『経済で読み解く織田信長 「貨幣量」の変化から宗教と戦争の関係を考察する』(上念 司/ベストセラーズ) 経済は歴史と密接な関係がある。その時代に最も権力を持っている人の論理でお金が流れるからだ。権力者が権力をふるいやすいようにお金が集められ、権力者が使いたいところにお金が使われる。そんな中、トップの座にはいなかったのに、日本の経済を大きく変えた人がいた。織田信長だ。そこで、織田信長が登場する前後の経済にスポットを当てた『経済で読み解く織田信長 「貨幣量」の変化から宗教と戦争の関係を考察する』(上念 司/ベストセラーズ)を取り上げる。 信長登場前の日本の経済とは? 日本人なら、日本の経済を動かしていたのは日本人だったと思いたいところだが、少なくとも室町幕府の経済を動かしていたのは明の皇帝だった。日明貿易と言えば聞こえがいいが、足利将軍たちは「明の皇帝のご機嫌取りさえしておけば、たくさんの銭が

『ヒルビリー・エレジーアメリカの繁栄から取り残された白人たち』(光文社) 過激な発言の数々で世界中の注目を集めるドナルド・トランプ大統領だが、いまだに彼の当選はショッキングな出来事として世界中の印象に刻まれている。それは当事者であるアメリカ国民からしても同じことだ。そして、トランプを圧倒的に支持した白人貧困層への関心が集まるようになった。 どうして彼らはトランプを愛し、前大統領オバマのように物腰柔らかな政治家を憎むのか? 『ヒルビリー・エレジーアメリカの繁栄から取り残された白人たち』(光文社)はタイム誌が「トランプの勝利を理解するための6冊」の1冊に選定するなどアメリカ国内で大反響を巻き起こしており、これらのタイムリーな謎に答えてくれるだろう。 先に述べておきたいのは、本書が思想書や政治論の類ではないということである。内容はケンタッキー州南東部ジャクソン出身の著者、J.D.ヴァンスの自

私たちは毎日さまざまな選択をしながら生きている。何かを選ぶとき、人はどんな思考に基づいて行動しているのだろうか。 直感、好き嫌い、損得、消去法。なんとなく選んでいるという人もいるかもしれないが、「選ばなかったもの」に注目してみたこと はあるだろうか。 『あなたの人生は「選ばなかったこと」で決まる(日経ビジネス人文庫)』(竹内健蔵/日本経済新聞出版社)は、経済学の考え方のひとつ「機会費用」によって人間の行動の謎や社会の仕組みを教えてくれる一冊だ。 不選択の経済学「機会費用」とは ?経済学のテキストの中では、「機会費用とは、複数の選択肢があるとき、ある選択を採用したことによって犠牲にされた選択肢を選んでいたならば得られたであろう価値のこと」と定義されている。そう言われてもなかなかピンとこないが、著者はデートを例に分かりやすく解説している。 ある女子大生が男性からデートに誘われた。しかし彼女は

『社会人1年目からのお金の教養』(ディスカヴァー・トゥエンティワン) 新生活で初任給をもらう人もそうでない人も。「お金」は好きだろうか? キライという人はめったにいないだろう。では、お金のことをどれくらい知っているだろうか。どれくらい…、といって「株やFXなら少々たしなむ」と思ったあなた! のんき過ぎる。そんな発想では初任給でもらった20万円なんてあっという間に消えてなくなるかもしれない。こう警鐘を鳴らすのは、泉正人氏である。 泉氏は、日本で初めて“お金の教養”を学べるマネースクールを開いた人物。 いわく、今、お金について学ばないと、次のような格差が広がるだろうと。 “君と、君の同期や仲間のこれからの人生は、決して同じではありません。 今日している仕事は同じでも、10年経った頃には収入に差がつきはじめ、 20年後には、ある人は毎朝満員電車に揺られ、ある人は世界中を仕事で飛び回り、ある人は悠

『世界がもし100人の村だったらお金篇 たった1人の大金持ちと50人の貧しい村人たち』(池田香代子、C.ダグラス・ラミス/マガジンハウス) タッチアップ、スクイズ、ホームスチール――これは野球の専門用語。野球をやったことがある、野球を見るのが好きだという方はわかるだろう。しかし、わからないという方は“ちんぷんかんぷん”に違いない。 わからない・難しい言葉や数字が出てくれば、そうなってしまうのは当然。特に今回取り上げる「経済」や「金融」というテーマは苦手、という人は多いのではないだろうか。私も正直苦手な分野だ。そんな世界の経済・金融の話を含む「お金」にまつわるテーマをわかりやすくまとめてくれているのが『世界がもし100人の村だったらお金篇 たった1人の大金持ちと50人の貧しい村人たち』(池田香代子、C.ダグラス・ラミス/マガジンハウス)。色々なデータを「世界が100人の村だったら~」とい

