『古本屋台』(Q.B.B.〈久住昌之:作、久住卓也:画〉/集英社)テクノロジーの進化が止まらない。品質向上、時間短縮、効率重視…それらをひたすら目指して、今の私たちはパソコンやスマートフォン、AIなどをいともたやすく日常生活で用いるようになった。一方でそんな進化のレールから外れたアナログ回帰の動きもある。音楽の世界でいえば、CDからブルーレイへと移りつつある中、あえてターンテーブルで、レコードに針を落とす瞬間を楽しんでいる人もいるようだ。 『古本屋台』(Q.B.B.〈久住昌之:作、久住卓也:画〉/集英社)は、『孤独のグルメ』の原作者である久住昌之氏が実弟の卓也氏と組んだユニットQ.B.B.が送る激シブ漫画だ。その世界には“テクノロジー”のかけらもない。どこかに残っていてほしいと願わずにはいられない、昭和の時代のアナログ感が漂っている。 ■「古本屋台」とはなんぞや? “古本”と書かれたちょ

『拝啓、本が売れません』(額賀澪/ベストセラーズ) 作家と呼ばれる人になることは、東大合格以上に難しい。東大の合格者は毎年1000人以上いるけれど、作家デビューできる人は毎年果たしてそこまでいるかどうか。作家のメジャーなデビュールートである新人賞だって、倍率数百倍は当たり前だ。 しかし、たとえなれたからといって「作家になる夢が叶ってハッピーエンド」というわけにはいかない。選ばれしエリートたちの本当の地獄はここから始まるのだ! 『拝啓、本が売れません』(額賀澪/ベストセラーズ)の著者も、こうした地獄の淵を覗いてしまった新人作家の1人である。著者は2015年、松本清張賞と小学館文庫小説賞というメジャーな新人賞をダブル受賞してデビューした。1つ取るのも難しい新人賞を2つ同時に取ってしまったスゴイ人である。いわゆる期待の大型新人、新進気鋭の作家ってやつだ。デビュー3年目までに受賞作を含めて7冊以上

『画帖 月百姿』(双葉社スーパームック) 東京・原宿の真ん中ですぐれた浮世絵コレクションが楽しめる太田記念美術館では、現在「江戸の悪 PART II」なる展覧会を開催中だ(~7/29まで)。展示されているのは、大泥棒やヤクザ者、悪代官など、江戸時代の庶民に親しまれた「悪人」ばかり。「悪人が親しまれるとは何事?」なんていうのは野暮な話で、実は江戸の庶民は悪人が大好きなのだ。 たとえば歌舞伎では極悪人がヒーローの演目も珍しくない。むしろ悪い奴であればあるほど歓声があがったりするのだが、そんなダークヒーローが生まれたのも江戸時代。実際、江戸の町では世間を騒がせた大盗賊が市中引き回しになると、その姿を一目見ようと街道が群衆で埋め尽くされたとか。この展覧会ではそんな江戸の「悪好み」を、一流の絵師の筆でたっぷり楽しめるというわけだ。 さて、この手のジャンルの錦絵を得意とした絵師といえば「月岡芳年」はは

2018年6月15日(金)に、ドラマ「孤独のグルメ Season7」の第10話が放送された。先週に引き続き韓国グルメを堪能する井之頭五郎(松重豊)に、「五郎ちゃん節が外国でも健在で安心する!」「今すぐ同じお店に行きたい」と歓喜の声が続出している。 前回から五郎は出張で韓国を訪れており、商談を終えた後ソウル特別市に宿泊。第10話では朝から韓国流の立ち食い屋台でトッポキや天ぷらを堪能し、ご機嫌で取引先へ足を運んだ。無事に会議を終えたあと社長から飲みに誘われるが、酒を飲めない五郎は丁重に辞退。1人でソウルの街に繰り出し、お腹を満たせる店を探し始める。 五郎はハングル文字が読めないが、いい匂いに誘われて焼肉屋へ。言葉も分からないため隣の客が食べているメニューをそのまま真似しようと、身振り手振りで注文を試みた。言葉が通じない国でも妥協せず食を楽しもうとする五郎の姿には、「マジで勇者だな五郎さん」「前

『痴人の愛(角川文庫)』(谷崎潤一郎/KADOKAWA) 28歳独身の河合譲治は、模範的なエリートサラリーマンである。女性経験もなく、真面目すぎる彼は会社で「君子」と呼ばれていた。世間を知らない少女を引き取って教育し、時期がきたら結婚するという願望を持っていた彼は、浅草のカフェの見習いの給仕であるナオミという15歳の美少女を見初める。彼は実家が貧しい彼女を引き取り、2人暮らしを始める。 ナオミが16歳になった春、ふたりは入籍する。譲治は洋服、食事、習い事など、ナオミが欲しがるものは何でも与え、一流の女に育て上げようとした。ナオミの女としての肉体的な魅力は増してきたが、彼女は頭も行儀も悪く、浪費家で飽きっぽい女になってしまった。 ある日譲治は、ナオミが男と立ち話をしているのを目撃する。彼はナオミが何人もの男と深い仲になっていることに気づき、彼女を家に閉じ込めた。それでも男と密会していることが

