『芸人と俳人』(又吉直樹、堀本裕樹/集英社) 春夏秋冬を表す季語を必ずどこかへ入れ、五七五で作られる有季定型俳句は、季語のない川柳や文字制限のない自由律俳句に比べると急にハードルが上がった気にさせられる。しかも「~かな」や「~けり」など、普段は使わないような言い回しや、「え、これって季節が違うんじゃ?」と思ってしまうような季語、さらには「こんな言葉、見たこともない……」という難しい言い回しもある。また覚えないと作れない、知っていないと恥をかくルール(もしかしたら恥はかかないかもしれないが、間違ってしまうと「あ……」と恥じ入る気持ちになってしまうのは間違いない)などもあって、なんだかとても難しく感じてしまうのだ。 そんな俳句が、実は自由で楽しいものであることを教えてくれるのが、雑誌『すばる』で2012~14年に連載され、その後2015年に単行本、そして2018年に文庫化された『芸人と俳人』(

読書芸人として大ブレイク中のピース・又吉直樹。古典から現代のものまで、さまざまな作品を紹介する彼の“本の目利き”に、全幅の信頼を寄せる人も多いだろう。そんな又吉が、近代文学を読み始めたのは、なんと国語便覧がきっかけだという。 国語便覧といえば、学生時代に国語の副読本として親しんだ人も多いはず。又吉もそのひとりで、深夜番組『ショナイの話』でも国語便覧への愛を語り、ブログでは「国語便覧は内容の濃さと比べて値段が安過ぎる物の日本代表です」「国語便覧、広辞苑、地図帳は最強」とつづっているほど。しかし、なかには「冊子が重たすぎて、机に置きっ放しにしていた」「まじめに読んだことがない」という人もいるのでは? そこで、今回はそんな大人のために、国語便覧を紹介したい。 今回、読んでみるのは『クリアカラー国語便覧』(武久 堅:監修、青木五郎:監修、坪内稔典:監修、浜本純逸:監修、数研出版)。まずは古文からス

児童書出版社として70周年を迎えた「ポプラ社」が主催する、「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」の投票が2017年11月1日(水)から開始され大好評を博している。 同イベントは、「こどもたちが選んだ本ベスト10」を決定するというもの。現在2,000軒を超える書店店頭や全国の小学校、公共図書館や小学生新聞、全国紙の広告、ポプラ社HPやTwitterなどで日本全国の小学生に投票を呼び掛け中。11月の応募開始から1.5カ月で、日本全国の小学校などから問い合わせが数百を超え、小学生から7万通を超える投票が予想されている。 そして、同イベントのアンバサダーに芥川賞受賞作家でありお笑いタレントとして活躍する又吉直樹の就任が決定。又吉は、2018年5月5日(土)の「こどもの日」に実施される予定の「こどもの本総選挙」結果発表会に出演する。通算3,000冊以上の読書歴を持つという又吉は、自身が小学生だった

2017年5月18日(木)に放送された「ゴロウ・デラックス」(TBS)で、お笑い芸人であり作家でもあるピース・又吉直樹が登場。番組内で紹介された“文豪で作ったサッカーチーム”に「サッカーと文豪、どちらも詳しい又吉にしかできない遊びだwww」と盛り上がりを見せている。 又吉の考案した「文豪サッカーチーム」は、自身の最新著書『劇場』の中で主人公がサッカーのテレビゲームをプレイする際に生まれた描写。又吉は高校時代にサッカー部でインターハイ出場を果たすほどの実力を持っており、作中ではその経験が存分に生かされた“実況解説”が繰り広げられている。 番組では小説家として出演した又吉直樹を前に、MCを務める稲垣吾郎が該当部分を朗読。続けて文豪の名前がサッカーのフォーメーション的に配置されたフリップを使って又吉が解説を行った。「作品を読んできた感覚でポジション的にどこかを考えた」結果、スピード感重視の芥川龍

2017年5月22日(月)付のオリコン週間“本”ランキングが発表され、「BOOK(総合)部門」で又吉直樹の『劇場』が1位を達成したことが分かった。読者からも「一気に読み終えた」「久しぶりに涙があふれた」と高い評価が相次いでいる。小説『火花』で第153回芥川賞を受賞したお笑い芸人・又吉直樹(ピース)の芥川賞受賞後第1作となる同作は、2017年5月11日(木)に発売。2008年4月に同ランキングが集計を開始して以来、芥川賞受賞作家の受賞後第1作(小説作品)による同部門の1位獲得は初めて。総合BOOKランキング部門とともに同日付の「文芸(小説)部門」でも1位を獲得している。 同書は原稿用紙約230枚だった『火花』を超える300枚の長編で、2017年3月発売の文芸誌『新潮』4月号に単行本の発売に先がけて掲載。又吉にとって初の恋愛小説となる同書は、東京で活動する売れない劇作家・永田と女優を夢見る女

『芥川賞の偏差値』(小谷野 敦/二見書房) 1935年の創設以来、純文学の最高峰として君臨し続ける芥川賞。歴代受賞作には遠藤周作、安部公房、大江健三郎ら世界文学史に残る作家たちの小説が名を連ね、今もなお、受賞発表には世間からの高い関心が集まっている。 しかし、実のところ芥川賞即ち名作、という公式は成り立つのだろうか? 『芥川賞の偏差値』(小谷野 敦/二見書房)は、第1回から2016年の第156回に至るまで、161もの受賞作品を「偏差値」という形でランク付けし、年代順に評していく衝撃の書評だ。文壇へのシビアな視線が物議をかもすこと間違いなしの内容は、全ての本好き必読である。 多くの小説家が目標とするほどに、権威が高まった芥川賞ではあるが、その選考基準には疑問も多い。かつては同人誌も選考対象だったのに、いつの間にか五大文藝雑誌に掲載された作品が大半を占めるようになった。新人の賞と言われている割

1リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く