風力発電機の「巨大ブレード」をどうやって運ぶ?風力発電の世界では、風車(タービン)のブレードが大きくなればなるほど、発電量が増加します。 ブレードの長さが伸びると、ブレードが描く円の面積が大きくなり、発電量はその二乗で増加します。 そのため、世界中の風力発電メーカーは、「もっと大きなブレードを作りたい」と考えてきました。 実際、従来型の70メートル級ブレードから、100メートル超の“メガブレード”へと大型化すれば、タービン1基あたりの出力が10~20%向上し、発電コストも20~35%下がると試算されています。 また、必要な設置数を減らすことで、設置やメンテナンスのコストも抑えやすくなります。 さらに、巨大な風力発電機は高速回転する必要がないため、これまで風が弱くて利用できなかった地域(風速5m/s程度の場所でも成立)にも設置できます。 しかし、現実には技術の進歩だけでは解決できない、思いが

2030年代の後半以降に「太陽光パネル」が大量廃棄の時期を迎えるとされることから検討が進められていたリサイクルの義務づけについて、政府は費用を誰に負担させるのか制度設計の枠組みが定まらないとして見直しを検討することを発表しました。 「太陽光パネル」は再生可能エネルギーの普及を目指した新たな制度によって、2012年以降、急速に導入が進みましたが、寿命がおよそ20年から30年とされ、2030年代の後半以降には大量廃棄の時期を迎え、最大で年間およそ50万トンが廃棄されると推定されています。 現在の法律では太陽光パネルのリサイクルの義務づけがないことから、政府は専門家会議を経てリサイクルのために追加的にかかる費用を製造業者や輸入業者に負担させる方向で、国会に法案を提出する準備を進めていました。 しかし、内閣法制局から所有者が費用を負担する自動車や家電などのほかのリサイクル関連法との整合性が取れない

秋田県と千葉県の沖合で計画されている洋上風力発電について、事業を中心的に進めてきた大手商社の三菱商事が、コストの大幅な増加などを理由に撤退する方向で最終調整を進めていることがわかりました。洋上風力発電を取り巻く環境は厳しさを増しており、国のエネルギー政策への影響も避けられない見通しです。 三菱商事は、秋田県と千葉県の沖合の3つの海域で、中部電力の子会社などとともに洋上風力発電の計画を進めていましたが、ことし2月コストが大幅に増加したとして計画全体を見直すことを明らかにしていました。 関係者によりますと、会社が事業にかかるコストを改めて計算した結果、資材価格や人件費などの高騰で採算を確保することが難しいと判断し、計画から撤退する方向で最終調整を進めていることがわかりました。 会社は地元の関係者などに事業から撤退する意向をすでに伝えていて、27日にも記者会見を開き、正式に表明することにしていま

「ほとんど若手がいないこの職場の状況をぜひ見てください」 原子力規制庁の担当者から聞かれたことばです。 「人材不足」といえば、ネガティブなイメージ。 取材を断られるかも…と思っていた私にとって、予想外の反応でした。 原子力発電所は6月の法改正で、上限の60年を超える運転が可能に。 一方で、原発の安全を守る現場は人材不足が深刻になっています。 今、何が起きているのでしょうか。 (科学・文化部記者 國友真理子) 現場で目立つ“50代以上”

原子炉圧力容器の上ぶたを解体する現場=静岡県御前崎市の中部電力浜岡原発2号機で2025年4月22日、木許はるみ撮影 原発はどのように終わりを迎えるのか。今後40年の間に、日本にある原発の4割にあたる24基が廃炉を完了させる予定だ。しかし一部の原発では、廃炉完了時期の延期が相次いでいる。何がネックになっているのか。日本で初めて廃炉作業の本丸に着手した現場を訪れると、その正体が見えてきた。 建屋内の至る所に置かれた廃炉ごみ 釜を逆さにしたようなドーム形の鋼鉄が、青色の装置からゆっくりと下りてきた刃で切断されていた。中部電力浜岡原発2号機(静岡県御前崎市)で3月から始まった、原子炉圧力容器の上蓋(うわぶた)(直径約6メートル)の解体現場だ。 原子炉の解体は、廃炉工程の中で最も放射線量が高く、廃炉の「本丸」とされる。中部電…

