日本人類学会・日本考古学協会・日本文化人類学会は、近年問題視されているアイヌヘイトの言説に関して、以下の共同会長声明を発出しました。本声明の執筆にあたっては、佐藤桃子先生(理化学研究所)より貴重なご助言をいただきました。(2025.12.15) The presidents of the Anthropological Society of Nippon, theJapanese Archaeological Association, and theJapanese Society of Cultural Anthropology have issued the followingjoint statement regarding the recent increase in hate speech against theAinu people. Dr. Momoko Sato (

ことし7月、私は新潟県立文書館を訪れた。「戦後80年」の取材で、終戦前後に作成された公文書を閲覧するためだ。一番の目当てだった「新潟への原爆投下計画に関する資料」は見つからなかったものの、開示された一覧を眺めていると、見慣れないタイトルの文書が目についた。 「連合軍進駐関係綴 秘」 終戦後、日本に進駐したアメリカなど連合軍に関する資料だ。作成したのは新潟県警津川警察署。600ページもある。試しに開くと、一部に驚くような内容が書かれていた。 連合軍兵士を相手にする「慰安婦」。つまり性接待に関する詳細な記録だった。 当時の日本政府が、米兵らによる性犯罪の増加を恐れ、彼らの相手をする場所「慰安施設」を全国各地に設けたことは知られている。だが、地域の警察によって作成された具体的な文書は、専門家によると非常に珍しいという。 読み進めていくと「女性を差し出して難局を乗り切ろう」とした日本の官僚らの姿勢

マレーシアでの高市早苗首相の行為が話題になっている中、せっかくなのでマレーシアの教科書の記述を紹介ー禍転じて福となすべく、歴史を直視したい 一方、2025年10月26日、首相に選出されて初めてマレーシアを訪れた高市早苗首相がクアラルンブールの日本人墓地で慰霊碑に献花し「先人を慰霊」した後、二度の大戦やマレーシアの独立闘争で亡くなられた兵士や市民のための国家記念碑を訪問し、歴史に思いを馳せたとXに投稿しました。 これに対し、海外からも「なぜマレーシアの兵士や民間人が第二次世界大戦で命を落としたのか?それは日本の侵略と占領に対して戦ったいたからだ」「日本が行った残虐行為については一切触れられていない?」「犠牲者を無視しながら侵略者に敬意を払うことは歴史に対する不敬」などのリプが投げられ、日本人からの戦時中の指摘も並びました。 前回のアジア教科書の紹介では、マレーシアは記述が多かったせいもあり取

世界遺産歩きを始めたわけではない。ただ、グレート・ジンバブエについては国の名前にもなったことに加え、その考古学的な検証をめぐっては人間の業の深さを浮き彫りにした。だから訪ねてみようと思った。ちょうど
*この記事は2020年に作成した記事を再掲しております。 2020年、週刊SingaLife誌上で連載していた「リー・クアンユーのヒストリー」。2020年末に全30話の連載を終えました。 リークアンユーは幼いころから英語教育を受け、ケンブリッジ大学を主席で卒業するほど優秀でした。その後シンガポール初代首相として、1965年8月9日のシンガポールの独立以来、現在のシンガポールの礎を築きました。シンガポール国民の多くからは「建国の父」と慕われていました。 リークアンユーは2015年3月23日に死去しましたが、10年が経った今でもシンガポール国民の多くは功績をたたえています。 シンガポール国内での資源が少ないため、外国との貿易に力を入れ、国際貿易が発達しました。町を綺麗に保つために「ゴミのポイ捨て禁止」「ガムの所持の禁止」もリークアンユーの政策からなるものです。まさに彼なくして、現在のシンガポー

1940年の帝国議会で日中戦争を批判し、議事録から大半が削除されたままとなっている斎藤隆夫元衆院議員の「反軍演説」を巡り、自民党が全文を復活させる方向で検討していることが分かった。会合などで度々演説に言及している石破茂首相の思い入れを反映しているとみられ、野党との調整に入った。複数の関係者が30日、明らかにした。 衆院によると、不適切発言などを理由に国会の議事録から削除された部分を元に戻した前例はない。議長の諮問機関である議会制度協議会で対応を協議することになるという。 首相は戦後80年に当たり、先の大戦に関する見解を10月4日の自民総裁選後に発表する意向をにじませている。「政治はいかなる役割を果たし、いかなる役割を果たさなかったか」などの論点を盛り込むと説明している。 野党では、立憲民主党の長妻昭前代表代行が議事録の復活を主張している。社民党の福島瑞穂党首らも賛同している。 首相は講演な

