米製薬企業レンズ・セラピューティクスは、同社が開発した老眼治療用の点眼薬「VIZZ」が米食品医薬品局(FDA)に承認されたと発表した。米国では2021年に他社製品の「VUITY」が承認されており、老眼の薬物治療に新たな選択肢が加わった。 日本には今のところ老眼用の承認薬がないが、老眼は加齢に伴ってほぼ全ての人がかかる疾患だけに、眼鏡や手術に頼らない簡便な対策として注目されそうだ。 正常な目は「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉が伸縮し、レンズの役割をする水晶体の厚みを変えることでピントを合わせる。しかし年齢を重ねると毛様体筋が衰え、水晶体の弾力性も失われる。その結果、ピントを合わせにくくなり近くがぼやける。これが老眼だ。 同社によると、VIZZの有効成分アセクリジンは毛様体筋ではなく、瞳孔(黒目)の大きさを調節する虹彩の筋肉「瞳孔括約筋(どうこうかつやくきん)」に作用し、瞳孔径を2ミ

ことし6月、ベトナムから東京港に到着した船の積み荷のコンテナから、重さ1トン余り、末端の密売価格で52億円相当の乾燥大麻が見つかり、その後、運ばれた先で厚生労働省の麻薬取締部が押収していたことが分かりました。一度に押収された違法薬物の量としては過去最大だということで、麻薬取締部はこれまでに、ベトナム人3人を摘発し、国際的な薬物の密輸グループが関わっているとみて捜査しています。 厚生労働省の関東信越厚生局麻薬取締部によりますと、ベトナムのダナン港を出港しことし6月に東京港に到着した貨物船を東京税関が調べたところ、積み荷のコンテナの中にあった段ボール200箱から大量の乾燥大麻が見つかったということです。 大麻はその後、港から運び出され、追跡した麻薬取締部が栃木県内の資材置き場で押収しました。 大麻は重さ1トン46キロに上り、去年、警察や麻薬取締部などが全国で押収した乾燥大麻の合計、452キロの

欧州の調査報道サイト、ベリングキャットは7日、米国で乱用が社会問題化している合成麻薬フェンタニルを巡り、中国企業が原料を不正輸出するため、名古屋市に拠点となる法人を設置していたとの調査結果を公表した。「両社は国際密輸網の一部だったというだけではなく、実質的に全く同一だった」と結論付けた。 ベリングキャットによると、名古屋市で登記されていたのは「FIRSKY株式会社」(2024年7月に清算)。フェンタニル原料を米国に密輸していたとしてニューヨークで有罪評決を受けた中国人男女2人のうち、男と同じ名前の人物が監査役として名を連ねていた。 この男は、中国湖北省武漢の「HUBEI AMARVEL BIOTECH」社の幹部だった。同社はフェンタニル原料を輸出する際、ドッグフードや自動車用潤滑油などと商品名を偽っていた。(共同)

2015年、「シロシビン(マジックマッシュルームに含まれる幻覚成分)と聖なる体験に関する研究調査に参加する聖職者を募集」といった広告に引かれて集まったバプテスト派の聖書学者、カトリックの司祭、ユダヤ教の宗教指導者、仏教の僧侶など約30人の聖職者が、高用量のシロシビンを摂取するという実験に参加しました。実験から10年を経て、論文がようやく公開されました。 Effects of Psilocybin on Religious and Spiritual Attitudes and Behaviors in Clergy from Various Major World Religions | Psychedelic Medicine https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/psymed.2023.0044 This Is Your Priest on Dr

米紙ニューヨーク・タイムズは、イーロン・マスク氏がトランプ米大統領の大統領選挙支援活動中、以前から知られていた以上に多量の薬物を服用しており、周囲の人々が懸念を抱いていたと報じた。 テスラとスペースXの最高経営責任者(CEO)であるマスク氏が、トランプ氏への助言役を正式に辞任し、苦境に陥っている本業への復帰に踏み切ろうとする中、新たなトラブルが加わりそうだ。 ニューヨーク・タイムズの報道では、マスク氏を知る人々や同氏と働く人々からのコメントやインタビューを引用し、マスク氏が約20錠の薬が入った箱を持ち歩き、ケタミンを大量に服用していたため、ぼうこうに影響が出ていたとしている。また、MDMA(俗称エクスタシー)やマジックマッシュルームもたまに摂取していたという。 テスラの売上高は、マスク氏の政治活動やキャラクターに対する反発で低迷しており、今週はスペースXが重要なロケット計画で、3回連続で試