最も簡単な固体電池です。 フィンランドのタンペレ大学(TAU)とPolar Night Energy 社の共同研究によって、シンプルで安価な「砂」を利用した巨大な熱蓄電システム、いわゆる「砂電池」が、再生可能エネルギーの最大の課題である余剰エネルギーの貯蔵問題を解決する強力な手段となる可能性が示されました。 余った風力や太陽光発電のエネルギーを砂に蓄えて400℃以上の熱として長期間保持し、化石燃料に依存しない地域暖房を実現することで、CO₂排出量を約70%削減できることが実証されました。 「リチウムよりも安くて環境にやさしい」と注目されるこの砂電池は、エネルギー貯蔵の未来を変える突破口となるのでしょうか? 詳細な情報はPolar Night Energyの公式ページに掲載されています。

フィンランドのスタートアップPolar Night Energyが開発した世界最大の「砂電池」がPornainen市で稼働を開始した。Loviisan Lämpöの地域暖房ネットワーク向けに設置されたこの産業規模の蓄熱システムは、熱出力1MW、蓄熱容量100MWhを提供し、同社が2022年にKankaanpää市で運用開始した砂電池の10倍の規模となる。 砂電池は、余剰となった再生可能エネルギーの電力を砂や類似の固体材料に熱として蓄える高温熱エネルギー蓄積システムだ。蓄えられた熱は地域暖房や産業プロセスに利用できる。風力や太陽光発電の普及が進む中で、エネルギー貯蔵技術として注目されている。 今回のシステムは高さ約13m、幅約15mの構造で、約2,000トンの砕いたソープストーン(滑石)を蓄熱媒体として使用している。この砕石は、フィンランドの暖炉メーカーTulikiviの蓄熱暖炉製造時の副産
台湾で稼働している最後の原子力発電所が17日に停止し、民進党政権が進めてきた「原発ゼロ」が実現することになります。今後、電力の安定供給に向けて、再生可能エネルギーへの転換を進めていけるかが焦点です。台湾では、東京電力福島第一原子力発電所の事故などを受けて、原発の安全性に不安を訴える声が高まり、「原発ゼロ」を公約に掲げる民進党政権が順次、運転を停止してきました。 17日は、台湾南部の屏東県で稼働している最後の原子力発電所が停止する予定で、「原発ゼロ」が実現することになります。台湾の経済当局は、原発にかわってLNG=液化天然ガスを燃料にした火力発電の発電能力を増強するほか、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる発電量の割合を、現在のおよそ15%から、来年には20%に引き上げる方針で、海外企業の参入が相次いでいます。 ただ、産業界や野党からは、台湾経済を支える半導体などの生産に必要な電力

太陽光パネルを運ぶ作業員=2024年6月12日、パキスタン・ラホール/Arif Ali/AFP/Getty Images (CNN) パキスタンの大都市では太陽光パネルが屋根を覆い、全国各地の村では住居の周囲に点在している。 人口2億4000万人超のパキスタンは、貧困と経済不安に見舞われながらも、世界有数の急速な太陽光革命のさなかにいる。 超安価な中国製太陽光パネルが押し寄せたことで、パキスタンは太陽光発電の巨大な新市場となっている。気候シンクタンク、エンバーによると、パキスタンは2024年に17ギガワット相当の太陽光パネルを輸入。これは前年の倍以上で、同国は世界第3位の輸入大国となった。 首都イスラマバードに拠点を置くエネルギーシンクタンク、リニューアブルズ・ファーストのプログラムディレクター、ムスタファ・アムジャド氏は、パキスタンを特異だと語る。ベトナムや南アフリカなどの国でも太陽光発

ns は水田間で有意差が無いことを、*** は0.1%水準で有意であることを示す。カッコ内の数字は慣行水田に対する営農型太陽光発電水田の収量の相対値(出所:東京大学・Chun Hau THUMなどによる論文) 東京大学は4月1日、ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)が水稲生産に与える影響について、6年間のフィールド実験を実施した研究結果を発表した。水稲収量が23%減少する一方、総収益は5倍以上に達する可能性があると推算した。 農業と太陽光発電を組み合わせたソーラーシェアリングは、作物栽培とエネルギー生産を同じ土地で行い、農家の収益向上にも寄与する。一方で太陽光パネルの設置による日射量減少による作物の収量低下が懸念される。特にイネのような穀物は、野菜などに比べて日射量減の影響を受けやすいとされる。 今回の研究は、ソーラーシェアリングを実施している茨城県筑西市の水稲生産現場において、6年間


