日、彼女は「うわあ、おもしろかった。ハルといっしょだったんだ。」と玄関にはいるなり、つっ立っ...ある日、彼女は「うわあ、おもしろかった。ハルといっしょだったんだ。」と玄関にはいるなり、つっ立ったまま、話しだした。プロジェクトに入れてもらえることになったモリがはじめての現場にちょっと不安をおぼえながら出ていった日だった。 マネージャーのトラウマ氏が「これが、こんどインフラチームにくわわるアルバイトのモリだよ」と仲間たちに紹介して彼女を二列目の席にすわらせた。 パチパチパチ—みんなの拍手をうけながら、モリがぐるりとまわりを見わたしたとき、三人ほどはなれたアプリチームの席に例の少女の顔があった。まっ白な鼻をピンとのけぞらせて、目と口もとをにこりとさせモリにうなずく。「えっ、彼女もいるのか」モリはひとりでふきだしそうになりながらカバンをあけた。 その日、その子の頭のお団子にいつものペチャン帽はなかった。定時になって帰るとき、モリは彼女に近づいていって「あなたの帽子は、どうしたの?」と話しか