諸外国に後れを取る日本のICT産業。その発展を担うICT人材不足も深刻だ。企業や行政は、どのようにして優秀なICT人材を育成すべきだろうか。「天才プログラマー」との呼び声もあるソフトウェアおよび通信ネットワーク研究者であり、「シン・テレワークシステム」の開発者でもある登 大遊氏に話を聞いた。 ソフトウェアおよび通信ネットワーク研究者。SoftEtherVPNを開発・製品化・オープンソース化し、全世界に500万ユーザーを有する。外国政府の検閲用ファイアウォールを貫通するシステムの研究で、筑波大学で博士(工学)を取得。2017年より独立行政法人情報処理推進機構(IPA)サイバー技術研究室を運営。2020年にNTT東日本に入社して特殊局を立ち上げ、シン・テレワークシステムを開発。ソフトイーサを17年間経営中。筑波大学産学連携准教授 テレワーク難民を救った「シン・テレワークシステム」 新型コロナ

情報科学若手の会とは、情報科学に携わる学生、若手研究者、エンジニアのディスカッションと交流の会です。NTT東日本特殊局員の登氏が政府に配布停止要請されたVPNソフトの話など、シン・テレワークシステムの開発のもととなった数々の経験を開発秘話として講演しました。今回は登氏がNTT東日本に呼ばれるまでの経緯について。前回の記事はこちら。 村井研を真似た部屋を大学内に作る登大遊氏(以下、登):しばらくして、どうも他にすごい大学があるという噂が回ってきました。「SFCの村井先生の研究室はすごいらしい」と。みんな知らなかったんのですが、ちょっと筑波大の学生が夜中に見学しに行ったら、あそこはすごいと。「村井研はすごい」と。 こういうものを作りたくて、我々も真似しようとヤフーオークションや大学廃棄で大量機材を持ってきました。あとは、先ほどの国のお話とかでの収益と、SoftEtherも売れていたので収益があ

IPA のけしからん技術が再び壁を乗り越え、セキュアな LGWAN 地方自治体テレワークを迅速に実現 2020 年 11 月 3 日 (火) 独立行政法人情報処理推進機構 (IPA) 産業サイバーセキュリティセンター サイバー技術研究室 登 大遊 独立行政法人 情報処理推進機構 (IPA) 産業サイバーセキュリティセンター サイバー技術研究室は、このたび、できるだけ多くの日本全国の地方自治体 (市町村・県等) の方々が、LGWAN を通じて、迅速に画面転送型テレワークを利用できるようにすることを目的に、J-LIS (地方公共団体情報システム機構) と共同で、新たに「自治体テレワークシステム for LGWAN」を開発・構築いたしました。本システムは、すでに 8 万ユーザー以上の実績と極めて高い安定性 を有するNTT 東日本 -IPA 「シン・テレワークシステム」をもとに、LGWAN

2020.08.27 スキル 2020年4月21日、NTT東日本と独立行政法人情報処理推進機構(以下、IPA)は、新型コロナウイルスの流行によって在宅勤務を強いられている人々を支援するため、無償かつユーザー登録不要で利用できるシンクライアント型VPN『シン・テレワークシステム』の提供を開始した。 このシステムを構想からわずか2週間あまりでリリースに漕ぎ着けた中心人物こそ、今回紹介する登大遊さんだ。 登 大遊(のぼり・だいゆう)さん 1984年兵庫県生まれ。2003年に筑波大学に入学。同年、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「未踏ソフトウェア創造事業 未踏ユース部門」に採択、開発した『SoftEther』で天才プログラマー/スーパークリエータ認定を受ける。17年、筑波大学大学院システム情報工学研究科博士後期課程修了。博士 (工学)。現在、IPAサイバー技術研究室長のほか、ソフトイーサ株

新型コロナウイルスの流行を機に、NTT東日本が開発し無償提供しているテレワークシステムが好評だ。自宅のパソコンから安全に職場のネットワークに入れるシステムで、利用者はすでに3万2千人を超えたが、驚くべきはこのシステムがわずか2週間で開発された点だ。携わったのは同社が4月にヘッドハンティングした登大遊(のぼりだいゆう)さん(35)。業界では名の知れた天才プログラマーだ。 「短期間で作ったシステムだが、大きな事故はない。今後のシステム開発にとって大きな価値になる」 そう語る登さんは、小学生でプログラミングを始め、高校時代にはプログラミングに関する著書を出版。筑波大在学中に開発した独自のVPN(仮想プライベートネットワーク)システムで平成19年に経済産業相表彰も受けた。今も同社に籍を置きつつ、筑波大准教授や自ら起業したソフトウエア会社の代表も務める。 国のサイバーセキュリティー研究の中核を担う独

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