それは二〇二四年の出版界における一つの事件であった。あるいは、その後の「令和人文主義」を巡る議論を思えば、ある種の地殻変動の予兆であったのかもしれない。三宅香帆氏による『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が三十万部を超えるベストセラーとなり、多くの読者がそのタイトルに自らの姿を重ね合わせ、切実な共感の声を上げたことである。 そこでは、かつて学生時代には貪るように本を読んでいた人間が、社会に出て「全身全霊」を求められる労働環境に身を置いた途端、読書という行為から疎外されていくという喪失がもたらす痛感が語られた。しかもそれは個人に由来する要因、例えば、怠惰のようなものではなく、日本の近代化と労働倫理の構造的な病理として描き出された。ゆえに同書は、現代の若年層の心に巣食う「文化的欠乏感」を見事に「言語化」したとして受容され、「消費」された。 この受容的消費に対し、データをもって異議を唱えたの

AI=人工知能の広がりでデータの価値が高まる中、公正取引委員会は中小企業が取り引き先からデータの提供を強要されていないか大規模な実態調査を行うことになりました。AIの広がりでデータの価値が高まる一方、中小企業の中には自社が持つデータの価値に気付かず、取り引き先に不当な使われ方をするおそれがあることが指摘されています。 このため公正取引委員会は中小企業庁や特許庁と合同で、来月から中小企業など4万社を対象にした企業取り引きの実態調査を行うことになりました。 製造業や小売業など幅広い産業が対象で、取り引き先から生産設備の稼働状況のデータを提供するよう強要されていないかなどを調べることにしています。 調査はことし秋ごろまで行われ、問題がある取り引きが確認されれば、来年以降、独占禁止法の指針に盛り込まれる見通しです。

5. IBMが開発する「花粉サイズ」の世界最小コンピューターが、あらゆるデータのリアルタイム計測を実現する 2019 3/11 ▶平日 毎朝7時に公式LINE@で新着記事を配信しています。友達申請はこちらから! ▶ICCの動画コンテンツも充実! Youtubeチャネルの登録はこちらから! 「AI/量子コンピューター/IoT/ブロックチェーンを徹底議論!」9回シリーズ(その5)は、現在開発が進む世界最小コンピューターについて。プロセッサー、メモリ、バッテリーからセンサーまで搭載した“花粉サイズ”のコンピューターは、私たちの生活やビジネスをどう変えるのか? ぜひご覧ください! ▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)を募集しています。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。 ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登

新たな研究により、消費者直販型の遺伝子検査を受けた人に送られる結果は、最大40%が不正確であることが分かった。消費者直販型の遺伝子検査は、23アンドミー(23andMe)や、アンセストリー・ドットコム(Ancestry.com)、ファミリー・ツリーDNA(Family Tree DNA)、マイヘリテージ(MyHeritage)などが販売している。 こうした検査のほとんどは、ジェノタイピング(遺伝子型判定)と呼ばれる手法を使用して、受検者の家系や、一定の病気の発症リスク、特定の病気のキャリア(保因者)であるかどうかなどを調べる。企業によっては、顧客からより詳しい追加検査の要求があった場合、生のジェノタイピング・データも提供している。 医療検査の企業であるアンブリー・ジェネティクス(Ambry Genetics)は、消費者向けのDNA検査で得られたデータの判定をしている企業だ。同社の科学者が4

小泉進次郎農相が進めた備蓄米の「随意契約米」が並ぶ店頭に多くの客が殺到している。統計データ分析家の本川裕さんは「まさに令和の米騒動の様相だが、現代の3大炭水化物である米・パン・麺の中で、最も食べられているのは全国どこもパン。米はかつて一番食べられたが、日本人の主食の7割はパンや麺で完全に麦食民族化している」という――。 「備蓄米」に殺到する客は本当にお米が食べたいのか 令和の米騒動が続いている。 店頭には「銘柄米」「競争入札米」「随意契約米」の価格の異なる3種類のコメが並ぶ中、安価な備蓄米を競うようにして買い求める消費者の様子が連日、報じられている。 ただ、とても不思議なのは、日本人の米の消費量はかなり減っており、米の代わりとなるカロリー源として、麺やパンなども安く入手できる状況であるにもかかわらず、米騒動が生じていることである。そこで、米を含む日本人の主食に関連する統計データを確認してい