【北京時事】中国で18日に公開された旧日本軍の関東軍防疫給水部(731部隊)が題材の映画「731」を巡り、SNS上で酷評が相次いでいる。 【写真】中国の映画興行アプリ「猫眼専業版」に掲載された映画「731」関連情報 シリアスさに欠ける展開や現実離れした演出に「犠牲者への敬意がない」と怒る「愛国者」も。映画は7月に公開延期となった経緯があり、事前の期待値が高かっただけに失望も大きいようだ。 731部隊は、戦時中に中国東北部で細菌兵器開発や人体実験を行ったとされる。映画は、日本軍に捕まり部隊の収容施設に連れて来られた中国人男性が他の捕虜たちと共に脱走を図る内容だ。細菌感染や凍傷実験の残虐なシーンも盛り込まれている。 一方で、収容所内の廊下でおいらん道中が行われたり、「必勝」と書かれた鉢巻きにふんどし姿の部隊関係者がいたりと、荒唐無稽な描写が随所に。史実ではあり得ない女性の幹部兵士も登場する。

連合国の失われた大義(れんごうこくのうしなわれたたいぎ、英:Lost Cause of the Confederacy)、または単に失われた大義(The Lost Cause)とは、アメリカの偽史的[1][2]、否認主義的なイデオロギーであり、アメリカ南北戦争中の連合国の大義は正義と英雄的なものであったと主張するものである。このイデオロギーは、戦争前の南部の美徳を支持し、戦争を主に南部の生活様式を保存するための戦い[3]、または圧倒的な "北部の侵略"に直面して "州の権限"を守るための戦いと見なしている。同時に、「失われた大義」は、戦争への進展と勃発における奴隷制の中心的な役割を最小限に抑えるか、あるいは完全に否定している。 南部の白人の多くは、1865年の敗戦によって、3通り、すなわち経済的、感情的および心理的に打撃を受けた。南部白人はその敗北を自分達の力の及ばない要因や、彼等の英雄や
9月1日のコラムで<台湾で機密解除 抗日戦争戦場での手書き極秘報告集が暴く「中共軍と日本軍の生々しい共謀」記録発見>と書いたが、この機密解除された同じ記録から、抗日戦争中、中共軍は日本軍と水面下で「不可侵条約」を結んでいたことが判明した。記録の時期は1940年12月。 また、7月10日のコラム<習近平、BRICS欠席して抗日戦争「七七事変」を重視 百団大戦跡地訪問し「日本軍との共謀」否定か>で、毛沢東が上海にある日本の外務省管轄の岩井公館に潜り込ませたスパイ藩漢年に「華北一帯における中共軍と日本軍との停戦」を依頼していたことを証拠物件となる図表付きで示した。それを証明するかのように、台湾の軍事機密資料の中の一つには「江蘇省一帯における中共軍と日本軍の間の不可侵条約が結ばれていた」ことが記録されている。 ふしぎなのは、その現象の一つとして「中共軍が日本軍の代わりに綿花を購入運搬し、その見返り

敗戦から80年の今年、加害の歴史を正当化したり、事実そのものを否定したりする言説が目に付く。日本軍事史や天皇制論が専門の明治大学平和教育登戸研究所資料館(川崎市多摩区)の館長で明治大学教授の山田朗さんに聞いた。(構成・柏尾 安希子) -最近、南京大虐殺の否定論を目にする。 「南京大虐殺がなかったという話は古くからあり、さまざまな証拠を挙げて批判されても、繰り返されてきた。そうして事実を否定する人たちは、歴史の真実を明らかにしようとしているわけではなく、それにかこつけて自分たちの主張がしたいわけで、どれだけ批判されても考えを改めることは一切ない。そして、一部分でも否定できれば全体が否定できるというのが、歴史修正主義の一つの特徴だ」 「だからこれは、歴史学の議論ではなく、明らかに政治的な動きだ。日中関係が悪くなると、『中国の言うことは信用ならない』という政治的主張の一環として、『大虐殺という大