電気自動車の分野において無双状態を続けている中国の自動車メーカー。EVで敵なしということは、今後の自動車業界で相当なアドバンテージを持つということ。いったい中国EVの強さの秘密は何なのか!? 国沢光宏氏が解説する。 ※本稿は2024年11月のものです 文:国沢光宏/写真:BYD、ベストカー編集部 初出:『ベストカー』2024年12月10日号 【画像ギャラリー】EV開発において重要なのは「電池」!! 電池製造において有利な位置に立つ中国の電気自動車(30枚)画像ギャラリー 今や中国市場における中国メーカーの電気自動車は敵なし状態となってしまった。日米欧韓も中国市場に電気自動車を投入したり、投入しようとしているのだけれど、まったく歯が立たない状況。 なぜ中国勢は強いのか? こらもう簡単です。中国勢の主力となっているLFP(リン酸鉄リチウム)電池が圧倒的に安価で高性能だからにほかならない。という
![もう日本も欧米も勝てない!? 中国の[EV]は何が凄いのか? - 自動車情報誌「ベストカー」](/image.pl?url=https%3a%2f%2fcdn-ak-scissors.b.st-hatena.com%2fimage%2fsquare%2f6a475ee3dba674bbcc0ba51c143327a22d2b2c86%2fheight%3d288%3bversion%3d1%3bwidth%3d512%2fhttps%253A%252F%252Fimg.bestcarweb.jp%252Fwp-content%252Fuploads%252F2024%252F12%252F14220628%252F00_BYD_seal_A17_8407_head.jpg%253Fv%253D1734181588&f=jpg&w=240)
二酸化炭素の排出量の多さから、気候変動対策を進める上で、国際社会から厳しい目が注がれる石炭火力発電。 その全廃を、G7=主要7か国で初めて実現したのがイギリスです。 背景には国をあげて進める再生可能エネルギーの導入があり、なかでも力を入れるのが洋上風力です。 日本と同様、周りを海に囲まれたイギリスの取り組みは、今後の日本の政策の参考になるのか。現地を取材しました。 (ロンドン支局記者 山田裕規) 石炭火力全廃の背景にあるのは? 「エネルギーシステムから石炭火力を段階的に廃止した世界初の主要国となり、誇りに思う」 イギリス政府の高官がこのように胸を張って挨拶をしたのは、国内で唯一稼働していた石炭火力発電所の運転停止を記念した式典でのことです。 中部ノッティンガムシャーにある、8つの大きな冷却塔が特徴の「ラトクリフ・オン・ソア発電所」は、ことし9月末に50年余りの歴史に幕を閉じました。 発電所

ドイツ経済の競争力喪失が顕著だ。それが経済から活力を奪ってもいる。ドイツ連邦銀行(中央銀行)のデータによると、化学品メーカーのBASFや自動車部品のZFフリードリヒスハーフェン、家電のミーレなどの企業が国外に資源を移し、2010年以降の純資本流出額は6500億ユーロ(約107兆円)を超える。しかも、この約4割は、ショルツ首相率いる連立政権が発足した21年以降に発生した。 米大統領選挙でトランプ前大統領が歴史的勝利を収めたことにより、ドイツ企業には関税回避の目的で米国への投資を増やすよう圧力がかかる。これが資本流出を加速させる恐れもあるだろう。選択肢に乏しく次期総選挙の予定まで1年を切っていた中、経済再生を巡る論争がもとでショルツ首相はリントナー財務相を更迭。ドイツは05年以来の早期総選挙に向かう見通しとなった。 関連記事:ショルツ独首相、来年3月の総選挙目指す-リントナー財務相解任 (1