厚生労働省によりますと、去年1年間に国内で生まれた日本人の子どもの数は68万6061人となり、前年より4万1227人減少しました。 出生数が減少するのは9年連続で、1899年に統計を取り始めて以降、初めて70万人を下回りました。出生数はすべての都道府県で減少しています。 国立社会保障・人口問題研究所がおととし公表した将来予測では、日本人の出生数が68万人台になるのは2039年と推計していて、想定より15年ほど早く少子化が進行しています。 日本人の出生数は、最も多かった第1次ベビーブーム期の1949年には269万人余りいましたが、その時と比べると4分の1近くまで減少しています。 また、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる合計特殊出生率は去年1.15となり、前年から0.05ポイント低下し、統計を取り始めた1947年以降で最も低くなりました。 最も低かったのは東京都の0.96で、宮

データ戦略室で室長かつデータサイエンティストをしている阪上です。今回は統計学のことをもっと伝えたくて10個の事例について記しました。 『統計学で嘘をつく法』という本がありますが、人々に間違った解釈を与える以上、統計学は便利である反面、罪深いものでもあります。ビジネスの世界でデータサイエンティスト業を生業としているものとしては誤解や誤用とは向き合い続けていきたいです。 統計学などの知識を正しく理解して使うというのは中々難しいと思います。先日読んだ『統計学再入門』という書籍にも記されているように、科学者ですら誤用や誤解が蔓延しているとされる統計学において、ビジネスの世界でも誤用されないわけがないと思われます。 そこで、私が過去にビジネスを進める上で観察した統計学の誤用と、観察はしていないが良くありそうな誤用について記してみたいと思います。両者を混ぜることにより、社内で実際に生じたエピソードを特

こんにちは精神科医のはぐりんです。 ※この投稿は3.4分で読めます、最後までご覧いただけたら嬉しいです。 今回はSNSで、ASDの方の無職率が8割、というかなり衝撃的な情報を目にしたので、私なりに調べ考察してみました。 調べてみると、2019年のアメリカの就労支援に関するコラムの中で、『世界全体で推定7000万人とも言われるASDを抱える人々のうち、約8割が無職もしくは著しく能力以下の仕事に従事している』とありました。 さらにこの7000万、8割、という数値に関しては、どうやら2017年以前のアメリカ疾病管理予防センター(以下CDC)による統計データのよう。CDC発なので信頼できるデータと言っていいでしょう。 ただこれは少し古いデータで、CDCの2023年のデータで8歳児を対象に調べたらASD児は2.76%、日本では諸説ありますが大体3%、世界的には約1%だそう。ASDの有病率が年々上が

アメリカのテュレーン大学の研究チームがメキシコ東部、ユカタン半島西側にあるカンペチェで、ピラミッドのある未知の古代都市を含む遺跡を発見しました。発見のきっかけになったのは、Google検索での偶然の出会いだったとのことです。 Running out ofempty space: environmentallidar and the crowded ancient landscape of Campeche, Mexico | Antiquity | Cambridge Core https://www.cambridge.org/core/journals/antiquity/article/running-out-of-empty-space-environmental-lidar-and-the-crowded-ancient-landscape-of-campeche-mexic

文:萩原雅之 「ロングコロナ」という後遺症2023年5月のゴールデンウィーク明けに新型コロナウイルスが5類指定となり、約3年半にわたる流行は、形の上では一区切りついた。その後も第9波、第10波、この夏の第11波が観測され流行が収まったわけではないが、報道はほとんどなくなった。消費、イベント、外食など社会的には新型コロナウイルス前の日常にもどったかのように見える。 一方、新型コロナ感染後に軽度の後遺症を抱える人々が少なくない。これらの後遺症は「ロングコロナ(LongCovid)」と呼ばれ、軽い疲労感や息切れが発症後1年以上つづくケースもあるという。 そして、実は日本社会や日本人全体もまた、こうした目に見えづらい後遺症を抱えてしまっている。 今回取り上げるデータから、新型コロナ収束後も日本人の感情からポジティブ気分が回復せず、かつ社会的な出来事や情報に対する感情の起伏が非常に大きくなっているこ

