このなんてことないイラストは、過去半世紀にわたって平等や社会正義を巡る哲学の議論が達成しようとしてきたことの、ほとんど全てが台無しになってしまったことを示している あなたのお気に入りの哲学者を困らせたいなら、最近だと一番良い方法は、箱の上に乗った子どもたちのイラスト(「平等と公平」ミーム)を見せることだ。これを哲学者の苦しみの種というのは言い過ぎかもしれないが、哲学者の仕事を楽にしてくれないのは確かである。 哲学者のほとんどはこのイラストを見たことがあるが、それ以上に重要なのは、学生はみなこのイラストを見たことがあるということだ。それだけでなく、学生たちはこのイラストを持ち出せば議論を完全に打ち切れると考えている。学生らに言わせると、このイラストは「公平性(equity)」の正確かつ議論の余地ない定義を示しており、「平等(equality)」という道徳的理念を決定的に打ち負かしているのだと

日本人は不平等なことに対して相当神経質のようだ。日本では多くの人が、社会は平等でなければならないと思い込んでいる。私は27年前に留学のために来日した当初から、そのことを強く実感している。中国は社会主義だから平等でなければならないが、日本が平等でなければならない理由はよく分からない。日本では大勢の人が平等であることを追い求めた結果、日本社会は中国よりも社会主義的になってしまった。 このことは筆者が日本社会についてもっとも失望した点だと言える。27年前、筆者はさまざまな苦労を乗り越えてようやく社会主義中国を脱出した。それなのに、たどり着いた日本はなんと中国以上に社会主義の国だった。その落胆がどれほどのものだったか、みなさんに分かっていただけるだろうか。 2期目の安倍政権について筆者が個人的にもっとも良かったと思う点の1つは、安倍総理が就任初期に「報われる社会作り」を提唱したことだった。だがそ

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