宇宙の物理学とブラックホールの物理学には類似点がある。このことから、一部の宇宙論研究者は、私たちの宇宙はブラックホールの中で生まれたのではないかと考えている。(PHOTOGRAPH BYNASAGODDARD) 星空を見上げると、宇宙が無限に広がっているように思えるものだ。しかし、宇宙論研究者は、宇宙は有限だと知っている。第一に、宇宙論の最良のモデルは、空間と時間に始まりがあったことを示している。「特異点」と呼ばれる原子以下の点だ。この高温高密度の点は、ビッグバンが起きたとき、急速に外側へと膨張した。 第二に、観測可能な宇宙は「事象の地平面」と呼ばれる境界に囲まれている。宇宙は超光速で膨張しているため、その先は観測不能な断崖絶壁だ。最良の望遠鏡でさえ到達できないほど遠すぎる領域がある。(参考記事:「最新望遠鏡で原始の宇宙へ」) 特異点と事象の地平面という2つの要素は、ブラックホールの重
by My Rotherham & Countryside.and worldwide.アメリカでは2025年1月に就任したドナルド・トランプ大統領の下、科学研究に対する資金の大幅な削減や方針の変更が続いており、アメリカ航空宇宙局(NASA)ではわずか半年で全職員の20%以上に相当する約4000人が退職しました。そんなNASAの元科学者4人に対し、「NASAで何が起きていたのか」「どのような影響が出るのか」などを尋ねたインタビューを、アメリカの非営利宇宙団体であるThe Planetary Societyが公開しました。 4,000gone: InsideNASA’s brain drain | The Planetary Society https://www.planetary.org/articles/4000-gone-inside-nasas-brain-drain ◆ロナ

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)のエンジニアが、老朽化が進む探査機「ボイジャー1号」の通信を復旧させることに成功した。ボイジャーは電力供給が減って数週間にわたる停電に見舞われていたが、現在は正常に稼働している。 問題発生は10月。地球との通信に使用するボイジャーの無線通信機が、それまで使っていた「Xバンド」から、信号の弱い「Sバンド」に切り替わった。地球から最も遠い宇宙空間を飛行するボイジャーは現在、およそ249億キロ離れた未知の領域を探査している。 通信機が自動的に切り替わったのは、ヒーターを作動させるコマンドを地球から送ったところ、電力が残り少なくなったとボイジャーの搭載コンピューターが判断したためだった。 この影響でボイジャーの状態に関する情報や、ボイジャーの計器で収集された科学データなどの情報が、1カ月近くにわたって受信できなくなった。 運用チームが解決を試みた結果、無線通信機
ウクライナのプリピャチ近郊にあるチェルノブイリ原子力発電所の4号炉で1986年4月26日に起きた爆発事故は、いまだに人類史上最悪の原子力災害と位置づけられている。事故によって設定された半径30キロメートルの立入禁止区域は、現在も放射線レベルが高い状態が続いており、人の定住や居住が制限されている。 しかしやがて、この立入禁止区域の中で、予想外の生物が生き延びていることが、科学者によって発見された。Cladosporium sphaerospermum(クラドスポリウム・スフェロスペルマム、通称クロカビ)と呼ばれる、生存力の高い黒いカビの1種だ。 このカビは、放射線量が最も高いところでも生き延びられるようだ。事故が起きた4号炉の壁に、黒ずんだシミのようなカビがはびこっているのが観察された。 Cladosporium sphaerospermum Medmyco via Wikimedia ほと

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/sorae.info/space/20241013-starship.html YouTube に毎週投稿される宇宙開発の進捗を伝える各種動画を見ている知識の程度の私が、界隈の事情を知らないブクマカに答えてみるね。 Starship が目指しているもの: fully and rapidly reusableまず。再使用可能な打ち上げロケット(下段)は SpaceX は既に実用化していて、ファルコン9 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%B39 を今年は3日に1回程度のペースで打ち上げています。1機毎で言うと20回以上の打ち上げの実績が積まれていっていて SpaceX にとって再使用自体はもはや日常です。 今開発している

「月には氷があるのではないか」とは人類が宇宙に進出する前からささやかれていましたが、2018年には実際に月の表面に氷が露出していることが確認されています。新たにNASAが2024年10月に発表した調査結果では、月探査機のルナー・リコネサンス・オービターが月面に埋め込まれた氷を発見しており、「月面の氷の堆積物は、これまで考えられていたよりもかなり広範囲にわたる」と報告されています。 Radware Bot Manager Captcha https://iopscience.iop.org/article/10.3847/PSJ/ad5b55NASA’s LRO: Lunar Ice Deposits are Widespread -NASA Science https://science.nasa.gov/solar-system/moon/nasas-lro-lunar-ice-de

