小松さんが今後の研究の目玉として考えているのが、「暗黒エネルギーの解明」だ。 この謎だらけのエネルギーは、エネルギーと言われているものの、様々な意味で、よく分からない。 「まず、インフレーションが証明されたとして、それを引き起こしたエネルギーが何かっていう問題が、やっぱり根源にあるわけです。現在の宇宙も加速膨張しているわけですから、宇宙の始まりと現在っていう、ある意味特別な時期にですね、宇宙の加速膨張を引き起こすエネルギーが存在して、その2つが全く関係ないっていうのは、やっぱりちょっと考えがたいんですね」 宇宙が加速膨張する作用をもたらすものが、暗黒エネルギー。それはインフレーションのような宇宙の起源にかかわる現象、そして、今の宇宙の加速膨張、両方に関わっているであろう、という見立てである。ならば、その正体を問うのが次のステップだ。 「インフレーションもそうですけど、暗黒エネルギーもめちゃ
アメリカの観測衛星COBE(コービー)が、宇宙背景放射の温度ゆらぎを発見したのは、1992年。小松さんは高校3年生だった。 「天文学や宇宙論をきちんと勉強したいと思って東北大学に入って、こんなすごいことがあるのか! と知って、わー、すげーって思ったわけです。理論も一生懸命勉強していましたね。大学4年生になった頃に、アメリカでMAP(WMAP衛星の当初の名前)という観測衛星の計画があると指導教官から聞いて、興味をもったんです。COBE衛星の角分解能は7度、満月20個並べたぐらいの非常に大きな角度です。でもMAPだと、0.2度までわかるっていうんです。ものすごい精度が上がる。これで観測すると、宇宙の始まりのことがわかるかもしらんと」 その時、小松さんが念頭に置いていたのは、やはりインフレーション理論だ。COBE衛星が宇宙背景放射の温度ゆらぎを発見して、理論にはかなり有利な証拠となった。それでも

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