2018年6月15日(金)に、ドラマ「あなたには帰る家がある」第10話が放送。茄子田太郎(ユースケ・サンタマリア)に対して、「見る目が変わった!」「今まで誤解していてゴメン」と称賛の声が上がっていた。 同ドラマは、佐藤秀明(玉木宏)が茄子田綾子(木村多江)と不倫をしたことがきっかけで、2つの家庭が大きく崩壊していく物語。佐藤家ではついに秀明と真弓(中谷美紀)の離婚が成立し、茄子田家では綾子が秀明と暮らすために離婚をしたいと主張している。 この日の放送では秀明と真弓の娘・麗奈(桜田ひより)と、太郎と綾子の息子・慎吾(萩原利久)が突然栃木に行ってしまう。綾子の実家がある栃木に向かう2人を追いかけ、親たち4人も栃木へ行くことに。その道中、太郎は脱輪した車を見つけると泥だらけになりながら救出し、視聴者からは「太郎良いやつじゃん!」「太郎が意外と優しくて驚いた」と歓声が上がった。 栃木に着くと綾子の

『STARTING GATE!―ウマ娘プリティーダービー―』(S.濃すぎ、Cygame/講談社) この春、競走馬の名を冠する美少女たちの作品『ウマ娘 プリティーダービー』がTVアニメとして放送され、大人気となった。“ウマ娘”たちが挫折や失敗を乗り越え、仲間とともに切磋琢磨する熱い展開が話題を呼び、競馬に興味がなかった層を競馬場へ向かわせるなど、現実にも多大な影響を与えた作品だ。 TVアニメ版の「ウマ娘」は先日最終回を迎えたが、本作品はスマートフォンゲームアプリやコミックスとしても展開されている。こちらはまだまだこれから、といったところだ。そこで本稿では、漫画版である『STARTING GATE!―ウマ娘プリティーダービー―』(S.濃すぎ、Cygame/講談社)の魅力をご紹介したい。 TVアニメでは、異世界から受け継いだ輝かしい名前と競走能力を持った少女“ウマ娘”たち、そしてトレーナーを中心

印刷業界のリアルな実態をコミカルに描いた、『いとしの印刷ボーイズ~業界あるある「トラブル祭り」』が2018年6月15日(金)に発売された。 印刷会社営業出身のマンガ家・奈良裕己が、ちょっと笑えてほとんど泣ける印刷業界の裏側を描いた1冊。「GetNavi web」の連載マンガ『今日も下版はできません!』をベースに、様々な要素を加えて初の単行本化が実現した。 舞台は中堅の印刷会社「ナビ印刷」。主人公の刷元正(スリモト・タダシ)と沖田功人(オキタ・コウト)の周りでは、様々な印刷事故が巻き起こっていく。描かれている印刷事故の中には、「ID」という文字修正を「エロ」と誤って印刷してしまった伝説の誤植エピソードなど全30話を収録。

先日、アメリカと北朝鮮の首脳が初めて会談し、関係改善を演出してみせた。しかし合意文書はやや具体性に欠けており、「元の木阿弥になりそう」との意見も出ているようだ。 「元の木阿弥」とはことわざのひとつで、「一時的によくなったものが、また元の状態に戻ること」を指す。よく知られることわざなので、ご存じの向きも多かろう。しかしひとくちに「ことわざ」といっても、時代やテーマなどによって数限りなく存在する。中にはほとんどの人が知らないような、非常に知名度の低いものもたくさんあるのだ。『本当にある! 変なことわざ図鑑』(森山晋平:文、角裕美:イラスト/プレジデント社)では、そういった世にはあまり知られていない「マイナー」なことわざをイラストと共に、おもしろおかしく紹介している。 ことわざの定義は「昔から言い伝えられる、教訓や風刺を含んだ短い言葉」ということだが、教訓などを含むことが多いため、「偉い人がスピ

