【ワシントン共同】米中西部イリノイ州のクアッドシティーズ原発で2023年、原子炉の停止作業中に運転員が手順書を無視して弁が閉じているか確認せず、冷却水約4500リットルが漏れて炉の水位が低下するトラブルがあったことが28日、原子力規制委員会(NRC)の報告書で分かった。NRCは今年5月、現場責任者が上司の叱責を恐れ「ホースの損傷が原因」と虚偽報告するなど6件の違反があったと通知、処分を検討している。 【写真】米アマゾン、原発事業に参入 個人にとどまらず組織として安全を軽視する体質が露呈した形。こうした姿勢は東京電力福島第1原発事故でも指摘された。 漏れは6分後に止まったが、あと9分続けば冷却水が核燃料の上端まで低下する恐れがあった。科学者らでつくる米団体「憂慮する科学者同盟」は「炉心損傷や放射性物質の放出の可能性がある大事故の前兆だった」と批判している。 クアッドシティーズ原発は電力大手コ
廃炉作業中の福井県にある敦賀原子力発電所1号機について、事業者の日本原子力発電は、設備の解体に技術的な課題が生じたとして、廃炉の完了時期を当初の2040年度から2047年度に7年延期することを明らかにしました。 こうした中、19日、日本原電の坂井毅志敦賀事業本部長が福井県庁を訪れ、原子炉建屋内の設備の解体に技術的な課題が生じたとして、廃炉の完了時期を当初の2040年度から2047年度に7年延期することを報告しました。 具体的には、原子炉建屋の地下にある「サプレッション・チェンバ」と呼ばれる大型設備を解体して、空いたスペースに原子炉本体の解体で出る放射性廃棄物を保管する予定でしたが、解体方法を改めて検討した結果、さびを防ぐために使われていた有害な物質を含んだ水の処理に技術開発が必要で、解体までに7年程度かかることが分かったということです。 日本原電は19日、これらの内容を盛り込んだ廃炉計画の
「え…本当ですか?そんなことあり得るの?」 廃炉の取材を担当して7年近く。 様々なトラブルや工程の延期を経験し、大抵のことには驚かなくなっていた私も、さすがに耳を疑った。 去年8月、初めてとなる核燃料デブリの試験的取り出しに臨んだ東京電力。 世界が注目する歴史的作業は、装置を押し込むパイプの取り付け順を誤るという「初歩的なミス」で延期された。 最長40年とされる廃炉の遅れにもつながるミスやトラブルを防ぐことはできないのか。 内情を知る作業員に話を聞くと、根深い背景があることが浮かび上がってきた。 (科学・文化部記者 吉田明人) 14年前の事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリは、福島第一原発の1号機から3号機までで総量880トンとされ、その取り出しは廃炉で最大の難関とされている。 その難関に初めて挑んだ今回の試験的取り出しでは、去年11月に0.7グラムの核燃料デブリ
新たなエネルギー基本計画の策定に向けて、政府は16日、2040年度時点での発電にかかる電源別の総合的なコストの試算を正式に公表しました。原子力のコストが、現在主力のLNG火力のコストを下回るとしています。 政府は、2040年度の時点での電源別の、直接発電にかかるコストと付随するコストを合わせた総合的な発電コストの試算をまとめ、16日に開かれた有識者会議に示しました。 それによりますと、1キロワットアワー当たりのコストは、 ▽現在発電量が最も多いLNG火力が、20.2円から22.2円、 ▽原子力が、16.4円から18.9円に なるとしています。 3年前の前回の試算では、2030年度の時点でLNG火力を最も安い電源としていましたが、今回は、LNGの価格高騰や環境対応の費用などを見込み、前回より大幅に引き上げました。 一方、原子力は、テロ対策の費用などが増える一方で、安全対策の進展で事故対応の費
“12億分の1” 福島第一原子力発電所の事故から13年半が過ぎたことし11月、初めて「核燃料デブリ」の試験的な取り出しが行われました。 相次ぐトラブルで何度も延期された末、ようやく採取できた0.7グラムのデブリ。総量880トンとされるデブリの12億分の1というわずかな量ですが、この取り出しは何を意味するのか。 原発の内部を取材して見えてきたものとは。 (ニュースウオッチ9キャスター 佐藤真莉子/ディレクター 立山遼、科学文化部記者 吉田明人)
東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋3階で、毎時3シーベルトを超える極めて放射線量が高い場所があることが分かった。原因は不明で、来年2月にもドローンを使って詳しく調べる。得られた情報は建屋内の除染など今後の廃炉作業に活用するほか、事故時に放射性物質が漏れた経路の推定にも使う。 高線量の場所は、原子炉格納容器の外側にあるブロックで囲まれた空間。高さ3メートルの位置に配管が通っており、格納容器の貫通部につながっている。2021年度の調査では、ブロック外側の表面で約0.2シーベルトだったため、内部の線量が高いとみていた。 東電は11月19日、ブルドーザーのような走行装置が付いた小型ロボットを空間に投入。奥に進むと搭載した線量計で測定できる限界の3シーベルトを超えた。 空間を通る配管は、格納容器内の圧力を下げるために放射性物質を含む気体を放出する「ベント」で使う。1号機は11年3月の事故発生直後
