こんにちは、精神科医しょうです。 「アダルトチルドレン」とは、子どもの頃の家庭環境や親の行動などによって傷つき、その心の傷が癒えないまま大人になった人を指す言葉で、医学的な診断名ではありません。 アダルトチルドレンの定義は難しく、成長過程において養育者から受けた肉体的・精神的虐待などによりトラウマを抱えたり、自分を犠牲にしてしまったりなど日常生活を送る中で支障を感じてしまうことが多いと言われており、なかには精神疾患を患う人もいます。 今回の記事では、アダルトチルドレンの特徴と原因について解説したいと思います。 「もしかすると、自分はアダルトチルドレンなんじゃないか?」と心配している人は、参考のためにぜひご覧ください。 「アダルトチルドレン」の特徴とは?アダルトチルドレンの共通点として自己肯定感が低く、自尊心が低いといった特徴があります。 「自分はダメな人間だ」「価値がない存在だ」と常に考え

放置されて育ったとは「ネグレクト(養育放棄)」とも呼ばれ、食事や衣服などの物理的な世話だけでなく、愛情や会話、安心感を十分に与えられない状態も指します。 特に「放置された」「十分にかまってもらえなかった」と感じながら育った人は、自己肯定感や対人スキル、恋愛・仕事のスタイルにまで影響が及ぶことが少なくありません。 今回は「親に放置されて育った大人に見られやすい共通点」について、男女別にわかりやすく解説していきます。 監修とコメントは、子どもの成長発達にくわしい臨床心理士、公認心理師で一般社団法人マミリア代表理事の鎌田怜那さんです。食事や衣服などの最低限の世話はされていても、気持ちを受け止めてもらえなかったり、安心できる言葉をかけてもらえなかったり。こうした「放置された」経験は、大人になってからも性格や人間関係に影響を与えることがあります。 では、どんな特徴が表れやすいのでしょうか? 親に放

子ども時代の家庭環境は、その後の性格や人間関係のあり方に大きく関わります。特に「放置された」「十分にかまってもらえなかった」と感じながら育った人は、自己肯定感や対人スキル、恋愛・仕事のスタイルにまで影響が及ぶことが少なくありません。 もちろん全員が同じではありませんが、傾向として現れやすい特徴があります。今回は「親に放置されて育った大人に見られやすい共通点」について、男女別にわかりやすく解説していきます。 監修とコメントは、子どもの成長発達にくわしい臨床心理士、公認心理師で一般社団法人マミリア代表理事の鎌田怜那さんです。 「親に放置されて育つ」ってどういうこと? 放置されて育ったとは「ネグレクト(養育放棄)」とも呼ばれ、食事や衣服などの物理的な世話だけでなく、愛情や会話、安心感を十分に与えられない状態も指します。 簡単にいうと、子どもに必要な関わりや愛情が十分に与えられない状態で育つことで

自分に自信が持てない、人間関係が不安定、恋愛が長続きしない、女性への偏った思考……こうした悩みを抱える男性の中には、幼少期に母親から十分な愛情を受け取れなかった経験が影響しているケースもあります。 母親の愛情は、安心感や自己肯定感を育む大きな土台。これが不足したまま大人になると、無意識のうちに思考や行動に歪みが表れることがあります。神谷町カリスメンタルクリニック院長の松澤美愛先生監修のもと、見ていきましょう。 子どもにとっての母親の心理的役割とは 父親は社会性や外の世界とのつながりを学ばせる存在である一方、母親は「無条件の愛情」を注ぎ、子どもに安心感を与える役割が大きいとされています。 子どもは母親にしがみついたり甘えたりすることで不安や恐怖に対処するようになります。その中で自分が守られ支えられることを実感し、心を成長させていくのです。 このような母親との関係性が作られないと、子供は不安な