2018年6月18日(月)発売の『週刊少年ジャンプ』29号にて、『ONE PIECE』公式スピンオフの読み切り2作品が掲載された。尾田栄一郎公認の学園ギャグマンガに、読者からは「発想が面白すぎる」などと反響が続出している。 掲載されたのは、伊原大貴『恋するワンピース』と、なかまる『ONE PIECE コビー似の小日山 ~ウリふたつなぎの大秘宝~』の2作品。いずれも現実世界の学校を舞台にしており、『ONE PIECE』本編とは無関係の世界線だ。登場するのは『ONE PIECE』キャラのそっくりさんや同名の人物で、名前や容姿を理由に学校でいじられている設定。 『恋するワンピース』は、海賊王(ルフィ)という名前が原因でからかわれている高校生に、同じく麦わら一味と同じ名前の菜美が密かに思いを寄せているという物語。しかし、嘘風(ウソップ)というさらなるキラキラネームの強烈キャラに出会い、学校生活は面

こんにちは。月刊『散歩の達人』編集長の土屋です。今月号の大特集は「中野・高円寺・阿佐ケ谷」。東京屈指のサブカルタウンとして、中央線らしさの象徴とされてきたこのエリア。大学や大企業も誘致され、人の流れの変化とともに見どころが街の周縁部に拡大している中野。ユニークなスポットが生まれ続け、外国人観光客にも人気が高まっている高円寺。普通であることが最強の個性と知る大人たちが、密かに遊び心を爆発させている阿佐ケ谷。常に混沌を受け入れ、安易にカテゴライズできない独自のカルチャーを育む街の魅力に迫る特集です。 特に今月号は、阿佐ケ谷が舞台の『きのう何食べた?』よしながふみさんへのインタビューをはじめ、映画監督・園子温さんが一時期暮らした高円寺「柏園荘」の話を聞くページ、トリプルファイヤー吉田靖直さんが阿佐ケ谷在住の頃を語ってくれたページなど、有名人も続々登場。改めて人を引き付けるこの街の魅力を感じます。

本書は、2017年10月4日、そして第二弾が2018年4月16日と23日の2週にわたってTBS系列で放送された『池上彰と“女子会”』を書籍化。単発の深夜番組にも関わらず、同じ悩みを抱える女子視聴者たちからはもちろん、女子たちの本音を知った男子視聴者からも反響があり、未放送分も含めて再構成した。 <目次> 第1章「結婚」 Q1.イケメン貧乏とブサイク金持ち、結婚するならどっちが幸せなのですか? Q2.結婚って得なのですか? 損なのですか? Q3.どうしたらいい人に出会えますか? Q4.男子って結局、痩せている女子が好きですよね? Q5.男女の友情は成立するのでしょうか? 第2章「お金」 Q1.どのくらい貯金をしておけば、将来は安心ですか? Q2.子どもの英語教育にはお金がかかるのですが、いつから必要ですか? 第3章「仕事」 Q1.結局、美人には勝てないのですか? Q2.待機児童問題が心配です

“イヤイヤ期”は自立心の芽生えによっておこる第一次反抗期、1才半~3才頃がピークと言われています。最近ではイヤイヤ期の呼び方を変えるニュースも話題になり、育児誌『Baby-mo』(主婦の友社)のアンケートでも「子ども仮免許期」「ママ!わかってよ!期」「暴走機関車期」など、たくさんのユニークなネーミングが寄せられました。 イヤイヤ期の子どもは自己主張が強く、何でも「イヤ!」、泣いて暴れて手がつけられないという状況がしばしば……。「自立への第一歩」「子どもが成長している証し」と分かっていても、ついイラッときて子どもを怒ってしまい寝顔を見て反省する、というママやパパの声を多く耳にします。そんな悩めるママたちに「イライラを子どもにぶつけないために何をしている?」を取材しました。そこから見えてきた、SNSを使った乗り切りテクとは? ◆朝すぐの強烈なイヤイヤに怒り爆発寸前!のときは写真をとってママ友に

創部から71年を数える横浜高校の野球部は、甲子園に出場して通算51勝、さらに春3度、夏2度の優勝を果たしてきた強豪だ。これまでに輩出したプロ野球選手は、なんと61人もいる。 この名門校の強さを培い、長らく地位を保ってきたものは、名将と呼ばれた前監督の渡辺元智氏が自ら「食」にあるという。球児たちの活躍を支える横浜高校野球部合宿所の「食」には、いったいどんな秘密があるのだろうか? 6月21日(木)に発売された『甲子園、連れていきます!横浜高校野球部食堂物語』(渡辺元美/徳間書店)は、選手たちの強い身体と精神を「食」の面で支えてきた著者によるスポーツノンフィクションだ。 ■球児たちが本当に必要としていたのは、カロリー計算よりも何よりも、おふくろの味だった 著者の渡辺元美さんは、前渡辺監督の次女で、今年3月まで20年にわたって横浜高校野球部の寮母を務め、1000人以上に及ぶ部員たちに接してきた

