『環球時報』から高市発言についてコメントを求められた。私が「中国の対応はロジカルである。感情的に反発すべきではない」とネットに投稿した記事を読んでのオファーである。 『環球時報』は中国共産党の機関紙である。そこに「高市首相の発言撤回と謝罪と辞任を求める」日本人として寄稿することにはベネフィットとリスクの両方がある。 ベネフィットは中国の相当数の読者に日中の関係正常化と東アジアの平和を願う私の意見を直接伝えることができるということである。リスクは中国共産党の日本批判の「ウェポン」として利用されるかも知れないこと、そして日本国内のネトウヨたちから「中国のスパイ」として罵倒されることである(こちらは確実)。 どのような行動にもベネフィットとリスクがあるが、今回の寄稿依頼については「リスクよりもベネフィットの方が多い」と判断した。 私の記事が日中の緊張緩和に資することがあれば、それで利益を得るのは
「我們不要就這樣算了、好不好?很多事情不能就這樣算了、如果這樣的話、人就會慢慢地死掉、會死掉」(これでおしまいなんてムリだよ、でしょ?このままではだめ。じゃないと、人はゆっくり死んでいく、死んでしまう) これは、2023年5月末から台湾で巻き起こっている#MeToo 運動のきっかけともなった、台湾オリジナルのNetflixドラマ「wave makers~選挙の人々~」の主人公のセリフだ。 ドラマのような現実での告発 優れたクリエイティブ、そして映像の力は社会に大きな影響を与える。このドラマもまさにそうで、まずは与党の民主進歩党(民進党)から火が付いた。 以前、民進党スタッフとして働いていた女性たちが、当時セクシャルハラスメントを受け、上司に訴えたがもみ消されたり逆に謝罪を要求されたりし、精神的に傷を負って職場を離れた経験をフェイスブックで次々と告発したのだ。「ドラマのような出来事」が目の前


クリス・ミラーは米タフツ大学の国際歴史学准教授。『半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防』(ダイヤモンド社)の著者としても知られる。台湾GDPの10%を一社が占める ──マイクロチップはなぜ、地政学的問題になったのですか。 スマートフォンやパソコン、データセンターなどのプロセッサで使用されている最先端チップは、90%が台湾製です。世界で年々増加しているコンピュータ処理能力も、3分の1以上が台湾によるものです。 全世界で使われている技術という点で、台湾の重要性はまさにずば抜けています。台湾がこれほどの地位を獲得するうえで大きく貢献したのが、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー (TSMC)という一企業です。1987年に創業されて以来、その成長はとどまるところを知りません。半導体チップメーカーとしては、世界最先端で世界最大でもあります。 ──TSMCが他の

「『親日台湾』と日本の植民地責任」 天江喜久(台南・長栄大学 台湾研究所副教授) 著者近影 [caption id="attachment_2109" align="alignnone" width="380"] 2018年に再オープンした台南市の「ハヤシ百貨店」(画面右側)と「慰安婦像」(画面左下)[/caption]台湾は言わずと知れた「親日国家」である。多くの台湾人が日本の食、文化、風土を愛し、年間400万人以上の人が日本を訪れている。東日本大震災の際には、200億円を超える義援金を供出し、日本人を驚かせた。しかし、台湾の親日ぶりがことさらに注目されるのは、台湾が韓国同様、かつて日本の植民地だったという事実に依拠したものである。すなわち、「親日台湾」はしばし「反日韓国」のアンチテーゼとして位置付けられているものだということだ。日本統治下において、インフラが整備され、産業が発達し、生

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