Kindle本を買いすぎてる 2016年度の目標のひとつに「死蔵在庫を減らしていく」がある。 自分のなかではっきりとしたのはコンテンツの「所有」に拘るのはやめようということだ。既に読み切れない本や見きれないDVDがあるのに、どんどん電子書籍を買っていたし、月額課金の映像配信サービスを利用している現状がある。電子書籍に月数万円近く使っているし、セールに踊らされれればもっとかかるのだけど、未来の自分が手に入れた本を読む可能性はそこまで高くない。Kindle書籍はその筆頭であろう。ただでさえ書斎が溢れかえっているのにセールやその時の興味に応じて買い漁ってきたという経緯がある。電子書籍は黎明期から買い続けているのでSony Readerなどを含めたら空恐ろしい金額が消費されている。Kindle積み本3300冊の耐えられない軽さ 積まれたKindle本は現時点で3352冊。『アイアムアヒーロー

Love Love Love You I Love You 舞城王太郎を語るのは難しい。京極夏彦、清涼院流水、森博嗣、浦賀和宏、高田崇史、西尾維新、佐藤友哉、etc、etc。講談社発刊の文芸雑誌『メフィスト』に綺羅星のごとく登場してきたスター作家達をみると学生時代を思い出して妙な気恥ずかしさを覚える。なかでも舞城王太郎に感じていた分不相応は嫉妬のような感情はなんだったのか。 Love Love Love You I Love You 愛は祈りだ。僕は祈る。僕の好きな人たちに皆そろって幸せになってほしい。それぞれの願いを叶えてほしい。温かい場所で、あるいは涼しい場所で、とにかく心地よい場所で、それぞれの好きな人たちに囲まれて楽しく暮らしてほしい。最大の幸福が空から皆に降り注ぐといい。「恋愛」と「小説」をめぐる恋愛小説。 好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫) 作者:舞城 王太郎講談社Am

「本棚の10冊で自分を表現する」とこうなった 純粋に「自分のお気に入り」を載せている人はもちろん、個人の背景が垣間見えるような選書をしている呟きもあっておもしろい。かと思えば、10冊のタイトルを並べて詩歌っぽくしているようなものも。写し方も、横並びの写真があれば、縦積みの画像もあるなど。 今週のお題は「人生に影響を与えた1冊」とのことだったが、1冊で表現するのは難しい。去年は本棚晒し祭りがあったけれど、現在の部屋には物理的な本棚がないので、電子書籍の蔵書から選びたい。 現在のKindle書籍本棚は2662冊。無料本があるとは言えども積読しすぎ。 無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法 公認会計士二次試験(合格率6%)を史上最年少の19歳で合格 以後、フルタイムの仕事をしつつ、かつ3人の子どもを育てながら、 中小企業診断士試験(合格率4%)、オンライン情報処理技術者試験(合格率4%)合格

認知コストと費用を下げる気絶投資法のススメ 初めてでも安心! 絶大な支持を集めるロングセラーが、さらにわかりやすくなりました。 ローコストで、わかりやすくて、手間いらずで、負けないインデックス運用。 細かい疑問にも対応し、税制を最大限に活用する方法も加わって、よりお得にバージョンアップしました。 着実にお金がたまり、時間の余裕もできる、最強の投資法を紹介します。 確定拠出年金、NISAをうまく使いこなせばさらにお得! 景気が良くても悪くても、のんびり待ちながら資産を増やせるので老後も安心です。 新書521 全面改訂 ほったらかし投資術 (朝日新書) 作者:山崎元・水瀬ケンイチ朝日新聞出版Amazon本書は楽天証券経済研究所客員研究員の山崎元と、『梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)』の水瀬ケンイチの共著。色々な場面で発生し得る「損」を最小限にしながら、資産を増やし

『夏への扉』を読んだ 『夏への扉』は1957年にロバート・A・ハインラインによって書かれたSF小説の古典であり、日本での人気が非常に高い。その一方で、評論家や海外での評価はそれほど高くないというギャップがある事までは知っていた。hatena内でオススメのSFをリストアップするのが流行だ。 ホコリの被った旧作(「古典」ではない)ばかり挙げられていて本当に辟易する。SFはアイデアの新奇性、センス・オブ・ワンダーが重要なのであって、今さらヴェルヌやウェルズを読んだところで、価値はない(ギブスンやディックも同様)。 そしてこういう「オススメSF」の話題になると必ず出てくるので『夏への扉』を薦めてくるやつだ。 はっきり言えるが『夏への扉』を薦めるやつは見る目がなく、センスに欠けていて、信用できないってことだ。 僕自身は、これまでSF作品を読む機会がほとんどなくて、ロバート・A・ハインラインの小説

