ブラジルを訪れた観光客が、地図アプリに従って目的地までの最短経路を歩いた結果、治安の悪い地域をそうと知らずに通ってしまい、不幸なことが起きてしまった。この問題は技術だけで解決できるだろうか。 2017年11月8日から10日、ブラジルのリオデジャネイロで開催された「人工知能と包摂(Artificial Intelligence and Inclusion)」をテーマとするシンポジウムでは、大手企業が開発したAIサービスが一部の地域や人々に不利益をもたらしている現状について議論された。 現在、人工知能(AI)技術の多くは欧米を中心とする「AI先進国」の価値観や基準にのっとって作られている。AIの社会的な影響についても、北半球に位置するAI先進国だけで議論されがちだ。AI先進国とそれ以外の国とでAI利用に伴う不平等が生じないようにするには、南半球の新興国など多様な地域の人々が議論に参加する必要

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