経済は「土地」と「資源」の奪い合いから見えてくる…。代々木ゼミナールの地理講師が、44の視点から地図を読み解いた『経済は地理から学べ!』が、2017年2月17日(金)に発売された。 地理とは、地形や気候といった自然環境を学ぶだけの学問ではない。地理がわかれば、経済ニュースがもっとわかる。農業や工業、貿易、流通、人口、宗教、言語にいたるまで、現代世界で目にする「ありとあらゆる分野」を学ぶ、実は奥深い学問なのだ。 著者は、「代ゼミの地理の顔」といわれる宮路秀作。「地理」を通して、現代世界の「なぜ?」「どうして?」を解き明かす講義は、9割以上の生徒から「地理を学んでよかった」と好評だ。講義の指針を宮路、「地理とは、地球上の理(ことわり)である」と語る。そんな人気講師が、一般書としては初めて記した同書は切り口も明確で、導かれる答えにも思わず「なるほど、そうか」と唸ってしまいそうだ。 <内容紹介>

2016年11月、アメリカ大統領選挙で共和党のトランプ候補が当選した。メディアも識者もほとんどが予想だにしなかった驚きの結果であり、日本を含め世界中が困惑の色を隠せない。トランプ氏が大統領になるということはどういうことなのか。本書『「トランプ時代」の新世界秩序』(三浦瑠麗/潮出出版)の中で、アメリカは国際社会における「帝国」の座から意気揚々と撤退する、と国際政治学者の著者は指摘する。 選挙中、アメリカ軍を日本に駐留させているコストを日本はきちんと払うべきだとトランプ氏は主張した。日本のみならず、韓国や欧州などアメリカ軍を駐留させている国々に対してもだ。これは単に金を払えということではない。これこそ、世界を影響下におく「帝国」の座から自ら撤退しようとしていることを意味している。アメリカはこれまで世界中の紛争に首をつっこんできた。なぜなら、「アメリカが国際的な制度作りを主導することが、アメ

米国系銀行や証券会社で債券ディーラーなどを経て1995年に作家へ転身した幸田真音氏の作品が、2017年2月25日(土)に電子版として一挙配信される。今回、電子版として配信されるのは8作品12点だ。デビュー後は国際金融の世界を主な舞台に、時代を先取りするテーマで次々と作品を発表、今年で作家生活22年を迎える。2000年11月に刊行され、ベストセラーになった『日本国債』、14年に第33回新田次郎文学賞を受賞した『天佑なり 高橋是清・百年前の日本国債』などは上下合本版で配信される。幸田ファンはもちろん、これまで気になっていた…という人は必見だ。 <ラインナップはこちら> 『eの悲劇』 証券会社を解雇され、警備会社に再就職した「私」篠山孝男は、自衛官上がりの藤木達也と東都銀行本店ビルの警備中、屋上から飛び降り自殺をしようとしていた三田村光治を助ける――「eの悲劇」。警備を務める中で知り合った、自殺

『トランプ後の世界 木村太郎が予言する5つの未来』(木村太郎/ゴマブックス)アメリカの大統領選挙で、ドナルド・J・トランプが勝利を収めて2ヶ月が過ぎたが、今でもあの時の衝撃は忘れられない。世界中で多くの人が「まさか」と思う結果だったのではないだろうか。そして来る1月20日には、遂にトランプ大統領が誕生する。選挙戦中の数々の暴言もさることながら、日本人として気になるのは、やはり日本に対する政策。米軍撤退の可能性やTPPからの離脱など、私たちに大きな影響を及ぼしそうな内容も少なくない。トランプが正式に大統領となった後、世界がどう変わるのか、様々な憶測が飛び交っているが、実際はどうなるのだろうか。『トランプ後の世界 木村太郎が予言する5つの未来』(木村太郎/ゴマブックス)では、トランプが国民の支持を得た理由を様々な角度から分析し、トランプ大統領誕生後に世界や日本がどう変わるのかを予測している

『「兆し」をとらえる 報道プロデューサーの先読み力(角川新書)』(野口雄史/KADOKAWA) これから何が流行るのかがわかったら、大成功の人生が送れるに違いない。「見えない時代の先を読む。」という帯の文句が目を引く、『「兆し」をとらえる』(野口雄史/KADOKAWA)は、「ガイアの夜明け」のプロデューサーが時代の波のとらえ方を書いた本だ。 「ガイアの夜明け」は、2002年からテレビ東京系列で放送が始まり、今日に至るドキュメンタリー番組。番組名に「日経スペシャル」の冠がつくとおり、番組のテーマは経済だ。これまでに、「世界遺産の功罪(世界遺産登録が決まる前から平泉を取材)」「日の丸スポーツカー 復活(日産GT-Rの開発を追う)」など、多くの回が話題になった。 著者は本書の中で、〈「なぜ先が見えない話なのに、重要だと思うのか?」という問いに、「勘です」としか答えられないのなら、仕事ではありませ

ファイナンスとは何かを概観し、ファイナンスの世界の奥深さを紹介した入門書『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』が2016年12月15日(木)に発売された。 一時期の会計ブームに続いて今、ファイナンスのプチ・ブームが起きているといわれている。同書は、ファイナンスとは何かから説き起こし、数式を使わずに俯瞰した初学者のためのファイナンス入門書だ。 著者の正田圭は1986年奈良県に生まれ、15歳で起業した人物。インターネット事業売却後、未公開企業同士のM&Aサービスを展開し、事業再生の計画策定や金融機関との交渉、企業価値評価業務に従事。現在は、自身が代表を務めるティガラグループにて、ストラクチャードファイナンスや企業グループ内の再編サービスを提供している。 正田は、ファイナンスについて「お金を生み出すノウハウでもなく、特殊なスキルでもなく、教養であり、お金という枠組みで思考する

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