自分と他人との境界がよくわからない最近、自分と他人との境界がよくわからないと感じている人が多いようです。自分と他人との境界のことを「自我境界」といいます。 自我境界がはっきりしていない場合、自分と他人の立場や気持ちを混同したり、事実と自分の気持ちを混同しやすくなります。そのような状態を「混同思考」と呼びます。自我境界の障害が混同思考を招くわけです。 一般的に幼い子供は人格形成が未熟なため、そのような自分と他人との境目がはっきりわからないという状態がよく観察されます。 それは幼い頃の問題であって、成長過程で人格が成熟してゆくにつれて、次第に自分自身というものをはっきりと自覚できるようになります。 ところが、成人してもそうした未成熟な人格構造が残ってしまう場合があります。 考えられる原因原因のひとつとして考えられるのは、親が支配的だったり、逆に過保護だったりした場合です。自我境界の障害を抱えや
大人になってからも、自分の性格や行動パターンに悩むことはありませんか? その中には、幼少期に受けた親からの愛情の影響が根深く関わっている場合があります。 親からの愛情不足によって、どんな問題や生きにくさが出てくるのか。 親子関係心理学の専門家・合同会社serendipity代表の三凛さとしさん監修の以下記事から、一部抜粋してお届けします。 「親からの愛情不足で育った大人」の特徴とは。こんな問題行動や思考の偏り、ありませんか? 愛情不足で育ってきた人は、どんな問題行動や生きづらさが起きやすい? 必ずしもすべての人に当てはまるわけではありませんが、愛情不足の影響が深い場合、以下のような傾向が現れやすいです。 対人関係がうまく築けない 愛情不足で育つと、他者との絆や信頼感を築くのが難しくなりやすいと言われています。過度な依存や試し行為、頻繫な人間関係リセットなどが見られることも。 反対に、親から

大人になってからも、自分の性格や行動パターンに悩むことはありませんか? その中には、幼少期に受けた親からの愛情の影響が根深く関わっている場合があります。 親からの愛情が足りないまま育った大人は、対人関係や自己評価においてさまざまな課題を抱えることが多いと言われています。知らず知らずのうちに問題行動や偏った思考に陥っているかもしれません。 親からの愛情不足は大人になってどのような影響を及ぼすのか、またそれによってどんな問題や生きにくさが出てくるのか探っていきます。 監修は、親子関係心理学の専門家・合同会社serendipity代表の三凛さとしさんです。 親からの愛情が不足して育ってきた人には、どんな特徴が見られる? 親から十分な愛情を受けずに育った人には、おもに以下の特徴が見られることが多いようです。 多くの面において自己肯定感が低い 自分を価値ある存在として認識するのが難しいため、自信を持

子どもの人生を左右する大切な要素とは何でしょうか。ある人は遺伝的要素だと言いますし、ある人は育った環境だといいます。 確かに、自閉症やADHDをはじめ、生まれ持った遺伝的要素は、終生影響を与えます。しかし、子どものころの親との関わり、つまり愛着を育む環境もまた、人生に大きな影響を及ぼします。 もし親と子との間に適切な愛着が築かれなければ、子どもは「愛着障害」と呼ばれる症状を示し、その後の人生でさまざまな問題を抱えたり、健全な社会生活や家庭生活が送れなくなったりしてしまう可能性さえあります。 この記事では、親と子どもの愛着がいかに大切かを示している、7つの実験結果とエピソードを取り上げ、愛着障害の悲惨さと、愛情の大切さについて考えます。 これはどんな本 今回取り上げる本は以下の四冊です。 いやされない傷―児童虐待と傷ついていく脳は、虐待・愛着障害・小児慢性疲労症候群などの研究をしておられる福