8月7 塩出浩之『琉球処分』(中公新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 琉球王国が明治政府の政策によって琉球藩にされ、さらに沖縄県とされた琉球処分という出来事については多くの人が知っていると思います。 しかし、教科書の記述に出てくるのは明治政府が何をしたかということだけであって、琉球側がそれにどのように対処したのかということはほとんど書かれていません。1つの「国」が消えたという大きな出来事だったにもかかわらずです。 このように今まで日本側からしか語られてこなかった琉球処分について、琉球側からの視点も取り入れて語っているのが本書の大きな特徴です。 本書を読むと、琉球側が激しく抵抗し、清などの諸外国を巻き込みながら、外交交渉のロジックにおいてはときに日本側を打ち負かしていたこともわかります。 また、琉球処分前の琉球のあり方を掘り起こすことによって、朝鮮においても問題となった中国を中心とする
女性自身TOP > 国内 > 社会 > 櫻井よしこ > 櫻井よしこ氏「南京大虐殺はなかったことが証明済み」発言に疑問続出…専門家は「あったと結論が出ている」と否定 《今、被爆者の方々の平均年齢は86歳を超え、国民の多くは戦争を知らない世代となりました。私は、広島平和記念資料館を訪問した際、この耐え難い経験と記憶を、決して風化させることなく、世代を超えて継承しなければならないと、決意を新たにいたしました》 8月6日に広島市で行われた、平和記念式典でこう語ったのは石破茂首相(68)。1945年8月6日に広島、9日に長崎に原子爆弾が落とされ、15日に終戦を迎えてから今年で80年。戦争経験者は年々減少し、戦禍の記憶が風化していくことが危惧されているなか、驚きの発言が飛び出した――。 8月4日の「産経新聞」朝刊1面に、「反日宣伝に手貸すのか」と見出しが打たれたジャーナリスト・櫻井よしこ氏(79)のコ

静岡県立大国際関係学部の剣持久木教授を中心とする歴史学者など14人の研究チームが7月、日本、韓国、中国、台湾などの研究者と協力し、東アジアの歴史について共同展示する「東アジア共通歴史博物館」の設立を目指す国内初の活動を開始した。2026年3月までに研究者や大学生などに視聴者を限定したオンライン展示を開始し、数年かけて実物の巡回展示を実現、将来の常設展示を目指す。 研究チームは、植民地支配にかかわる日本の負の歴史を含め、古代から現代までの東アジアの歴史を若い世代にどう伝えていくかを中心テーマに据えている。戦後80年を迎えて「記憶の継承」が課題となる中、日中韓の3カ国それぞれが自国中心の歴史観を克服して、歴史を幅広く伝えていくことが最終目標となる。 フランス近現代史を専門とする剣持さんは、欧州で敵国同士だった国の歴史学者が協力し、自国の視点を超えた博物館を築いている姿をみてきた。 仏北部の第一

町工場のものづくりに生きる職人たちをテーマにした小説やノンフィクションを手がける東京都大田区の作家、小関智弘さん(92)は、現在の羽田空港(大田区)にあった「産業戦士用慰安所」について文献から掘り起こし、小説「羽田浦地図」(1982年発行)の題材とした。戦争や国策に翻弄(ほんろう)され「性の防波堤」とされた女性たちや、日の当たらない「裏側の人々」を描いた思いを聞いた。【聞き手・西本紗保美】 <同時公開の関連記事あります> 「昼はお国のため、夜は男のため」 産業戦士用「慰安所」の幻影 米兵の車の長い列 <玉音放送からわずか2週間後の8月28日、米占領軍向けの特殊慰安施設協会(RAA)第1号が小町園で開業し、一般女性を守る「性の防波堤」という大義名分の下、風俗産業の女性や働き口を求める女性を募集して米兵の相手をさせた。毎日新聞にも9月3日、「衣食住及高給支給、前借ニモ応ズ」などとうたう「特別

この間の参院選でも争点の一つとなっていた税金。 税金。できれば払いたくない。でも、社会を維持するには欠かせない。そんなジレンマを抱えつつ普通に給料天引きされていたりして、なんとも難しいテーマです。 今回は、日本に存在する様々な税金について、その税金がいつ、どのように、何のために徴収されるようになったのか。 その経緯をまとめてみました。 わが国の税金 日本においては、税金は大きく国税と地方税に分けることができます。 日本国全体を統治しているシステムと、各地域を統治しているシステム(都道府県とか市町村とか)があって、それぞれが税を徴収しているのです。 ザックリした考え方としては、所得税や消費税、相続税など、日本で生活する上での原則的な税金が国税。 固定資産税、自動車税、たばこ税など、個人差があるものには地方税が課せられています。 国税は、外交、防衛、司法、国家的インフラみたいな日本全体に関わる
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