9月27日に最終回(9月28日は1週間の振り返り)を迎えたNHK連続テレビ小説『虎に翼』より、尾崎裕和制作統括のコメントが寄せられた。 2024年度前期、NHK東京が製作を務めた本作は、日本初の女性弁護士で後に裁判官となった一人の女性を描いたリーガルドラマ。NHKよるドラ『恋せぬふたり』で向田邦子賞を受賞、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京)などを手がけてきた吉田恵里香が脚本を担当した。 リアルタイムとタイムシフトによるNHK総合での視聴全話平均視聴者数は1773.7万人。NHK BSでの視聴者数との合計数は2067.4万人となった。(※1) 総合視聴率は、個人視聴率が関東で平均13.7%、関西で11.8%、世帯視聴率が関東で23.9%、関西で21.2%を記録した。(※2)NHKプラスでの平均視聴UB数は44.9万で、歴代連続テレビ小説の中で最も高い平均視聴UB 数

最高裁長官となり、司法の独立と中立維持のために強権的なやり方を強めていく桂場等一郎。第1週から登場し、時に嫌味を言い、時に背中を押し、寅とも子こ(伊藤沙莉)の成長を見守ってきた彼の心の内とは──。 演じる松山ケンイチさんに、桂場の生き方について、また芝居の中で感じたことなどについて聞きました。 鼻血のせいで、桂場は航一に“刀を振り下ろす”ことができなかった ──最高裁長官となった桂場は、「司法の独立」にこだわるあまり、独裁的な人事を行うなどして、孤独を深めています。そんな桂場の心境をどのように感じていますか? 桂場にとって“正しい司法のあり方”とは、まず中立であり、1ミリも傾いておらず、汚れてもいないものなんです。まっすぐな視点で物事を判断することに、ものすごく執着している、潔癖というか、神経質な男ですから。 それが最高裁長官となって、裁判所全体の問題をジャッジしていかなくてはならない中で

――主演の伊藤沙莉さんはじめ、出演者の方々も魅力的でしたね。 吉田 伊藤さんが寅子を演じてくれたので、ここまで書けました。他の方だったら、寅子のような疑問や対話を諦めない生き方ではなく、もう少し分かりやすいキャラクターにしたと思います。 伊藤さんは怒りを表現しても嫌われない、稀有な才能を持った俳優さんです。当時の女性の中では寅子は恵まれた環境で育っていますが、伊藤さんが等身大で演じていると、それが嫌味なく素敵だなと思えるんですよね。 ――視聴者の反応には触れていたのでしょうか。『推しの子』の作画・横槍メンゴさんとのラジオ(『ウチらと世界とエンタメと』)では、食事中の15分だけSNSを見ると明かしました。 吉田 シナリオを書き終わったので、少しずつまとめて読んでいるところです。4歳の息子がいるのですが、息子が黙々と動画を見ながらご飯を食べてくれるときだけSNSの反応を見る、と決めていたんです

裁判官の寅子(伊藤沙莉)が法で人を裁くことの難しさに直面するドラマ「虎に翼」(NHK)。ノンフィクションライターの神田憲行さんは「放送最終月で、ある女性が実の父親に性虐待され5人の子を産まされ、結婚に反対されて家に閉じ込められた末に襲ってきた父親を殺した55年前の事件を出してきたので驚いた。実際に事件を担当した大貫弁護士に取材したことがあるが、大貫氏は法制史に残る判決を勝ち取った」という――。 「虎に翼」の最後で「尊属殺重罰規定違憲判決」が描かれる驚き まさかこの大詰めに来て、「尊属殺重罰規定違憲判決」をぶっ込んでくるとは。 「虎に翼」が残り3週になったところに、父親を殺したという美位子(石橋菜津美)という女性が登場し、いきなりデカいネタを放り込んできたことに驚いた。どうやら制作陣は戦後の法制史において、重要なポイントは全部触っていくつもりらしい。 もともと原案ともいえる清永聡さんの『家庭

いい母親という演出を、一つでも削ることに意味がある。『虎に翼』脚本・吉田恵里香さん「本当はもっと“我儘”な寅子のシーンを入れたかった」《インタビュー》 9月27日で最終回を迎える、NHK連続テレビ小説『虎に翼』。「すべて国民は、法の下に平等であって…」からはじまる日本国憲法第14条を軸に、戦前から戦後にかけての不平等が描かれてきた。日本初の女性弁護士の一人・寅子が、さまざまな問題に繰り出す「はて?」は、多くの視聴者の心をつかんでいる。 8月末に予約開始したシナリオ集も完売した、脚本担当の吉田恵里香さんに、シナリオ集発売のねらいから、「婚姻制度」を描いて感じたこと、次回作のテーマまで、お話をうかがった。 (取材・文=立花もも 撮影=島本絵梨佳) ――朝の連続テレビ小説『虎に翼』は、放送の翌週に電子限定で1週間分のシナリオ集が発売されるという異例の試みがなされていました。 吉田恵里香さん(以下

明治大学法学部教授、大学史資料センター所長/図書館長 村上 一博 高遠城跡(長野県伊那市)。内藤家の居城でした。 第10週から、戦後「裁判官編」に入りました。昭和22年6月、寅子は、裁判官への任用は叶いませんでしたが、「胡散臭い」殿様判事の久藤頼安(ライアン)の引きで、司法省民事局民法調査室に嘱託として採用されました。久藤頼安のモデルは、旧信濃国高遠藩主の内藤家第16代当主の内藤頼博(子爵)です。ご存知の通り、江戸時代、新宿一帯を治めていたのが内藤家であり、現在の新宿御苑は内藤家の中屋敷跡地です。頼博は、長身で二枚目、社交的な性格だったようですから、沢村一樹さんにピッタリの役柄ですね。民法調査室には、寅子と明律大学で同窓だった、「発芽玄米」くん、「失礼垂れ流し野郎」の小橋浩之がいました。小橋を演じているのは名村辰さん、明治大学国際日本学部の卒業生(2019年)です。名村さんは英語が堪能なの

ドラマ「虎に翼」(NHK)でヒロインの恋のお相手として登場したイケメン御曹司の花岡が、突然亡くなった。この事件は実際にあった判事の死をモデルにしていると言われる。その事件について調べたライターの村瀬まりもさんは「戦後2年目にほとんど餓死と言える死を遂げた山口良忠という裁判官がいた。自分がヤミ商売を裁く立場だったので、配給以外の食物を口にせず、清廉潔白な立場を貫いた結果の悲しい死だった」という――。 花岡のモデルは戦後、その死で名を知られた山口良忠判事か 「花岡が死んだ」 一斉にうなだれる司法省の裁判官たち。ドラマ「虎に翼」(NHK)の第10週「女の知恵は鼻の先?」は、衝撃的なシーンで終わった。ヒロイン寅子(伊藤沙莉)とは大学法学部の同級生であり、かつては結婚も意識したことがある判事の花岡悟(岩田剛典)が死亡したというのだ。 第11週ではその詳しい死因が描かれる。予告編に「判事がヤミを拒み、

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