「バイト代が出たら母さんに渡すね。これまでたくさんお小遣いをもらってきたお返しに」 こう話していた17歳の高校生。 ことし3月、自分の部屋で倒れて亡くなっているのをきょうだいが見つけた。 その体内から検出されたのは鎮痛剤として使われるフェンタニル。 いまアメリカで、このフェンタニルが原因で命を落とす若者が相次いでいる。 いったい何が起きているのか。現地を取材した。 (ワシントン支局記者 西河篤俊) 1錠数ドルで薬物中毒に われわれが向かったのはアメリカ西部アリゾナ州。 あのグランドキャニオンがあり、メジャーリーグのキャンプがよく行われるところでもある。 州都フェニックスを車で移動していると、路上で横たわる人たちが目に入ってきた。体をくの字に曲げ、もうろうとした状態の人も。 気温が40度を超えることも珍しくないフェニックスだが、暑さで参っているのではない。 薬物中毒の症状とみられる。 こうし

厚生労働省(「Wikipedia」より/BlackRiver) 後発薬(ジェネリック医薬品)メーカーの相次ぐ不正の影響もあり薬不足が深刻化するなか、製造されている後発薬のうちの4割超で製造販売承認書と異なる製造が行われていることがわかった。医薬品を扱う全172社による自主点検の結果、8734品目中3796品目で製造販売承認書と異なる製造が行われていると判明。日本製薬団体連合会(日薬連)が厚生労働省に報告した。後発薬をめぐっては、以前からその効能・安全性を疑問視する指摘も出ているが、効能は先発医薬品と同様と考えてよいのか。また、厚労省は医療費抑制策の一環として後発薬の普及を推進しているが、この政府の方針に問題はないのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。 後発薬メーカーの不正が相次ぎ、業界全体への信頼が揺らいでいる。2020年、小林化工の経口抗菌剤(水虫薬)「イトラコナゾール錠」に睡眠導入剤

長年にわたり大麻は世界各地で非合法とされてきましたが、近年では、カナダやアメリカ・カリフォルニア州などで嗜好(しこう)品としての大麻所持・使用が合法化されています。大麻が作用する理由や大麻の効果などについて、科学系YouTubeチャンネルのKurzgesagtが解説しています。 We Have To Talk About Weed - YouTube 元来、大麻は世界各地でその所持と使用が違法とされてきましたが、近年ではドイツなどの一部の国と地域で合法化されつつあります。 これまで大麻の非合法化によって、科学者による大麻の研究が困難になっていました。 特に、大麻使用の長期的な影響に関する研究は法的なハードルが高く、これまで小さなサンプルでの研究が行われてきました。 しかし、近年の大麻合法化の流れによって、大麻に関する研究が進みつつあります。 大麻が作用する要因は、体内のカンナビノイド受容体

「あなたの家で覚醒剤が作られていました」 松山市の一軒家を所有する男性に警察からかかってきた電話。 この家で鼻炎薬から覚醒剤を製造したとして密造グループが検挙された。 密造人とされたのは台湾から来たひとりの男。 国内で流通する覚醒剤は海外からの密輸がほとんどとされる中、愛媛で起きた「密造」事件。 背景に潜む闇を取材した。 (松山放送局 記者 川原の乃・ディレクター 御巫清英 高橋英佑) 覚醒剤密造事件の衝撃 取材のきっかけは令和5年の夏。ある噂が記者の耳に入った。 愛媛県警が珍しい事件に着手している――。 「薬物の事件らしい」「台湾が絡んでいる」 関係者から聞こえてきた断片的な情報を並べてみてもピンとこない。取材を進めても全容がつかめない中、その答えは、検察の起訴状にあった。 松山市で覚醒剤100グラムあまりを製造していたとして、男女5人を起訴。 密造場所は山あいの一軒家。こんなところでな