原発新増設、石破首相に要請へ エネルギー基本計画―国民民主 時事通信政治部2024年11月26日20時47分配信 国民民主党のロゴマーク 国民民主党は、政府が策定する次期エネルギー基本計画に、原発の建て替えと新増設を盛り込むよう求める方針を固めた。玉木雄一郎代表が27日に首相官邸で石破茂首相に申し入れる。 次世代太陽電池で原発20基分 ペロブスカイト、40年目標―経産省 国民民主がまとめた要請書では、次期計画に「原子力の必要性」を明記し、再生可能エネルギーと併せ「脱炭素かつ他国依存度の低い電源の最大限活用」を掲げるべきだと強調。電力需要の増加に対応するため、バランスあるエネルギー構成を追求するよう要望する。 #玉木雄一郎 #石破茂政治 経済 「1.5℃の約束」気候変動 コメントをする 最終更新:2024年11月26日21時09分
福島第一原子力発電所で今月、事故のあと初めて核燃料デブリが採取されたことを受けて、原子力規制委員会の山中伸介委員長は、東京電力に対し多くの情報を得るために試験的な取り出しを継続すべきだという考えを伝えました。 福島第一原発2号機では、事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリの試験的な取り出しが初めて行われ、今月7日に、大きさ5ミリ程度、重さ0.7グラムの小石状のデブリ1粒が採取されました。 14日開かれた原子力規制委員会の会合で、東京電力は、今後1年程度かけて採取したデブリの性質や状態などの詳しい分析を進める方針を改めて説明しました。 これについて規制委員会の山中委員長は、「今回の場所の周りには形態が違うデブリもあり、採取すれば分かる情報は多いと思う。今後の本格的な取り出しなどに向けてデータを集めるのであれば、もう少し採取してはどうか」と述べ、試験的な取り出しを継続す
トラブル続きの福島第一原発2号機燃料デブリの試験的取り出し(既報)について、東京電力は10月31日の会見で、その後の進捗を説明した。 「10月24日にカメラ交換作業が完了。28日に試験的取り出し作業を再開、30日に燃料デブリを把持。今後は、把持した燃料デブリをエンクロージャー内へ引き戻し、燃料デブリの線量を測定する予定です」と。 記者には、デブリを掴んだ記録が動画でUSBで提供された。 原子炉内部に挿入されるテレスコ装置に取り付けられた4台のカメラによる動画(東京電力ホールディングス株式会社)より(二つの黄色の円を筆者加筆)。小円中央に5mmのグリッパに挟まれたデブリが映っている。大円中央に映る異質なモノの下から取り出された。カメラ故障を起こす前に、どれを取り出すか目星をつけるためにデブリを掴んだことが分かっており、その際に目印を置いたのかと10月31日会見で尋ねた。東電は否定したが、どう
福島第一原子力発電所2号機で行われている核燃料デブリの試験的な取り出し作業で、東京電力は、装置でつかんだ少量のデブリを格納容器の外に出したと発表しました。 核燃料デブリが格納容器の外まで出されるのは13年前の原発事故の後、初めてで、週明けに放射線量を測定し、一定の値を下回っていることが確認できれば、取り出しが完了することになります。 福島第一原発2号機では事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリの試験的な取り出し作業がことし9月から行われています。 細いパイプ状の装置を格納容器の内部に入れ、底にある核燃料デブリをつかんで回収する計画で、10月30日には大きさが5ミリほど、重さ数グラムとみられるデブリをつかみました。 東京電力によりますと、2日午前10時前、デブリをつかんだ状態のまま装置を格納容器の外に引き出したということです。 核燃料デブリが格納容器の外まで出されるの
2号機燃料デブリ試験的取り出し中断。原因不明のまま、最大10万倍高い線量空間で手袋5枚をつけてカメラ交換(予定) 8月22日に始まった福島第一原発2号機の燃料デブリの取り出しを巡るドタバタ。原子炉格納容器に入った4台のカメラのうち先端2台が、まだ何も始まっていないのに、9月17日に映らなくなり、2度目の作業中断となった。 今日は、その後、10月7日の東電会見で分かった話。 電源をオン・オフにしても問題解消とならず現在、カメラ4台は、エンクロージャー内に引き戻した状態だ。高線量の格納容器に続く隔離弁は閉めてある。 10月7日発表によれば、映らなくなった先端のカメラ2台を、本来は3g以内のデブリを取り出すためにあるハッチ(50cm四方)を使って、予備カメラ2台と交換する予定だ。 なぜなら、10月3日朝までに数日をかけて電源をオンにしたりオフにした(放射線が高いと電荷がたまってカメラが不具合を起
福島第一原子力発電所で今月10日から始まった核燃料デブリの試験的な取り出しで、東京電力は、17日、装置につけられたカメラの映像が確認できない不具合が発生し、予定の作業が実施できなかったと発表しました。東京電力は作業を中断し原因の特定や復旧を試みていて、再開の見通しは立っていないとしています。 福島第一原発の2号機では、今月10日から、事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリの試験的な取り出しが初めて行われています。 東京電力によりますと、16日までに取り出し用の装置を格納容器の内部まで伸ばしたうえで先端に付いたデブリをつかむための器具を、ケーブルを使って格納容器の底付近に下ろし、デブリとみられる堆積物に接触させたということです。 17日は、装置の動作や現場の状況を確認する作業が予定されていましたが、作業を開始したところ、装置に4台付いているカメラのうち先端付近の2台で
作業が遅れていたのに東京電力は把握せず、関わった作業員らもミスはないと思い込んでいた――。福島第一原発の廃炉作業で「本丸」とされる溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出し作業で、東電も「初歩的」と認…
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