【拡散希望】本日、日本大学哲学会『精神科学』に投稿していた私の論文「「マイナス内包」としての性自認の構成 (Gender as Irifuji’s Minus-Intensions)」に、不採用の通知が届きました。来年出る『精神科学』に掲載されるよう今年春に書いたもので、トランスジェンダーを巡っても注目を集めている pic.twitter.com/EaJD44DVxv — 谷口一平 A.k.a.hani-an (@Taroupho)2023年12月25日 独立研究者・谷口一平氏の日本大学哲学会『精神科学』への投稿論文がリジェクトされた。 そこで谷口氏は査読過程、及び匿名査読者2名の査読コメントに疑義を投げかける連投ツイートを昨年末にしていた。 谷口氏のツイートを見る限り、この疑義にはもっともな部分もありそうだが、谷口氏の論文本体が公開されているわけではないので、判断しかねる部分もある。

永井均が、あるトランス差別に擁護ともとれる発言をして、ネットで話題になっている。発端は、永井の元教え子の谷口一平が、自分の投稿論文につけられた査読コメントをSNSで公開したことだ。谷口の論文はトランスジェンダーをテーマにしているが、査読の結果、不採用となった。しかしながら、谷口は査読者が、哲学研究者ではなくジェンダー論者であったことを批判し、不当な査読であったと訴えている。togetter.com 谷口の主張の内容には踏み込まないが、これらの発言を一般論として「査読への不満」として理解する。トランスジェンダーをテーマにした論文であれば、どんなジャーナルであれ、ジェンダー論者が査読を担当することは十分に予測できる。そのために、学際領域を扱う哲学研究者であれば、先行研究を十分に精査し、査読者を説得できるよう先回って論を組み立てる必要がある。私自身、学際領域にいるし、うまく書けずに査読者に全然

2018年9月20日、Quanta Magazine "Titans of Mathematics Clash Over Epic Proof of ABC Conjecture" の翻訳 今回は日本国内向け。どうもこの話では、言語の壁があるせいで日本国内と海外で認識の差がありすぎるところが問題だと思えるので、内外で出回っている情報を相互に訳して提示することをしてみよう、という実験をしている。どのくらいの人々が読んでくれているのか分からないが。 この記事は、Scholze さんと Stix さんが2018年3月に京大を訪れて望月氏と議論し、そのレポートが公表された2018年9月の時点で Quanta Magazine に書かれたもの。筆者の Erica Klarreich さんは数学者でもありサイエンスライターでもある人。


はじめに ダイソン球とは何か ひとつながりの球殻構造物という誤解 ダイソンの論文 忘れ去られたダイソンの補足 近年の記事 ダイソンのインタビュー動画 誤訳による紛らわしい記述 発想源はステープルドン本来のダイソン球の姿 名称の誕生と誤解の広がり 追記1 追記2 追記3 追記4 参考 はじめに 2015年に連星系KIC 8462852に関するニュースが話題となり、ダイソン球という用語をあちこちで目にした。 当時、このニュースに対する反応を色々と眺めながら、ダイソン球のイメージが当初からは異なった形で広まってしまっているのを実感したが、そもそもダイソン球の起源についての詳細な解説がWebに存在しないことも分かったので、改めて事実関係を確認した結果を整理しておく。 ダイソン球とは何か 人類を含む地球上の生命が利用しているエネルギーは、地熱や原子力などを除き、元をたどればそのほとんどは地球に降り


今回紹介するのはabc予想の証明に関する最近の動向を伝えている記事です。 これを選んだ理由は素人衆が知ったかぶりに勝手なことを書いているのをネット上で散見するからです。ここで言う素人衆は日本のメディアはもちろんのこと、馬鹿サイエンスライターも当然含みます。昨年末(2017年12月16日)に某新聞が誤報に近いことを報道したことも記憶に新しいでしょう。そんな情報に振り回されないために今回の記事です。 今回の記事は正確かつ公平だと私は思いました。私の友人共の何人かは、この方面の専門家だから門外漢の私はいろいろなことを教えてもらいました。その上での感想です。 その方面の専門家でなくても数学の研究者なら望月論文は無理でもレポートは読めるはずなので、もっと詳しく知りたい人はレポートを読んで下さい。 前置きはこれくらいにして、紹介する記事は"Titans of Mathematics Clash Ove

2020.01.05 宇宙際タイヒミューラー理論(IUTeich)の論文を巡る現状報告: 「数学界に出現している悲惨なブラックホールの物語」 カテゴリ:研究関連の現状報告 記事の標題にあるテーマについて度々聞かれますので、この際、内容をきちんと整理して皆さんにお伝えしたいと思います。この内容は報告とも言えますが、広い意味での、一種の「内部告発」とも言えます。 まず強調しなければならないことは、理論に関わっている研究者の、約7年半に及ぶ大変な努力によって、理論の論理構造は細部まで徹底的に分析・議論され、何十回もの単独講演や何件もの大きな研究集会で詳細に解説され、また何名もの研究者により(いわゆる「サーベイ」という形で)解説原稿が出版され、特に理論の正しさは何十回、何百回と確認されており、この検証活動によって多数の軽微な記述上の不備等は発見され直ちに修正されているものの、理論の本質的な正しさに


解雇無効岡山大学医学部の研究者らに研究不正の疑いがあると指摘した同大学薬学部の教授が、「教員としての適性を欠く」として解雇されるという信じがたい事件については既にお伝えした。炎上岡山大学~研究不正疑義申し立てた教授が解雇されるこの件については、この半年常に気にかけてきたが、ここにきて動きがあった。 岡山大の複数の博士論文について「データ改竄(かいざん)の疑いがある」との内部告発を行い、解雇された岡山大薬学部の元学部長と元副学部長が処分の無効を求めた仮処分申請で、岡山地裁(池上尚子裁判長)は6日、「解雇は無効」として、大学側に2人の給与の一部を支払うよう命じる決定をした。 出典:産経ニュース これについて岡山地方裁判所は、論文が不正かどうか問う告発は公益性があるなどとした上で「解雇は社会通念上の相当性を欠いており、解雇権の乱用だ」と指摘し森山元教授と榎本元教授にそれぞれ給与を支払うよう命じ



【この文章の目的と想定される読者の対象】 こんにちは。私は医学分野の博士課程の院生です。毎日小保方博士ネタがホッテントリにちらちら見えます。普段はあまり科学分野あるいは再生医療に携わってるわけではないけど気になって読んでる方も結構いる様子、とブコメを読んで思いました。せっかく科学に興味を持って頂く良い機会ですから、そういう方向けに、たぶんこういう疑問を抱いているのじゃないかな・・・というのを推測して、FAQを書いてみました。院生が勉強をも兼ねて書いていますので、詳しい方も容赦なく突っ込んでくださるとありがたいです。 想定されるFAQはいくつもあるのですが、とりあえず今一番ホットなポイントである「小保方論文の真贋について」のFAQを書いてみました。 【この文章の限界】 勿論タイトルの「サル」は釣りですが、それでもなるべく表現を簡単にしてあります。そのため用語が不正確になっているところがありま
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