369回 『陰謀論と排外主義』という今読むべき本 今まで選挙に興味を示したことすらなかった知人と久しぶりに会ったら、参政党に投票していたという体験をして頭を抱えたくなった人も多いかもしれない。 Xで相互フォロワーだった人がそれまで政治的な投稿をしていなかったのにいつのころからか、河合ゆうすけやへずまりゅうをRPしていることに気付いて驚いたことのある人もいるだろう。 直接の知り合いではないがSNS上でよく見かける同じ趣味を持っているアカウントが平野雨龍のことを「日本を救う逸材」であると褒めたたえていたり、さとうさおりを応援しているのに気付いてしまった人もいるかもしれない。 好きなアーティストのライブの後にアーティストの名前で検索してみたら、奈良公園の鹿や中国人留学生について何やら義憤にかられた発言をしている人が同じ会場にいたことを知るという経験をした人もいるだろう。 いや、これを読んで「それ

クラウドワークスにおける「動画」作成ついての製作依頼がここ最近話題で、例えば朝日新聞で「「嫌中」動画の制作依頼を非公開に 仲介サイト「差別つながる」懸念」という記事が出ていたりして。この記事中には依頼内容として"「中国人の迷惑行為、モラルの欠如、その後自業自得の結末となったり天罰が下ったりするフィクション動画」"という説明がされていたというが、これに関しては以前「中国人を再生数稼ぎの素材とした捏造印象操作動画群について」で書いたような動画だろう。 実際にこれらの動画は実在しない「フィクション動画」としか言いようがない。なお朝日の記事そのものは次の拡散した投稿などを受けたものだろう。 https://x.com/Anti_Discrimina/status/1995707784386551887 現在、この依頼はクラウドワークス上からは"このお仕事は非公開または下書き状態のため閲覧することが

ドナルド・トランプ米大統領(2025年12月4日撮影)。(c)ANDREW CABALLERO-REYNOLDS/AFP 【12月6日 AFP】ドナルド・トランプ大統領は5日、「国家安全保障戦略(NSS)」を公表した。超大国である米国の焦点を世界から地域へと転換するもので、欧州については大量移民による人種入れ替えで「文明消滅」の危機に直面していると批判し、大量移民の阻止を優先課題に掲げた。 NSSは、トランプ氏の常識を覆す世界観を具現化することを意図したもので、台頭する中国に対抗するためアジアに重点を置くという長年の米国の立場から大きく方向転換し、中南米を最重要視している。トランプ大統領は待望のNSSの序文で、「われわれはあらゆる行動においてアメリカファースト(米国第一主義)を掲げている」と述べた。 この戦略によって数十年にわたって「唯一の超大国」であろうとしてきた試みを断ち切り、「米国

今年の前半、「財務省解体デモ」なる社会運動が話題となったことを覚えているだろうか。東京・霞ヶ関の財務省庁舎をはじめ各地の財務局周辺に「財務省解体」を主張する人々が集まり、街宣活動が行われた。3月14日の「全国一斉財務省解体デモ」は千人単位の参加者を数え、複数の大手メディアでも報道された。 果たして、「財務省解体デモ」とは何だったのか? 11月28日刊行の『陰謀論と排外主義 分断社会を読み解く7つの視点』の執筆者の1人である山崎リュウキチ氏は、この運動を最初期から観察してきた人物だ。山崎氏がこの運動に注目した理由は、もともと観察対象にしていた反ワクチン・陰謀論コミュニティとの距離の近さを感じだからだという。山崎氏の予想通り、「財務省解体デモ」は陰謀論と排外主義に飲み込まれ崩壊、その後の反移民運動へと結びついていった。前編では、国民民主党の榛葉賀津也幹事長をして「いてもたってもいられない国民の

【ソウル共同】韓国で中国人排斥を主張するヘイトスピーチが拡大し、政府が対策に苦心している。尹錫悦前大統領の昨年末の「非常戒厳」宣言後、弾劾された尹氏の支持者らがデモで訴えていたが、今年9月に中国人団体観光客を対象にしたビザ免除が始まってから規模が拡大。嫌中感情をあおる偽情報も出回っている。 「中国人は出ていけ!」「ノービザ反対!」。ソウルの繁華街・弘大で市民300人ほどが22日夜、罷免となった尹氏の復権や李在明政権への非難とともにスローガンを叫びながら練り歩いた。 参加した30代の男性会社員は「韓国の選挙は中国が介入した不正選挙だ」と、尹氏の弁護団と同様、根拠のない主張を繰り返した。友人と参加した女子中学生(13)は「学校の中国人生徒らは韓国語を話さず韓国の悪口を言う。中国がとても嫌いだ」と話した。韓国メディアによると、ビザ免除後、ソウルにある朝鮮時代の王宮「景福宮」の塀の下で中国人観光

