今回はワールドカップ(W杯)関連の話題を扱うつもりだ。 というよりも、そうせざるを得ない。 なぜなら、W杯開幕以来、生活が不規則になっているせいか、W杯以外のことを考えることが難しくなっているからだ。 こんな状態でサッカー以外のテーマに取り組んでみたところで、どうせろくなことにはならない。 とりあえず、寝不足ではない。 どちらかといえば、寝過ぎだ。 起床と就寝のリズムが乱れているせいなのか、サッカーを見ていない時間は、うとうとしていることが多い。のみならず、横になって本格的に寝る時間も、順調に増え続けている。 午前中から午後にかけての明るい時間帯の睡眠は、どうしても眠りが浅くなる。それで睡眠時間が増える。 しかも、夢の醒め際を狙うようにしてかかってくる電話が、眠りの質を悪化させている。結果として、連日12時間近く寝ているにもかかわらず、寝不足の感じが拭えない。この調子でW杯が3カ月も続いた


財務省が、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却の交渉記録を記した文書や電子データを廃棄・消去した。同省は6月2日までに当時使用していた情報システムを更新したことを発表している。 システムの更新自体は、まあ、よくある話だ。 コンピューターシステムの端末、いや末端にぶら下がっている人間は、システムの更新にともなって発生するトラブルやら間違いやら手続きミスのおかげで、多かれ少なかれ痛い目に遭った経験を持っている。 私自身、この30年ほどの間に、ハードディスクがまるごとおシャカになった事故を2度ほど経験しているし、OSのアップデートの手順をしくじって大切なデータを消してしてしまったことも2度や3度ではない。 そういう悲しい事態に遭遇するたびに、わたくしども古手のオタクは、 「データの一滴は血の一滴」 という、先アップル時代から語り伝えられているデジタル技術格言を思い出しては、あらためて心に


モハメド・アリ氏が亡くなった。 74歳だったのだそうだ。 今回は、アリ氏(以下敬称略)について、思うところを書くつもりでいる。 私が、最初にアリの存在を知ったのは、彼がまだカシアス・クレイと名乗っていた時代のことだ。 私は、たぶん、小学校の4年生だった。 いま、「たぶん」という副詞を使ったのは、かなり高い確率で、間違っている可能性があるからだ。 もしかすると、小学3年生だったのか、あるいは5年生だったかもしれない。 このあたりの記憶の曖昧さは、検索するなりウィキペディアを見に行くなりすれば解決するはずだ。が、見に行ったら見に行ったで、余計な情報に触れることで、厄介な事態に立ち至らないとも限らない。私は、その事態を恐れる。だから、少なくともいったん書き終えるまでは、検索はしないつもりだ。 検索が執筆のさまたげになる事態について、端的な事例をご紹介する。 私は、ついさきほど、「たぶん」という言



今回は、純然たる身辺雑記を書こうと考えている。 時事問題にからめて、それらしいコラムを書こうと思えば、できないことはない。作業効率の話をするなら、その種の時事コラムを制作することの方が手軽でもある。 というのも、何十回となく手がけてきたティピカルなテーマについては、最小限の注力で結果をアウトプットする回路が既にカラダの中に出来上がっているからだ。職業的技巧というのは、およそそういうふうなものだ。 でも、今回に限っては、沖縄の基地移転や家具販売会社の経営権の行方にはタッチせずに、自分の話をする。理由は、なにも、1日中病室の天井を見つめている人間が、時事を語らなくても良いのではなかろうかと思ったからだ。 1日の大半を寝て暮らしている以上、1日中寝ている人間でなければ書けないことについて書いた方が自然だ。 ネット上に散在しているテキストとの比較で考えても、そっち(「動かない人間が書いた原稿」とい


2人の日本人が過激派組織「イスラム国」に拘束された事件は、この原稿を書いている時点(2015年1月29日午後6時)で、いまだに解決への糸口を模索する状況にとどまっている。 人命のかかった緊急事態に、素人が余計な口出しをすべきではないと思って発言を控えていたのだが、よくよく考えてみれば、私がこれから書くことは、事件の帰趨や解決に向けた交渉とはほとんど無関係だ。 とすれば、事態が動いている間に書き残しておいた方が良い。そう思って、いま現在アタマの中にあることを吐き出してみることにする。 まず、前提に属するお話について書いておく。 そもそも「テロに屈しない」態度と「人命を第一に考える」方針は両立しない。 「テロに屈しない」ためには、「テロリストとの交渉に応じない」ことが条件になる。 もう少し踏み込んだ言い方をするなら「テロに屈しない態度」とは、具体的には 「要求は無視する。人質の生命は好きにして



乙武洋匡さんがイタリアンレストランへの入店を拒絶された件について、大筋の話は既に落着している。 当該のレストランに苦情が殺到したことや、乙武さんのツイッターアカウントが炎上した点についても、ご本人が自身のブログ上で行き届いた総括をしたことで、騒動は鎮静化している。 なので、この問題自体を蒸し返しすつもりはない。 私自身は、初期段階から、当件には関与していない。ネット上で、騒ぎが拡大していることに気づいてはいたが、あえて見に行くことはしなかった。 つい先ほど、この原稿を書くための予備取材の意味で、乙武さんのブログと、いくつかのまとめサイトの記述をチェックしに行っただけだ。 だから、何も言わない。 これまで静観していた人間が、ことここに及んで何かを言うことは、態度として好ましくないと思うからだ。 決着のついたレースについて、したり顔で解説を垂れる評論家の言い草を、競馬ファンの多くは、軽蔑してい


ア・ピース・オブ・警句 日経ビジネスオンラインにてちょっとだらしなく長いコラムを連載中。毎週金曜日更新です。 キス・ユア・アスリート webスポルティーバ@集英社にて週一更新のスポーツコラムを開始しました。更新予定日は毎週金曜日です。 ラジオデイズ ラジオデイズという、ポッドキャストのダウンロードサイトで、対談のコンテンツを販売中です。よろしくよろしく。 コラム道 週イチ更新で、コラムのコラムを連載しています。いつの日にか書籍化します。更新は火曜日の予定。テレビ救急箱 08年4月10日初版発行。中公ラクレ新書(770円+税)です。よろしくよろしく。 1984年のビーンボール 07年7月25日初版発行。駒草出版(1500円+税)です。よろしくよろしく。サッカーの上の雲 07年1月30日初版発行。駒草出版(1400円+税)です。よろしくよろしく。テレビ標本箱 06年11月10日発行。中央


選挙が近づくと気分が塞ぐ。 理由は、ウソをつかねばならないからだ。 というよりも、選挙について正直に思うところを書くと、必ず叱られるわけです。 この10年ほど、ずっとそういうことが続いてきた。 投票に関して不用意な本音を吐露すると、必ずや四方八方から集中砲火を浴びるのだ。 で、謝罪に追い込まれ、改心を余儀なくされ、「次の選挙では、必ず投票所に足を運びます」と誓うことを求められる。 だから、選挙については、ここしばらく、率直な心情を吐露していない。 で、気が重いわけだ。 わかったよ、良識ある市民のふりをすれば良いわけだろ? と、やさぐれた気持ちで路傍の石を蹴る――いい年をした男のやることじゃないとは思いながらも、こればかりはどうしようもない。なんとなれば、酒をやめた時、私は大人であることに伴うあれこれを一緒に放棄したからだ。わがことながら子供っぽい弁解だとは思う。でも、子供っぽい気分の中でし

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