12月10日、社会保険庁が年金記録問題についての調査結果を発表した。 それによると、いわゆる「宙に浮いた5095万件の年金記録」のうち、氏名が欠落した記録が470万件(全体の9.2%)。これについては、原簿と照合して解決すると言っているが、果たしてどこまでできるのか。そして、入力ミスや結婚で姓が変わったなどの理由で氏名が不明となり、名寄せが困難とみられる記録が1975万件(38.8%)あることを明らかにした。 両者を合わせると、全体の半数近くの年金記録に致命的欠陥があったことになる。一方で、持ち主が特定できた記録は1100万件(21.6%)に過ぎなかった。 サンプル調査によって、4割が不明になる可能性があるといわれていたが、実際にそれに近いかそれ以上の状況が明らかになったわけだ。 野党は一斉に反発した。それはそうだろう。その結果は、先の参議院選挙で自民党が掲げた公約とあまりに違って
ここのところ,「社会保険庁オンラインシステム」(現行システム)についての記述や,解説書を探し続けている。昔,アメリカン航空が開発したオンライン予約システム「セイバー(Sabre)」が,情報処理システムの教科書に紹介されていたことを思い出したからだ。同じように,社会保険業務システムの解説資料が存在していないかと思ったのだ。 ところが,これまでのところ,そうした資料は見つかっていない。 社保庁オンラインシステムは良くも悪くも公共システムである。その開発と運用には1000億円単位が費やされている。しかも,再三指摘してきたように,その費用は業務勘定で支出されており,その3分の1は税金,残りの3分の2は年金保険料で賄(まかな)われている。ところが前回も指摘したように,第三者による監査が実施された形跡はないし,詳細な資料が外部に公開された形跡もない。 基礎年金番号導入時の移行プロセスは触れられず 年金

確認申請書などに新字体で記入していた名前を、一級建築士免許に記載されている名前と同じ旧字体に書き換えるように、確認検査機関から事前審査で求められた。書き換えは必要なのか――。こんなメールが、エトアール設計(札幌市)の榎本祥明代表から届いた。

NTTデータは9月21日、カナ氏名のない年金記録524万件に「00」という識別符号が付与されていた件で、一部報道に反論した。報道では、「NTTデータが符号を付与した」「舛添要一厚生労働相はじめ社会保険庁ではこの事実を誰も知らない」とされている。これは昨日開催された、総務省の年金記録問題検証委員会の公表を受けたものだ。 これに対しNTTデータは、「当社が付与・加工したものではない」と反論。「当社がオンライン・システムの開発を手がける前に社会保険庁が管理していた記録上に既に存在していた」と主張した。同社は国民年金については1984年から、厚生年金については86年からシステムの開発保守を受託している。報道は「88年に手書き台帳を電子化した際にNTTデータが00の印をつけた」としている。 社保庁が「00」の存在を知らなかったとする件について、NTTデータは「受託側であるため、当社はデータの内容につ

参議院選挙が終わってから、社会保険庁の年金記録問題への世間の関心はやや薄らいできたような気もするが、我が家では、ある出来事がきっかけになって、つい先日まで社会保険庁のシステムがたびたび批判の的になった。正直に言ってささいなことだったが、この経験を通して「顧客と接する情報システム(業務プロセス)の設計が甘いと、顧客には大きな不満が残るのだな」ということが実感できた。 まず、社会保険庁のシステムを巡り、我が家で起こった“ある出来事”について説明しておきたい。筆者の妻は国民年金に加入している。年金記録問題が取りざたされているのをテレビなどで知り、自分の年金加入記録が正しいのか気になったようだ。加入記録は社会保険庁のWebサイトで閲覧できるが、そのためには専用のIDとパスワードを社会保険庁に発行してもらう必要がある。そこで妻は、同庁のWebサイト上でIDとパスワードを申請した。 しかし、申請時に入

皆さんは,企業のシステムが提供している情報(データ)をどれくらい信用していますか。 例えば,社内の製品担当者に問い合わせをしたい場合,社内システムを使って,製品から担当者を割り出し,担当者名から電話番号を検索,その電話番号に電話をかけてみるでしょう。この場合,社内システムから得られる情報はおおむね信用できるでしょう。製品担当者の変更が更新されていないといったこともあるかもしれませんが,そのような場合は社内であれば引き継ぎ担当者を教えてもらうことで状況を理解できるので,まずは情報を信じて電話をかけてみるのではないでしょうか。 では,社外のお客様へ連絡するときはどうでしょうか。この場合は少し慎重になるでしょう。社内情報を検索するとき以上に各種システムから信用できる必要な情報を慎重に収集し,行動に移すはずです。私の友人のA君もそうでした。 使えないデータたち A君はある電気製品の販売を担当する営

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