米西部オレゴン州で4月、危険性の高い薬物の少量所持に最高で禁錮6月の刑事罰を科す法律が成立した。9月に施行される。同州では2021年、少量所持者に刑事罰でなく治療を促す仕組みが始まったが、過剰摂取による死者が急増し州議会が方針転換。全米初の試みだった「薬物の非犯罪化」は終わりを迎えた。 「わが州で、致死性と中毒性がこれほど高い薬物はなかった」。コテック州知事は今年1月、医療用麻薬オピオイドの一種フェンタニルが蔓延(まんえん)していると危機感を示し、緊急事態を宣言した。 非犯罪化法は住民投票を経て21年2月に施行。米メディアによると、コカインやヘロイン、フェンタニルなどの少量所持者が薬物依存症の治療を受ければ、最高100ドル(約1万6千円)の反則金が免除される仕組みだったが、実際には受診者は限られた。(共同)

ドイツで娯楽目的の大麻使用が1日から合法化され、首都ベルリンのブランデンブルク門には大勢の市民らが集まり歓迎した/Michele Tantussi/Getty Images (CNN) ドイツで娯楽目的の大麻使用が4月1日から合法化され、大勢の市民らがお祭り騒ぎで歓迎した。首都ベルリン中心部のブランデンブルク門に集まった人たちは、音楽やダンスを楽しみながら宙に向かって煙を吐き出した。 巨大な大麻草をかたどったアート作品をトレーラーに乗せて自転車で走り回る人や、テレビカメラの前で大麻たばこを作って見せる人もいた。 娯楽目的の大麻の限定的な使用を認める法案は、合法化の是非をめぐる激しい論議を経て、2月にドイツ下院で可決・成立した。 ラウターバッハ保健相は1日、「真の依存症を助け、子どもや若者の使用を防ぎ、闇市場と闘う方がいい」とX(旧ツイッター)に投稿した。 新法では、成人が私的に利用する目的
不安障害は米国で最も一般的な精神障害の一つといわれている/PeopleImages/iStockphoto/Getty Images viaCNN Newsource (CNN) バイオ医薬品会社のマインド・メディシンは7日、合成麻薬LSDを使った全般性不安障害の治療薬「MM120」について、臨床試験で有望な結果が出たことを受け、米食品医薬品局(FDA)の画期的治療薬(ブレークスルー治療薬)に指定されたと発表した。 マインド・メディシン最高医療責任者を務める米タフツ大学医学校のダニエル・カーリン氏は、ブレークスルー指定について「満たされていない医療上のニーズを満たす臨床効果が実証された」とコメントしている。 MM120は今後、フェーズ3臨床試験などFDAの標準的な承認手続きを経る必要がある。しかし今回の指定は「FDAが医薬品開発に積極的にかかわるという申し出」だとカーリン氏は説明した。

オーストラリア出身でロンドンを拠点とする実業家がドーピングを容認する総合大会を2024年に計画しているとAP通信が26日、報じた。薬物検査がなく、五輪を模した「エンハンスト(強化された)・ゲームズ」と称する同大会のアーロン・デスーザ会長は「人間の潜在能力を解き放つ」ことにより「全ての世界記録を消し去る」としている。 エンハンスト・ゲームズは、公式サイトでウサイン・ボルト(ジャマイカ)の持つ陸上男子100メートルの世界記録を破る選手を見届けるよう、呼びかけている。大会は陸上、水泳、重量挙げ、体操に格闘技の5競技で構成されるという。 こうした動きには既に批判が集まっており、オーストラリア・オリンピック委員会は「危険かつ無責任。スポーツはクリーンである必要があり、全てのアスリートにとって安全である必要がある」と断じた。(共同)

タイのアヌティン・チャーンビラクル保健相=2月8日、タイ・ノンタブリ県/Sakchai Lalit/AP (CNN) タイ政府は家庭での大麻栽培を認める新ルールの制定を記念して、6月に大麻草100万本を全土の世帯に無料で配布する。保健相がフェイスブックへの投稿で明らかにした。 タイのアヌティン・チャーンビラクル保健相は8日の投稿で、大麻草を自家栽培の作物のように育ててもらいたいと表明した。 6月9日に施行される新ルールに基づき、大麻草は地元自治体に届け出を済ませれば自宅で栽培できるようになる。ただし栽培できるのは医療用の大麻に限られ、免許がなければ商業目的で大麻を使用することはできない。 タイは大麻を換金作物として普及させる計画を推進しており、2018年には東南アジアの国として初めて、医療用大麻を合法化した。 大麻に関する自治体の条例も緩和されている。飲料メーカーや化粧品会社は昨年、消費者

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