大手電力会社でつくる電気事業連合会は、フランスからの放射性廃棄物の返還をめぐり、高レベル放射性廃棄物いわゆる「核のごみ」を、青森県にある施設で新たに受け入れたいとして県に了承を求めました。これに対し、青森県の宮下知事は、現時点で施設が稼働していないことから、「協力できない」と述べました。 国内の原発から出た使用済み核燃料はフランスとイギリスに委託して再処理され、その過程で出る放射性廃棄物は日本に返還されることになっています。 このうち高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみは、青森県六ヶ所村にある施設で受け入れてきましたが、新しい規制基準の審査のため2016年から受け入れを中断しています。 また、フランスからは比較的低レベルの放射性廃棄物も返還される計画で、2033年が期限とされていますが、受け入れ先の施設自体が完成していません。 これについて、電気事業連合会の佐々木敏春副会長は10日、青森

昔からある知恵と、先端技術を組み合わせた、古くて新しいエネルギーを「貯める」技術が生まれています。その一つが、位置エネルギーを利用した「重力蓄電」です。中国ではまもなく本格稼働を見込む巨大な重力蓄電施設が動き始めています。(荒ちひろ) 「水の代わりに重りを使うことで、より安く、効率的で、環境に優しいエネルギーの貯蔵を実現できる」 そう話すのは、米国のスタートアップ企業「Energy Vault」の共同創設者でCEOのロバート・ピコーニさん(54)だ。 太陽光や風力など再生可能エネルギーが余っているときに、電気を使ってクレーンなどでブロックを高い位置まで上げておき、電力の需要に応じてブロックを落下させ、連動した発電機を回すことで発電する。原理は、ダムに水をくみ上げ、落下させて発電する揚水発電と同じだ。 水の代わりに上げ下げするのは、巨大なブロック。コンクリート製である必要はなく、残土やがれき

近年では、地下資源の枯渇や地球温暖化への対策を目的に、太陽光発電や風力発電、潮力発電などの再生可能エネルギーが成長を見せています。しかし、スタンフォード大学の科学者であるジェリー・リュー氏が「潮力発電によって生まれたエネルギーは再生可能エネルギーではない」との主張を展開しています。 Tidal Energy - Not Renewable https://cs.stanford.edu/people/zjl/tide.html 潮力発電とは、地球の自転や月の公転に伴って海水に働く「潮汐力」を利用した発電方法で、時刻によって変動する潮位を活用してタービンを回し、発電機を駆動させるという方法です。 リュー氏によると、潮汐によって地球の自転エネルギーがゆっくりと自然に発散されていますが、潮力発電で潮汐力をさらに使用することで、地球の自転エネルギーが減少、地球の自転が減速するとのこと。 このような

位置情報を活用したゲームやサービスが注目を集めるようになって数年が経ちました。今回、紹介するのは、そんな中でも、東京電力パワーグリッドとシンガポールのGreenWay Gridが共同で開発した「PicTree~ぼくとわたしの電柱合戦~」(以下、ピクトレ)。これはゲームを通してインフラ管理と地域活性化を同時に実現しようとする試みです。 ピクトレは、プレイヤーが「V(ボルト)」「A(アンペア)」「W(ワット)」の3チームに分かれ、電柱の写真を撮影・投稿することで“制圧”、それを地図上でつないだ距離に応じてポイントが獲得できるという位置情報ゲームです。ポイントはAmazonギフト券や独自の暗号資産「DEAPcoin(DEP)」に交換可能。一見すると、電柱をつなぎ合わせていく普通の位置ゲーに思えるのですが、その裏には東京電力の「インフラ設備の保守点検にユーザーの力を借りたい」という思惑があります。

読売新聞社に対する当社の抗議内容について(2月5日掲載) ①2月4日掲載 読売オンライン「志賀原発の変圧器、最も強い揺れに耐える「クラスCでも壊れる…修理見通し立たず」 ②2月1日付 読売新聞(石川県版)29面記事『原発「最大の揺れ」焦点』 上記記事の内容は、一方的な憶測や事実誤認による報道であり、読者の誤解を与えかねない内容であることから、読売新聞社に対し、以下の内容を抗議しています。 (1)志賀原子力発電所の地震動と志賀町富来地区の地震動の違いについて ・志賀原子力発電所は、揺れが増幅する粘土層などの表層地盤を取り除いて、揺れにくい強固な岩盤に建設していますが、志賀町富来地区を含め一般的な 地震観測計は、表層地盤の上に設置されています。 ・同じ志賀町ではありますが、今回の地震で観測した地震動は、志賀原子力発電所で399ガル、志賀町富来地区の地震観測計で2,828ガルでした。 ・当社が申
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