逮捕されたときは極悪人で、無罪になったらヒーロー扱い 2011年11月15日 02:04 カテゴリー:コラム >デスク日記 「逮捕されたときは極悪人で、無罪になったらヒーロー扱い。このマスコミっちゅうやつは…」 茨城県で1967年に起きた「布川事件」。今年5月に再審無罪となった杉山卓男さんの言葉が、胸に刺さった。 佐賀県鹿島市で今年7月、布川事件を題材にした映画「ショージとタカオ」の上映会があった。鹿島は映画を製作した井手洋子さんの郷里である。舞台あいさつに訪れた杉山さんと控室の前で話したが、厳しい指摘に返す言葉もなかった。 「記者会見でも言ったんだけど、マスコミ批判の部分は一切報道されないんだよな」。しばらく沈黙して、こちらに向けた鋭い視線が詰問していた。「あんたどうなんだ? 警察と事件。どっちを追うんだ」 人生の44年を奪われた人の肉声を記すこの手も汚れているが、聞かなかったこと
トップ > 社説・コラム > 中日春秋一覧 > 記事 【コラム】 中日春秋 2010年9月12日 池波正太郎さんの『鬼平犯科帳』にこんな話がある。放火犯や盗賊集団を取り締まる火付(ひつけ)盗賊改方(あらためかた)の密偵が、同心に手柄を立てさせたくて、無実の男を拷問して自白させ、放火犯に仕立て上げる ▼処刑直前、長官の「鬼平」こと長谷川平蔵が男が無実であることを突き止め、真犯人を捕まえるというストーリーだが、意外だったのは、同心と密偵が江戸追放や島流しの処分を受けたと、池波さんが書いていることだ ▼現代でいうなら自白を強いて罪をでっち上げた取調官が、懲戒免職では済まずに刑事罰を受けたといったところだろう。小説の世界ではあるが、江戸時代の方が、役人の不正に厳しかったのだろうか。冤罪(えんざい)を生み出した取調官が厳しい処分を受けたと聞いたことはない ▼「特捜神話が崩れた」「検察の誇り失墜」「調
1リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く