シダの葉の上で巨大な翅を広げるアメリカ産の大型ヤママユガ、アメリカオオミズアオ(Actias luna)。米ノースカロライナ州で撮影。(PHOTOGRAPH BY AL PETTEWAY AND AMY WHITE, NATIONAL GEOGRAPHICCREATIVE)アフリカ原産のヤママユガ、アフリカオナガミズアオ(Argema mimosae)が巨大な緑色の「翼」を広げると、卓球のラケットほどの大きさになる。見た目が美しいだけでなく、腹をすかせたコウモリにとって、このガは大きな翅の間にジューシーで栄養たっぷりの体をもつ貴重なご馳走だ。アフリカオナガミズアオの後翅からは、独特な形の一対の長い尾(尾状突起)が垂れ下がっている。いかにも捕まえやすそうに見えるかもしれないが、すぐれた反響定位(エコーロケーション)の能力をもつコウモリがこのガをねらうと、たいてい捕まえ損なってしまう。い
飛行は,昆虫を特徴づける行動の1つであるが,飛行の研究は昆虫に限らず,動物一般の運動制御にとって重要な発見をもたらしてきた。運動制御機構の研究のモデルとなる動物には,主にサバクバッタ,ハエ,そしてスズメガが用いられてきたが,なかでもサバクバッタは中枢パターン発生器の発見で有名であり,昆虫飛行の代表的なモデルである。ハエは小さいながらも極めて優れた飛行能力を有しており,それを支える感覚運動系の研究に多く用いられてきた。特にショウジョウバエは,近年の遺伝子工学の進歩により,飛行の神経メカニズムの解明になくてはならない存在である。一方,スズメガは,サバクバッタと並ぶ大型の実験昆虫で,ハエに匹敵する高い運動能力を備えている。そして,形態も内部メカニズムも両実験昆虫の中間的な特徴を有しており,飛行の多様性を知るうえで無視できない存在である。本稿では,このスズメガを中心に,筆者らがこれまで進めてきた自
1リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く