米SpaceXは10月12日(現地時間)、大型宇宙船「StarShip(スターシップ)」の5度目の無人飛行試験を行い、発射場に戻ってきたロケットブースターをタワーのアームで受け止めるという初の試みに成功した。ロケットブースターの再利用に向けて大きく前進した。 「Super Heavy」と名付けられたロケットブースターは、直径9m、高さ71m(StarShip除く)と20階建てのビルに相当する大きさ。重さは約250tもあるという。 スターシップの打ち上げから2分44秒後──高度81kmで切り離されたSuper Heavyは、地球へ落下。このときのスピードは、一時的に音速の半分程度になる。 上空で再度ロケットを噴射してスピードを落としたSuper Heavyは、発射場に用意されたタワーに向けてピンポイント降下。タワー直上で少し横にスライドするような動きも見せながら、2本のアームの間に見事に収ま

ブラックホールに落ちて行くときにどんな光景が見えるのか、疑問に思ったことはありませんか。そんな疑問に答える映像をNASA(アメリカ航空宇宙局)が公開しました。コンピュータ・シミュレーションにより可視化した映像です。 ブラックホールには、それ以上近づくと光でさえ脱出することができなくなる境界があります。その境界面は「事象の地平面」と呼ばれます。 今回公開された可視化映像は、その事象の地平面の内部まで入って行くものと、事象の地平面に接近後にそこから離れて戻ってくるものと、2パターンが公開されています。 カメラが接近していくブラックホールは、天の川銀河の中心にある、太陽の430万倍の質量をもつ超巨大ブラックホールです。ブラックホールの事象の地平面は約2500万kmにおよびます。ブラックホールは高温で輝くガス円盤(降着円盤)に取り囲まれており、また円盤の内側には光子リングも見えています。 こちらは
<火山の熱や深海の水圧、真空の宇宙空間さえ生き延びるクマムシは、驚くべきDNA修復メカニズムを備えていた> クマムシは想像を絶するほどの過酷な環境を生き延びることができる生物だが、その生命力の謎が解明される可能性が出てきた。 【動画】クマムシは宇宙の最強生物 クマムシはその愛らしい姿から、水グマやコケブタと呼ばれているが、極端な高温や低温、高圧・低圧、空気不足、放射線、脱水、さらには宇宙の真空状態に至るまで、ほとんどの生命体にとって死を招く環境に耐えることができる。 最近、学術誌『カレント・バイオロジー』に掲載された論文によれば、この頑健な生物が放射線を生き延びるメカニズムが解明された。 体長わずか0.5ミリのクマムシは、さまざまな環境で生息している。コケ、落ち葉、淡水や海洋の堆積物などに生息していることが多いが、高温の沸騰泉、ヒマラヤ山脈の頂上、水深4000メートルの深海でも発見されてい
「今回の天体イベントは楽しくわくわくするものになるだろう」とルイジアナ州立大学の天体物理学者、ブラッドリー・シャーファー(Bradley Schaefer)は、ニューヨーク・タイムズに語った。 天体観測が好きな人にとっては、すでに盛りだくさんな2024年の予定が、もう1つ増えることになる。アメリカとカナダでは4月に、皆既日食、さらには珍しい、緑色の巨大彗星が見られる。彗星の方はすでに見え始めている。 数光年離れているから安全に見ることができる「水素爆弾」光り輝くのは「かんむり座T星(T Coronae Borealis)」という星だ。この宇宙における大爆発は、小さな白色矮星(死んでしまった星の核)が、赤色巨星の軌道に閉じ込められた時に起こる。 赤色巨星付近で爆発する、白色矮星のイメージ映像。NASA'sGoddard Space Flight Center赤色巨星が近くの星を引き裂くと

未来経過観測員 (角川書店単行本) 作者:田中 空KADOKAWAAmazonこの『未来経過観測員』は、縦読みならではの物語を構築し次々と明らかになる世界の真の姿、無限構造の物語を描きだしてみせた漫画『タテの国』や宇宙をさまよい、偶然出会った無人の宇宙船同士で元素を奪い合う闘争を描いた短篇『さいごの宇宙船』など本格的なSF漫画を次々と発表してきた田中空のはじめての小説作品だ。 もともと表題作の『未来経過観測員』がカクヨムにて掲載され人気となっていた。本書はそこに短篇「ボディーアーマーと夏目漱石」が書き下ろし&追加された一冊になる。もともと『タテの国』などの作品を読んで今どき珍しいぐらいにド直球に「世界の真の姿」「宇宙の果ての果て」、「世界の終わり」に挑みかかるような作家で(そういう意味でいうと、タイプとしては劉慈欣やステープルドンを彷彿とさせる作風ではある)どの漫画もたいへん楽しく読んでい