女子目線で語る『すべてはモテるためである』感想戦 昨日は『すべてはモテるためである』の読書会。男4人・女2人で3時間の侃々諤々。事前に書いた感想文を含めて、なかなか濃い話ができたように思います。お疲れ様でした。僕なりの感想を述べさせていただきます。 サブタイトルに「女子目線で語る」と敢えて入れたのですが、これは本書内にある「自分の中のモモレンジャー」という話に繋がります。自省系ナンパクラスタなどのホモソーシャル空間で流通されがちな「モテ必殺技」「実績の解除」「圧倒的成長」といった要素は少年漫画的文法のリフレインであって、ミニ四駆対決で全てを決定する「ミニ四駆の惑星」と大差ないよねと僕の中のモモレンジャーが言うわけですが、こういった疑問について本物の女性に聞くことで確証を得ていこうとおもったわけです。 「相手の気持ちに立ったつもりで独りよがりな事をする」または「当事者間の問題を第三者に委ねる

いまになって「モテ」本を読むことについて Skype読書会にあわせて『すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)』を読みました。いまだに独身。それなりの過程はあれど「いま/ここ」には何も残っていません。そろそろ夫婦関係の秘訣や子育て日記を書いていても良い年代なのにも関わらず、未だに「モテ」についての話をしている事がひとつの隘路となっています。本書はタイトルこそ『すべてはモテるためである』となっていますが、実際に語られるのは「なぜモテたいのか?」「どういうふうにモテたいのか?」という理想像の掘り下げであり、その理想像と現実とのギャップを埋めるための方法論です。 一般論をいくら並べても人はどこにも行けない。 ビジネス要求 < 現状のケイパビリティ + 課題(≒ソリューション) ビジネス要求 - 現状のケイパビリティ < 課題(≒ソリューション) これはコンサルティングの基本的な考え方でもあり

村上さんのところ 生きている人間は少しづつ変わっていきますが、過去に公開された文章は永続的に残っていきます。もう本人の手からは離れて古くなった教義に固執していた自分を知ることが本当に良かったのかの判断はつきかねますが、村上春樹がランニング中にiPodを使っていると答える未来に自分がいるのだと思うと感慨深くもあります。 『村上さんのところ』の問答の中にあった「ランニング中のiPod」に驚いたばかりなのだけど、個人的に強く驚く回答がもうひとつあった。 僕もなんのかんのいろんなものをバッグに入れて持ち歩いています。本とか、iPodとか、水泳用具とか(いつ泳ぎたくなるかわからないので)、本とか、キンドルとか、眼鏡とか、歯ブラシとか(歯間ブラシも)、帽子(レッドソックスのキャップ)とか、予定表とか、そういうものがだんだん増えていきます。 村上さんのところ 作者:村上 春樹新潮社Amazon 村上春樹

村上さんのところ 新潮社による期間限定サイトが公開されて、村上春樹に質問ができるようになっている。過去にも同様の取り組みはあったのだけど、もう質問できるような機会は用意されないものと考えていたので嬉しい。僕から送ったいくつかの質問への返信は頂けてないのだけど、周りではいくつかの質問が取り上げられているそうだ。そんな問答のひとつに以下の内容があった。 走るときにはiPodは必需品です。一台に2000曲くらい詰め込んだものを三つくらい持っていて、それを聴きながら走っています。それだけ曲を入れるのってすごい労働だったです。便利だけど手間のかかる世の中です。 この回答を呼んで身体が仰け反るぐらいの衝撃を受けた。音楽とコンピュータをからめたくはない と、いうのも、僕の座右の銘のひとつに村上春樹の以下の言葉がある。 今のところは僕はまだ音楽とコンピュータをからめたくはない。友情や仕事とセックスをから

第5回Skype読書会 第5回Skype読書会は『すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)』 を題材に下記の要項で開催することとしましたので、よろしければご参加頂ければと思います。Skype読書会とは事前に課題図書を読み込んでおき、Skypeによる音声チャットをしながらGoogleドキュメントをリアルタイムに編集していくオンライン上のバーチャルな読書会です。 項目 内容 日時 2015年2月15日(日) 14時より 参加条件 事前に題材の作品を読んでくる 参加の連絡 第5回Skype読書会『すべてはモテるためである』 :ATND 題材 二村ヒトシ『すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)』 女子目線で語る男性向け恋愛本 タイトルは「女子目線で語る」ですが、もちろん男性の参加者も歓迎です。本書はAV監督による男性向けの恋愛本なのですが、前回に続いて id:aniram-czech さん

はてな村奇譚 『はてな村奇譚』は、なぜか「はてな村民」とは認めてもらえない小島アジコさん( id:orangestar )により、『orangestarの雑記』において連載されているWeb漫画。はてな村で実際に起こった事件を大幅に戯画化して「奇譚」に仕上げている。 Web連載漫画をまとめた同人誌の「上巻」に当たる本書が頒布されたコミックマーケット87(2015/12/29)には参加することができなかったが、増田ネットワーク経由で入手する事ができた。ありがたい。 一気読みすることで感じるディテール本書はWeb連載をまとめたものだけど、この同人誌を用いて「一気読み」をする価値が高いと思う。もともと「連載漫画」を読むことが苦手で、色々な作品を細切れで読むと作品内の状態への記憶が混乱しがち。この作品についても、ホッテントリに上がってきた記事だけが断続的に目に入るという状態だったので、余計に情報が

