ガの一種(Gorgonemacarea)がクロアゴアリドリの首にとまり、長い口吻で鳥の涙を飲もうとしている。ブラジルで生物学者が発見し、撮影した。(PHOTOGRAPH BY LEANDRO MORAES) ブラジル、アマゾンのジャングルで、眠っている鳥の涙を飲む「ガ」が見つかった。同国では初めての報告で、世界的に見ても、これが3例目だ。 ガやほかの動物の涙を飲む姿は、これまでにもたびたび目撃されてきた。これは、必須栄養素である塩分を得るためだと考えられている。塩分は植物の蜜には含まれておらず、他の場所では見つけるのが難しいからだ。(参考記事:「ワニの涙をすするチョウとハチ」) 鳥の涙も、同じ理由で狙われたのかもしれない。しかし、今回目撃された地域では、近くの川が毎年はんらんし、多くの塩分が土壌から水に溶け出している。つまり、塩分は簡単に手に入る。このため、9月17日付けで学術誌「エコロ

昆虫はそれぞれの環境に適応し、種の多様性が非常に高いことで知られている。翅の獲得は繁栄をもたらした重要な要因だが、その進化のメカニズムは未だ謎に包まれている。2つの対立する説が長い間論争を続けているのだ。一方は翅が全く新規に獲得されたとする説で、もう一方は既存の構造が変形して生じたとする説。これらの仮説は主に形態学に基づくが、段階的な進化過程を示す化石が発見されていないことなどが問題の解決を困難にしてきた。 今回、丹羽尚研究員(形態シグナル研究グループ、林茂生グループディレクター)らは、原始的な昆虫を用いて遺伝子レベルの解析を行い、翅の起源を説明する新たなモデルを示した。それによると、これまで対立概念と考えられていた2つの仮説を統合することで翅の進化を説明できるという。この研究は名古屋大学、信州大学、筑波大学、神戸大学との共同で行われ、Evolution and Development誌に
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