朝日新聞は「熱中症の発症」を報じなかった さてこうなると主催の朝日新聞が読みたくなる。高校野球を汗と涙と青春の美談祭りで報道してきたからだ。ビジネスにも利用してきた。 美談は行き過ぎると偽善になる。具体例として朝日新聞の偽善を挙げると、当コラムでは2018年に『高校野球「熱中症で力尽きたエース」記事が朝日新聞に見当たらない、という問題』を書いた。 西東京大会決勝で投げた投手が試合後に脱水症状を伴う熱中症を発症した。9回途中まで154球を投じたが試合後に全身に痛みを訴え、救急車が神宮球場のグラウンド内まで入り都内の病院に搬送された。当然ながら新聞ではこの件は大きく扱われた。サンスポは「力尽きたエース…熱中症で救急搬送 」。日刊スポーツは「154球……熱中症 救急車で搬送」。一般紙も毎日、読売、東京新聞が伝えた。しかし、朝日新聞はこの事実を報じなかったのである。 東京版では決勝戦を2ページにわ

SNS告発が導いた「辞退」 8月10日、夏の甲子園2回戦を前に広島・広陵高校が出場辞退を発表した。SNSで批判の声が収まらないことを受けての決断だった。2005年には、夏の甲子園に出場が決まっていた高知・明徳義塾高校が、暴力問題と喫煙の発覚により大会2日前に出場を自粛したケースがあったが、大会出場中の辞退ははじめてのことだ。 今回の騒動は、タイミングが悪かった側面もあるが、広陵高校側の対応が後手に回った結果とも言える。以下、事実関係を整理して今回の問題を考えていこう。食い違う事実関係と別の事案 問題が表面化したのは、7月23日のことだ。広陵高校の元生徒の保護者とされる人物が、SNS(Instagram)で告発をした。 それは、今年1月に当時1年生の生徒がカップラーメンを食べたことを理由に、10人以上の2年生(現3年生)に正座をさせられ、100発を超える殴る蹴るの暴力を受けたという内容だっ

ほとんど使われていない防衛省の基金に、巨額の予算が積み増されている問題について、立憲民主党は4日の衆院予算委員会で、政府が新年度当初予算案に盛り込んだ400億円を削除するよう要求した。政府は削除には…

「NHKから国民を守る党」(立花孝志党首、N国)について、X(旧ツイッター)で「反社会的カルト集団」などと投稿したのは名誉毀損(きそん)だとして、N国が投稿者に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(阿部…

「ものすごく悪意を感じます」 蓮舫氏といえば過去最多の56人が立候補した東京都知事選(7月7日投開票)で、現職で再選した小池百合子氏に敗れ、3位に終わったばかり。 問題視されているのは、都知事選をめぐり朝日新聞デジタルが9日に配信した記事「立憲、無党派層へ浸透急務 蓮舫氏、石丸氏にも及ばず 都知事選」に掲載された蓮舫氏の写真だ。小池氏の当確後、報道陣の取材に応じていた際のバストアップ姿だ。 画像は荒く、加工で顔のシワを鮮明にしたのではないかとの指摘がXで出た。その後、輪郭の柔らかい写真に差し替えられると、これらを比較する形でも騒ぎが広がる事態に。なお、投開票日の7日に配信された記事にも多数の写真が掲載されていたが、問題視された写真は見当たらなかった。 問題の写真に対しては「わざとやってる」「ものすごく悪意を感じます」と批判が少なからず上がり、シワを描き加えたのではないかとの疑惑も。ただ、悪

国が生活保護費の基準額を2013~15年に最大1割引き下げたのは違法だとして、三重県内の受給者が自治体の減額処分の取り消しを求めた訴訟の判決が22日、津地裁であった。竹内浩史裁判長は減額の背景に「自…

差別はあってはならない。そう言いながら差別に居直る発言を繰り返し、他者をあおっている国会議員が、放置され続けている。とうに個人の資質の問題ではない。岸田首相や自民党は、差別扇動者と決別する意志を示す…

今なお、アメリカをひっくり返す力を持っているのか、Qアノンの暴走によって命脈を絶たれつつあるのか…ドナルド・トランプをめぐる勢力図はイマイチ外国からはわかりづらい。 まあそれが現在進行形であれ過去の話であれ、トランプ支持者の実態をルポした金成隆一・朝日新聞記者の 「ルポ トランプ王国」 ルポトランプ王国――もう一つのアメリカを行く (岩波新書) 作者:金成 隆一岩波書店Amazon 「記者 ラストベルトに住む」 記者、ラストベルトに住む トランプ王国、冷めぬ熱狂 作者:金成 隆一朝日新聞出版Amazon 両方のルポとも大変面白く、貴重なジャーナリズムの記録となっている。 関連の紹介記事を何度か書いた。togetter.com 「テレビに映るカリフォルニア、ニューヨーク、ワシントンは、オレたちとは違う。あれは 偽のアメリカだ。ルイ・ヴィトンのカバン? サックス・フィフス・アベニュー(ニュ

今年も「報道の自由度ランキング2022」が公表されました。 rsf.org これは毎年、国境なき記者団(RSF)が発表する、各国のジャーナリズムの自由度を公表するものです。 ところが、日本の報道機関は、あまりこれを正確に伝えていません。 各紙ひどいといえばひどいんですが、特に朝日は突出していて、2018年の「報道の自由度ランキング」の記事から、「記者が「反愛国的」なことを書くと「SNS上で攻撃される」」という内容のみを金太郎飴のように毎年書き続けています。RSFが毎年指摘している「スポンサーのご機嫌うかがいによる自己検閲」や「記者クラブの排外的課題」についてはいっさい書こうとしてないんですね。「報道の自由度ランキング」について書けば書くほど、日本の「報道の不自由さ」が明るみに出るという、なんとも残念なおはなしになっているわけです*1。 そんな感じなので、5月3日にRSFが今年のやつを公表し
【試し読み】書店員さんから大反響! 精神疾患を抱えた妻の介護と仕事…約20年にわたる苦悩の日々を綴った傑作ルポ『妻はサバイバー』妻に異変が起きたのは結婚4年目、彼女が29歳の時だった――。2022年4月20日に発売された、朝日新聞記者・永田豊隆さんのルポルタージュ『妻はサバイバー』。朝日新聞デジタルで連載中、100万PV超の大きな反響がありました。単行本化にあたり、連載のその後の日々を綴られていますが、発売前のゲラを読んだ書店員さんからも大きな反響がありました。病に苦しむ妻が、「私みたいに苦しむ人を減らしてほしい」といった言葉が、本書執筆のきっかけとなったと永田さんは綴っています。 4月18日から28日まで行った期間限定全文公開は終了しましたが、期間中たくさんの方にお読みいただき、様々な感想をいただきました。本当にありがとうございました。「むしろ反面教師にしてほしいところも」ある、「ルポ

リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く