〜妊娠中絶と性病〜結婚する前の事です。妻は以前、付き合っていた人の子どもを妊娠した事があり、中絶し彼と別れたのでした。境界性人格障害の女性には、中絶の経験をしている方が少なくないようです。 私たち夫婦は長い間、子どもに恵まれませんでした。不妊治療をしてみようと話し合い、病院で検査を受けました。妻からクラミジアという性病が見つかり、不妊の一因が分かりました。妻は浮気相手から性病を移され、妻を通して私にも性病が移されていました。 ある本によると、中絶と別れというショッキングな出来事が、心的外傷となり心の防衛機制が働き、退行が生じたり、境界性人格障害の発症となるという見方もあるそうです。実際そういうケースもあると思います。 ところで、妻を見てきて感じるのは、健気さ、真面目さで、ふしだらという感じではないのです。強い愛情飢餓があり、健気に人を信頼したいという一面もあります。こうした動機から、恋愛

なぜいじめはなくならないのか。児童精神科医・佐々木正美さんは「友達をいじめる子というのは、うんと小さいときに親と喜びを分かち合うことがなかった、あるいはとても少なかったケースがほとんどだ」という。著書『子育てのきほん 新装版』(ポプラ社)より、一部を紹介する――。(第1回/全2回) 「子どもが喜ぶことだけをしてあげる」重要性 お母さんがたに「赤ちゃんをどう育てればいいのでしょう」「なにをしてあげれば一番いいのでしょう」ときかれるとき、私はいつもこう答えています。 「お母さんは、子どもが喜ぶことをしてあげてください」 単純なことだと思いませんか? けれど、多くのお母さんは「喜ぶことばかりをしてはいけないのではないか」というふうにお考えになるようです。 けれどそれは違います。「子どもの喜ぶことをしてあげること」とは、その子がやがて社会のなかで生きていくうえで一番必要な「社会性」の土台をつくるこ

「これは法廷では言えなかったですけども…。『赤ちゃんポスト』には、いわゆる司法に関係する公務員の方が、2回来たこと(利用したこと)がありました」証言に立った医師の口からは、思いもよらぬ言葉が飛び出した…

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3歳の長女を自宅アパートに9日間置き去りにして衰弱死させたとして保護責任者遺棄致死などの罪に問われている母親の梯沙希(かけはし・さき)被告(26)。2022年1月27日に開かれた裁判員裁判の初公判で、梯被告は起訴内容を認めた。 梯被告は2020年6月5日~13日、旅行で鹿児島に9日間滞在した間、当時3歳の娘・稀華(のあ)ちゃんを東京・大田区の自宅アパートに鍵をかけて放置し、脱水と飢餓で死なせた罪などに問われている。 1月28日の第2回公判では稀華ちゃんの父親で梯被告の元夫であるAさんの証人尋問のほか、弁護側の被告人質問が行われ、梯被告から見た事件までの日々が語られた。そこから浮き彫りになったのは、被告の“断れない”性格や、流されやすさだった。この日は、梯被告の母親の調書も読み上げられ、被告のパーソナリティに大いに影響を与えたと思しき、壮絶な虐待の被害も明らかになった。(全2回の1回目。2回

「家族」だからといって、すべての人が仲良く、手を取り合って暮らせるわけではありません。中には親子や兄弟同士で激しく憎しみ合い、争いの末、裁判や事件にまで発展してしまう家族もいます。本記事では、裁判の傍聴を通じて、「現代の家族が抱える問題」に焦点を当てます。執筆するのは、傍聴ライターとして10年以上法廷に足を運び続ける高橋ユキさんです。 2016年9月12日、千葉県酒々井町(しすいまち)の一軒家に住む竹内諒さん(当時21歳)が遺体で発見された。諒さんと連絡が取れなくなっていたことを不審に思った友人たちが家を訪れ、110番通報。警察官が室内から、バラバラに切断された彼の遺体を見つけた。翌日、死体損壊と死体遺棄の疑いで逮捕されたのは、この家で諒さんと2人で住んでいた、姉の竹内愛美(えみ)さんだった。 公判は2年後の2018年2月に千葉地裁で開かれた。愛美被告は死体損壊と死体遺棄に加え、諒さんを

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