芥川龍之介賞、三島由紀夫賞、野間文芸新人賞をすべて受賞した「三冠小説家」である笙野頼子が「文壇」からパージされつつある。 去る5月、笙野は『発禁小説集』を上梓した。版元は、長野の小さな出版社・鳥影社。収録作の初出は大半が講談社の文芸誌『群像』だったが、同社に刊行できないと拒否されたのである。それで「発禁」。作中にある「ご主張」が不可の理由として告げられた。 どんな主張か。性自認至上主義に社会が侵食されることへの批判と恐怖である。性別が自己申告で通れば脅かされるのは生物学的女性だと笙野は警告する。「女が消される」「女消運動」とまで強い表現も用いる。それは性自認にちょっとでも懸念や疑問を挟むと、「ターフ!」(TERF=トランス排除的ラディカルフェミニスト)と差別者認定され吊し上げられる風潮への抵抗である。この原稿を書いたことで私も差別者と呼ばれるであろう。 片やトランス擁護者は「TRA(トラン

―――― 金がなかったらまず時間が止まってしまう。支払うまで何も出来ない。誰にも連絡出来ないし気軽に現状の説明も出来ない。どこにも出ていけない。誰かに説明すると相手も気の毒に黙るしかない。対処しようないもの。(中略)貧乏とは何だろう。もう死ぬかもしれないのにケチのまま死ぬ事だ。残っているおいしいものを食べようとしていきなり吐き気がして来る事。自分の健全な欲望というか生きている肉体を罰したくなっている。が、……。 しかしこの危機の以前私はどうすれば良かったのか、何か対策の方法があったであろうか。結局は時間も世の中も止まったまま、自分だけがダメな人として輪の外にいる。 ―――― 「群像」2021年12月号p.223 シリーズ“笙野頼子を読む!”第137回。 「お金がない。毎月が危機。カード破産したり住宅ローン事故ったりになりかねない連続」(「群像」2021年12月号p.214) 長編原稿の連続

@hatakeno_tomato どう受け止めたらいいのか。笙野頼子の荒唐無稽のうちに独自のリアルを掘り下げる作品の創作メモだと言われれば納得しそうだけど、笙野が現実を映している(つもりの)文章なのですよね、これ。この写真で読めま… https://t.co/oRZPucSPdx

「群像」2019年1月号に掲載された作家・笙野頼子の小説「返信を、待っていた」について、2018年12月22日の私の投稿をきっかけにツイッターで議論が起きた。火付け役であり、作中で「最も私にきついアカウント」と表現された者として、見解をまとめておく。 0.何を問うのかまず、文学を読まない私がこの文芸誌の小説に気づいた経緯について。 2018年9~10月の「ベルク騒動」(後述)のときに、私は「アホフェミ」という言葉を積極的に使うように呼び掛けていた。このとき「アホフェミ」という言葉が、使っている人たちの意図を離れていく可能性が、アホフェミを批判する側からも懸念されていた。そこで私はその後も時々ツイッターで「アホフェミ」を検索して、その用法がどうなっていくのか観察している。そこで引っかかってきたのが文芸評論家、岡和田晃の↓のツイートだった。 つまり私が「群像」を読んだのは、「アホフェミ」につい

2018年10月18日、私はツィッターにて、以下のようなコメントをしました(コメントツリー形式になっていますので、クリックすればツリーの全体が読めます)。言及されるお店の(大学地下部室のような)アジール性を評価しつつ、それを他人に(とりわけ「女性」を「アホフェミ」などとラベリングして)振りかざす武器とするべきではない、という主張です。 新宿ベルクの反権威的なスタンスは応援してきたし、以前店長がツィートしていた「万引き犯」と思われるアカウントは、実はこちらにも絡んできたことがある。その上で、今回の騒動も最初から見ているが、ベルクを擁護はできない。乗っかって女性叩きをする人たちも自粛すべき。https://t.co/vIW7IcDWxW— 岡和田晃_新刊「ナイトランド・クォータリー」Vol.18 (@orionaveugle) October 18, 2018 こちらのツィート、および、それに

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