宇宙は加速度的に膨張を続けており、そのことはジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による観測でも裏付けられています。宇宙の膨張を加速させている力の候補として、ダークエネルギーの存在が示唆されていますが、新しく「別の宇宙を吸収して膨らんでいるから」とする説が提唱されました。 Is the present acceleration of the Universe caused by merging with other universes? - IOPscience https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1475-7516/2023/12/011 Our universe is merging with 'baby universes', causingit to expand, new theoretical study suggests | Liv

皆さんは無限に加速できるならどこに行ってみたいですか?天王星や冥王星、少し遠出をして太陽系外にも行ってみたいですね。 もしそんな夢のエンジンがあるとしたら?本記事では、常識破りの推進システム「EMドライブ」をご紹介します。 H3ロケットが描く将来打ち上げ計画、増強型H3ロケットとは? ■半永久的に加速できる「EMドライブ」が完成!? H3ロケット©JAXA 人類を月よりも遠い火星や、さらに遠い宇宙空間にまで到達させるための技術の研究が進められていますが、その最も大きな課題の一つとされているのが燃料の問題です。皆さんも良く知るロケットは、推進剤を燃焼させることで発生するガスを後方に噴射させる反作用として前方への推進力を得ています。遠い宇宙まで十分に速く飛行するには極めて大量の燃料が必要となるため、どのようにして確保するのか、またどのように地上から打ち上げるのかなど、多くの問題が残されています

宇宙の「まとめ」です。 オーストラリア国立大学(ANU)で行われた研究によって、宇宙に存在するあらゆる物体のサイズと質量の関係を1枚の紙に並べた、最もスケールが大きい図表が作られました。 この図表を見れば、宇宙に存在するあらゆる物体のサイズと質量がどんな関係にあるかがわかり、私たちの宇宙の基本的な性質を視覚的に知ることができます。 ただ作られた図表は「素粒子から全宇宙」までを網羅する極スケールであるため、ぱっと見ただけではよくわかりません。 そこで今回は図表のどこに何があるかをわかりやすく説明し、「宇宙全体がブラックホールになる」ことを示唆する理由についても解説したいと思います。 研究内容の詳細は、2023年10月1日に『American Journal of Physics』にて「全ての物体といくつかの疑問(All objects and some questions)」とのタイトルで公

ウェッブ宇宙望遠鏡が捉えた宙に浮かぶ「はてなマーク」。その正体は?2023.08.03 21:0031,244 George Dvorsky - Gizmodo US [原文] ( たもり ) 宇宙の疑問は増すばかり。 先週リリースされた、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)によるハービッグ・ハロー天体「HH 46/47」の高解像度近赤外線画像。何とその遠景には、「疑問符に見える天体」が小さく写り込んでいました。はてなマークに見える謎の天体NASAが欧州宇宙機関(ESA)やカナダ宇宙庁(CSA)と共に運用するJWSTが捉えたHH 46/47は、星形成領域に見られる若い星雲状の天体で、地球から1470光年離れています。 鮮やかに輝く光景ですが、Space.comは別の点に注目。画像を十分に拡大すると、中央下側にはてなマークによく似た形の天体が見えるのです。 Image:NASA,

【▲ 図1: 今回の研究でシミュレーションされた位相欠陥の外観。 (ImageCredit: P. Heidmann, et.al.) 】 「ブラックホール」は非常に知名度の高い天体ですが、その存在がカール・シュヴァルツシルトによって最初に予言されたのは1915年です (公表は1916年) 。アルベルト・アインシュタインが一般相対性理論を発表したわずか1か月後に、シュヴァルツシルトは一般相対性理論を解くことでブラックホールに当たる天体が出現することを数学的に証明しました(当時はまだ “Black Hole” という名称は与えられておらず、1964年に初めて使用されました)。 当初は実在が疑われたブラックホールですが、その後の天文学の発展により、ブラックホール以外では説明のつかない天体や天文現象が次々と発見されているため、今日では実在を疑う声はほとんどありません。しかし、ブラックホールは存

リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く