「クマが柴犬くわえ…」AIフェイク動画“投稿者”が負う「罪」の重さ 人身被害“過去最悪”の中、広がる不安に“便乗”か?【弁護士解説】 環境省によると今年上半期(4〜8月)のツキノワグマの出没件数は2万792件で、統計がある2009年度以降、初めて2万件を突破した。 同省は17日、10月の全国のクマによる負傷者を含む人的被害が88人に上り、今年4〜10月の合計が196人となったと発表した。過去5年間の同時期で最多で、死亡者数も12人と過去最多を更新した。加えて今月3日にも1人が死亡し、16日にもクマが原因と疑われる死亡事故が起きている。テレビやネットニュース、SNSでも連日クマ被害が話題となっているが、この状況に乗じて、AIで生成された「現実のものではない映像」が多数拡散される問題も起きている。 「クマが自動車を襲う」虚偽のドラレコ映像も多数 10月25日、宮崎県大崎市の住宅にクマが出没し

まあ、そういうことですよ。 朝日とか毎日とかの左翼メディアに逆らっても、世論で勝てる、とついに政治家が気づいてしまった。政治の重石となっていた左翼メディアから、高市氏は解き放たれた。 ジョージワシントン号での高市氏の「はしゃぎぶり」は、その解放感の表現に思えたし、あれを批判するのは、「ついに飼い犬が言うことを聞かなくなった」という左翼総体の嘆きに思えました。 学者や知識人が拝跪する、「朝日・岩波」に代表される左翼的言論・知識の総体が、政治的には無価値となった。 そのインパクトがどこまで政治を変え、日本を変えるか。 思えば、参政党の躍進で、「外国人問題」を問題にしたくなかった左翼と左翼メディアに逆らって、世論が「問題だ」と主張することとなり、その方向に政治も動かざるをえなくなった、あのあたりから、変化が始まっていたのかもしれない。 あるいは、その前、安倍晋三さんが殺された時に、日本人の心の

10月9日告示、10月26日開票の宮城県知事選が終わり、現職の村井知事が当選して6選目となったものの参政党の応援を受けた和田政宗との票数は僅差となり、接戦だった。この選挙周辺には数多くのデマが流れており、地元紙である河北新報のデマに対する記事の存在感も目立った選挙戦でもあった。ここで、どの様なデマがあったのかメモとして付けておく。なお、デマに対する指摘内容については既に他メディアで記事があるものはそちらの内容に依拠させてもらう。本題に行く前になのだが、何故この選挙戦でデマが多くなったのかというとSNS上における参政党支持者の言説の影響が大きいと言えるのだが、それが何故多くなったのかの事前状況だけ軽く説明しておく。まず夏にあった参院選において参政党の神谷宗幣が水道を外資に売ったという街頭演説をした事によって宮城県側がこれを誤情報だとする反論を出したことによって、参政党(神谷)と宮城県(村井

なぜ中国企業が日本の火葬場の経営に参画しようとするのか。元警視庁公安部外事課の勝丸円覚さんは「単に値上げして儲けるためだけではない。諜報活動の一環として故人の情報などを狙っている可能性が高く、安全保障の観点で極めて深刻な問題だ」という――。(第1回) 【画像】プーチン大統領と金正恩総書記に囲まれる習近平国家主席 ※本稿は、勝丸円覚『スパイは日本の「何を」狙っているのか』(青春出版社)の一部を再編集したものです。 ■外見上は日本企業に見える「中国資本のフロント企業」 表向きは日本企業に見えるものの、実際には中国資本が背後に存在する「フロント企業」が近年、急増しています。これは、日本国内の水源地や観光地、離島、ウォーターフロントのマンションなどの不動産を買収するための工作の一環であり、土地や企業資産が静かに侵食されているともいえる状況です。 この中国の動きに対しては、一部の政治家やマスコミもよ

自民党総裁のいすに座る高市早苗新総裁=4日午後7時5分、東京都千代田区の党本部小泉進次郎農林水産相を破り自民党初の女性総裁に選ばれた高市早苗前経済安全保障担当相。選挙結果は、高市氏が1回目の投票から党員・党友票で圧倒し、決選投票でも国民の支持が反映された格好となったが、「進次郎推し」「高市つぶし」としか思えないような報道を続けてきた一部メディアの方々の心中はいかがだろうか。 そもそも総裁選の期間中、テレビのワイドショーなどは「国民に人気の進次郎」というスタンスを取り続けてきたが、インターネットのSNS上などで、そんな投稿を見かけることはほとんどなかった。筆者が見ていたものが偏っているのかもしれないが、同じような疑問を抱いていた人は多いのではないか。 兵庫県知事選と同じズレ逆に高市氏については「タカ派」のイメージで終始取り上げられ、政策を訴えても「話が長い」「簡潔に」などと露骨に嫌な態度をと

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