「人生100年時代」という言葉を耳にする機会が増えた。健康な高齢者は増加し続け、就業も70歳はおろか80歳まで見据えることができるようになるとも言われている。 これからの人生設計を考えるならば、昨今の技術革新のスピードの速さも見落とせない。大学などで学ぶ知識の重要度はこれからますます低下していくだろうと予測されている。単純な「知識の学び」によって手に入る仕事は、AI(人工知能)に代替されてしまうと見られているからだ。 そんなこれからの時代。AIに代替されないような普遍的な能力や技術を身につけていくためには何が必要か? このテーマを巡っては近年さまざまな議論がなされているが、「性格スキル」という斬新な切り口でこれからの時代の生き抜き方を提案する書籍を本稿ではご紹介したい。『性格スキル人生を決める5つの能力』(鶴 光太郎/祥伝社)という1冊だ。 ■人生のあらゆる局面に影響する「性格スキル」と

転職にまつわる様々な不安を解決していく『このまま今の会社にいていいのか? と一度でも思ったら読む転職の思考法』が、2018年6月21日(木)に発売された。 「同期は優秀なやつから辞めていくが、自分はこのままでいいのか?」「“本当にやりたいこと”が見つからない」「自分の“市場価値”って一体いくら?」など、誰にも聞けない転職のモヤモヤ。転職に関するあらゆる不安をストーリー形式で一挙に解決していく。 <同書で解決する「悩み」> ・会社を辞めるタイミングをどう判断するか ・「年収は下がるけど、魅力的な会社」への転職はありか ・自分の市場価値の測り方と高め方 ・「中途で入るべき会社」と「新卒で入るべき会社」をどう見極めるか ・「本当にやりたいこと」がいつまでたっても見つからないがどうすればいいのか ほか 「仕事でダメな上司に付き合わないといけない」「価値のない商品を嫌々営業しないといけない」「予期

『夫婦という他人(講談社+α新書)』(下重暁子/講談社) 生涯未婚率が上昇する一方で、同性パートナーシップを認める自治体が少しずつ増えるなど、「結婚」や「夫婦」の在り方が大きく変わりつつある日本。2040年には単身世帯が一般世帯の約4割を占めるとも推測されており、「家族」という形態の変化を予感させる。 『夫婦という他人(講談社+α新書)』(下重暁子/講談社)は、従来の「結婚」「夫婦」に対する固定観念を捨て、これからの時代に合った、各々が個人として自立した自由な生き方を提案する。著者は『家族という病』『極上の孤独』などの著作が大きな話題になったベストセラー作家、下重暁子氏。自らの経験を振り返りながら、現在の状況を冷静に分析し、軽快な口調で従来の考え方をばっさりと斬る。テレビ番組でコメントをする時のように、実直な人柄がにじむ説得力のある内容だ。 ■「つれあい」との「水くさい」関係 配偶者のこと

『ルポ 中国「潜入バイト」日記』(西谷格/小学館) 犯罪組織やブラック企業に潜入して、その組織の実態を明らかにする書籍や記事がある。いわゆる「潜入ネタ」だ。文字から伝わる緊迫感とリアリティある情景に、読んでいて思わず興奮する。 『ルポ 中国「潜入バイト」日記』(西谷格/小学館)は、著者でフリーライターの西谷格氏が、中国のあらゆる業種に潜入して、そこで働く中国人たちの素顔や文化を明らかにした1冊だ。そうだ、本書は国内の組織に潜入するのではなく、なんと国外へ飛び出しているのだ。しかもあの中国に、だ。巷に出回る「潜入ネタ」とは一線を画すスケールの大きさに、最上級クラスのリアリティが期待できる。さっそくその記録の一部をご紹介したい。 ■ガイドの目線で見た爆買いツアーの光景中国と聞くと、一時期大きな話題になった爆買いツアーを思い浮かべる。 爆買いツアーに参加する中国人たちを、ツアーガイドからの目線

『お金のミライは僕たちが決める』(我妻弘崇/星海社新書) 長財布を愛用すると、お金が貯まると聞いたことがある。いわく、紙幣が窮屈な思いをしないからお金に好かれる云々。ちなみに、私は高校入学時から変わらぬ二つ折り財布を愛用している。理由は手荷物の定位置にフィットするから。長財布はそのスペースに収まらないので、この慣習は変えないだろう。たとえお金に好かれないとしても。 買い物ではなるべく現金というのも変わらない慣習だ。クレジットカードは手持ちがないときの奥の手。交通系電子マネーは現金でチャージをし、交通手段の支払いにしか使わない。ポイントは特定の1~2店舗のものだけ。モバイル決済や仮想通貨といった、新しいものには手を出さない、というか難しそうで手が出ない。 しかし、世界ではキャッシュレス化が急速に進んでいるという。特に中国では、スマホの専用アプリでQRコードを読み取る、モバイル決済が主流となり


リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く