鴻上尚史さん(撮影/写真部・小山幸佑) この記事の写真をすべて見る 正社員として務めていた会社がコロナ禍で倒産し、現在はパートとして働いているはやてさん(45)。同世代の友人と比較して「普通」の幸せに遠くおよばない自分自身を「必要のない人間」だと語ります。そんなはやてさんに鴻上尚史が伝えたいこととは──。 * * * 【相談273】 500 社から不採用。社会的に「必要のない人間」である私。(45歳 男性 はやて) 私は現在45歳、パートで働いています。30歳の時にリーマン・ショックで会社が倒産、第二次就職氷河期に突入し、正社員枠が全くなく、37歳の時になんとか入った会社は40歳になった年にコロナで倒産。40歳ということもあり、都道府県・職種を選ばず500 社受け、どこにも受からず、今パートで細々と働いています。 周りの友人は管理職になっていたり、結婚して子どももいたりと「普通」の

Q: 私は中小企業で事務職をしている会社員(30代女性)です。 新卒入社したAさん(男性・20代半ば)が原因で部署が混乱状態に陥っており、対処法をお伺いしたくメールさせていただきました。 Aさんは一見すると非常に物腰柔らかで礼儀正しい人物なのですが、指示を理解できない、ミスを繰り返す、被害者意識が強い、他人に責任を擦り付ける等の行動が原因でフォローする社員の仕事量や精神的な負担が増大し、入社して半年で関わった社員2名ともを休職に追い込んでしまいました。 休職者はAさんの直属の上司Bさん(40代男性)、AさんのOJT担当(On the Job Training = 指導役)のCさん(20代男性)です。 どちらも元々仕事が多忙だったためすべてがAさんが原因とは言い切れませんが、何度マニュアルを見せながら丁寧に仕事を教えても覚えず、フォローしても感謝も反省もなく、むしろBさんやCさんの教え方が悪

プロフェッショナル職の間で、フルタイムの仕事を複数掛け持ちする人が密かに増えている。どうすればそんなことが可能なのだろうか?Tyler Le/Insiderコロナ禍が始まってまもなく、ブライアン・ロークはアマゾン(Amazon)のソフトウェア・エンジニアとしての職を失った。ある意味でホッとした。何カ月も続けて骨の髄まで働き続けていて、完全に燃え尽きたように感じていたからだ。 だが時勢は厳しかった。アマゾンはロークを、大恐慌以来最悪の求人市場に投げ込んだのだ。 ロークは両親に電話で悪いニュースを伝え、それからアパートの荷物をまとめて実家に引っ越した。結局、IBMで完全リモートの仕事にありつけたのだが、心の底には澱のように不安が残った。 「自分ではどうしようもないことのように感じていました。僕を雇うも解雇するも思いのまま、そんな会社の気まぐれに振り回されるのが嫌でした」(ローク) きっかけはメ

「リスクは仕事の興奮の中に書き込まれている」──クリエイティブな労働に日頃取り組んでいる人、あるいはそうした人物が身近にいる人にとって、ハッとするフレーズではないだろうか。一生懸命に仕事に打ち込み、思わぬ成果に心が浮き立つなかで、労働の不安定さと、それを当然とする社会の状況は見過ごされていってしまう。「今日の仕事も(キツかったけど)楽しかったなあ!」という、あの喜びのなかで。2023年2月に刊行されたアンジェラ・マクロビー『クリエイティブであれ:新しい文化産業とジェンダー』(田中東子監訳、中條千晴・竹﨑一真・中村香住訳、花伝社)がいま、密かに注目を集めている。熱心に仕事に励むほどにマルチタスク化のなかで陥ってしまう苦境、ジェンダーをめぐる問題が密接に絡み合った現代のクリエイティブ労働のありようを、見事に活写している快著だ。監訳を務め、自身はフェミニズムやカルチュラル・スタディーズの研究な

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