北朝鮮によるICBM発射は安倍政権にとって、稲田朋美前防衛相が南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題をめぐる混乱で辞任した直後のことだった。防衛相を兼務した岸田文雄外相は、国家安全保障会議(NSC)に二つの肩書で出席。発射直後は首相官邸と防衛、外務両省を行き来するなど対応に追われた。 岸田氏は28日深夜、東京・赤坂の議員宿舎にいた。ミサイル発射の一報で首相官邸に駆けつけ、29日午前0時44分からのNSCに出席。終了後、すぐに東京・市谷の防衛省に向かい、約1時間45分にわたり同省幹部らと協議した。終了後、岸田氏は記者団に「防衛相として情報収集、警戒監視に万全を期せとの指示を出した」と語った。 通常、首相官邸でのNSCが終わると、外相と防衛相はそれぞれ各省に戻り、幹部と最新状況の確認と今後の対応を協議する。今回、岸田氏が防衛省を経て外務省に入ったのは、NSC終了から2時間半後だった。防

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