岡山大学は3月24日、同大教授が関与した論文において不正行為があったと発表した。113件に及ぶ数値の改ざんや画像の捏造(ねつぞう)が認められた。教授は「地震でデータを保存していたHDDが故障した」として調査に必要なデータの提出を拒否したが、システムに残っていた画像のプロパティなどから捏造が分かった。 問題の論文は乳がんの新しい治療に関するもの。関与したのは同大学術研究院医歯薬学域教授の神谷厚範氏。論文に記載された実験動物の数と実験のために購入した動物の数が大きく乖離(かいり)していたため、実験が行われていない可能性が浮上。この他、論文中の画像についても故意による捏造が見つかった。 神谷教授は、実験動物を再利用して実験を行ったなどと説明。しかし、説明通りとしても動物の購入数が実験に最低限必要な数を下回っていた。画像についても「取り違えがあった」と主張しているが、岡山大学は「研究者としてあって

経済産業省は、「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」を実施し、日本の電子商取引市場の実態等について取りまとめた結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。2023年の国内EC市場規模、BtoB・BtoCともに伸び率は緩やか経済産業省の調査によれば、2023年(令和5年)の日本国内BtoC-EC市場規模は、24.8兆円(前年22.7兆円、前々年20.7兆円、前年比9.23%増)に拡大。BtoB-EC市場規模においては465.2兆円(前年420.2兆円、前々年372.7兆円、前年比10.7%増)となった。 またEC化率(全ての商取引市場規模に対する、電子商取引市場規模の割合)は、BtoC-ECで9.38%(前年比0.25ポイント増)、BtoB-ECで40.0%(前年比2.5ポイント増)と増加傾向に。伸び率は前年の発表とほぼ同様の形で緩やかに

アメリカのTwilioは、同社が開発した2段階認証アプリの「Authy」より、顧客の電話番号などのデータが流出したと発表しました。TechCrunchの報道では、今回の被害によっておよそ3300万件の電話番号が漏洩したと報じられています。 同社はブログ記事で、「認証されていないエンドポイントにより、電話番号を含むAuthyアカウントに関連するデータが脅威アクターによって特定された」と説明しています。 犯行に及んだとするのは「ShinyHunters」というサイバー犯罪者(または犯罪者集団)で、ハッキングフォーラムにてTwilioをハッキングし、データを入手したと書き込んでいるようです。 Twilio社は対策として、このエンドポイントを保護し、認証されていないリクエストを許可しないようにしたとのこと。この変更を適用するため、iOSとAndroid版アプリを最新版に更新するよう呼びかけています

スキマバイト事業者に不正アクセス 個人情報など約50万件漏えいか 「情報転得した」と主張の人物がデータ入りUSBメモリ返還 いわゆる“スキマバイト”募集プラットフォームを手掛けるネクストレベル社(大阪市)は5月24日、不正アクセスにより個人情報など50万件近くが漏えいした可能性があると発表した。なお事態の発覚後、「情報を転得した」と自称する人物から連絡があり、警察官立ち合いの下、情報を含むUSBメモリを受け取ったという。 漏えいした可能性がある情報は、プラットフォームに登録している個人ユーザーのID、氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、メールアドレス、口座情報、勤務経歴や勤務条件、資格、緊急連絡先、同サービス上に登録されている身分証明書の写真にアクセスするためのURLなど49万6119件。 このうち、身分証明書の写真にアクセスするためのURLは変更済みという。情報の中にマイナンバーは含ま

米グーグルは「シークレットモード」に設定したウェブブラウザーの閲覧記録を削除すると明らかにした。秘密モードに設定しても知らないうちに閲覧を追跡されていたとして、ユーザーらが2020年に起こした集団訴訟の和解条件が1日に公開された。 アルファベット傘下グーグルの人気ウェブブラウザー「クローム」で、プライバシーを保護するシークレットモードに設定したユーザーのデータがひそかに収集されていたと原告側は主張。ユーザーはクローム使用時にデータ収集を設定でオフにできるはずだが、広告テクノロジーなどウェブサイトで使われる他のグーグルツールでユーザーのデータを入手していると訴えていた。グーグルと原告らは昨年12月に和解で合意。サンフランシスコ連邦裁判所への提出書類の詳細によれば、同社はプライベート閲覧を反映する「数十億件」のデータ記録を消去する。ユーザーデータの収集方法やシークレットモード閲覧時にウェブサ

リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く