個人的な出版によって失われる詩人とそば屋の純潔 休日のたびに本棚整理をしているのだけど、その中でたまたま『我が心はICにあらず (小田嶋隆全集 第1巻)』の原著をめくっていて、以下の文章を見つけた。 私が懸念しているのは、現在の小規模なパーソナルパブリッシャーたち(詩人とそば屋)がかろうじて保っている純潔が失われはしまいかということだ。個人的な出版事業が安易に、しかも大規模に行われるようになるのだとしたら、駅前詩人の純潔や、そば屋の貼り紙の奥ゆかしさなんてひとたまりもない。 「小田嶋さぁーん今月の『月刊田中』読んで貰えましたかぁ?」 我が心はICにあらず (小田嶋隆全集 第1巻) 作者:小田嶋隆極楽寺書房Amazon あぁ……『月刊池田』どころか「今日の『日刊池田』読んで貰えましたかぁ?」と、しつこくSNS等で告知している自分が浮かぶ。 当時において「個人的な出版」と言えば、路上で「こころ

外天楼で会いましょう 『外天楼』は『ネムルバカ』や『それでも街は回ってる』の作者による日常系ミステリー短編集……に見せかけた壮大なサーガである。書評を書くには、どうしてもある程度のネタバレを含んでしまうし、1巻完結なので未読の方にはぜひ読んでいただきたいと思う。 拾ったエロ本が破かれていた謎や、宇宙刑事と戦闘員の闘いに巻き込まれて発生した殺人事件などのシチュエーションで展開されるミステリーが『世にも奇妙な物語』のような感じで続いていくのだけど、見たことのある登場人物や「外天楼」というアパートへのデジャブが伏線になって怒涛の回収がなされていく。 ロボットやクローン技術が発達してからのミステリー ミステリー作品は、ある一定のルールの元で書かれる事が前提となっている。そもそも殺人は犯罪であるといった前提が議論に先駆けて擦り合っている必要があるのだ。 内田樹は議論を行う前には、「先だって議論のルー

『通天閣』で交わるふたつの生活 『サラバ』で第152回直木三十五賞を受賞した西加奈子氏が、2006年に発表した小説である。「底辺」とか「場末」という言葉似合う工場勤務のおっさんと、スナック勤務の女性の生活が交互に描かれながら、大阪の「通天閣」を交差点に、ほんのちょっとだけ救われる展開に何か温かいものを感じる。 の大阪ミナミの町を舞台に、若々しく勢いのある文体で人情の機微を描く。このしょーもない世の中に、救いようのない人生に、ささやかだけど暖かい灯をともす絶望と再生の物語。第24回織田作之助賞受賞作。 [asin:4480426698:detail] ゆめにっき 章の始まりには、登場人物がその晩に観た「夢」が記述される。大抵は「焦り」だったり、「喪失」を暗示しているのだけど、その人物の心理状態を直接的に表現するよりも、真に迫るものがある。フロイトがどうとは言わないが、夢を覚えて言語化すると、

コピーライターは「翻訳業」本書は「日本郵政」や「キリン」などの広告を手がけた事で知られるコピーライターの岡本欣也氏による「コピー」の解説書である。そもそも「コピー」とは広告内で使われる言葉であり、見出しにあたる「キャッチコピー」、補足説明をする「ボディコピー」「ナレーション」、ブランドを内外に伝える「企業理念」などを包摂する。 これらの企業が世間に広く伝えたいと思っていることを、より伝わりやすい言葉に変える。コピーライティングとは言わば、企業と世間とを橋渡しする「翻訳家」のような仕事でもあります 「売り言葉」と「買い言葉」 心を動かすコピーの発想 (NHK出版新書) 作者:岡本 欣也NHK出版Amazon コピーライターと言うと「キャッチコピー」の事ばかりをイメージしていたのだが、それだけではなく、企業と世間のコミュニケーションを円滑にすること全般を指すと今回知った。 「売り言葉」と「買

二度はゆけぬ町の地図本書は、中卒で日雇労働をしながら、酒と女に蕩尽してきた筆者の「私小説」である。西村賢太について、僕としては『苦役列車 (新潮文庫)』の芥川賞受賞が話題として消費されつつあり、作者が甚だ不満だという映画化をされてから知る事になったミーハーな読者のひとりである。映画は森山未來演じる貫多が風俗から出てくるところから始まる。主人公は19歳で舞台は昭和のバブル前。父親の性犯罪による家庭崩壊を経て中卒の日雇労働者となっている。いかにも薄汚くて、なけなしの金を酒と女につぎ込んで無一文になってしまう典型的なロクデナシである。 それでいてギャンブルもせずに読書が好きで、どうせ家賃を踏み倒すのであればもっと良いところに住んでも関係ないのに月1万円を払わずに追い出される小心者の倫理があるところからキャラクターが浮きあがる。本書では貫多を主人公とする短篇集として、家賃を踏み倒したり、就労

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