「サッカーってほら、ファンの人が怖いじゃない」サッカーをほとんど観戦したことがない知人の女性が、サッカーの印象としてこう語っていたことがあります。 自分は実際にスタジアムに行ってるし、他の怖くないサポーターを多く知っているので、彼女の印象が必ずしも正解ではないことを知っています。 しかし、定期的にサポーター同士の諍いや、チームとサポーターのトラブルが起きているのも事実であり、そのたびに、「Jリーグでまたトラブル」的な見出しで報道されることも知っています。なので、彼女の印象はある意味正解と言わざるを得ません。 他のスポーツでは、サッカーほどファンのトラブルというのは起きてないように見えます。ファン同士のSNS上での諍いはよく目にしますが、少なくとも、選手のバスを囲んだり、試合後にスタジアムに居残って監督と選手に説教したり、発煙筒を焚いたりはしません。 なぜ、サッカーでは頻繁にこういうことが

高市早苗首相は大相撲の土俵上で優勝力士に内閣総理大臣杯を授与できるのか-。初の女性首相誕生で「女人禁制」とされている国技の伝統が改めて注目されそうだ。 関係者以外上がれぬ大正期日本相撲協会の前身となる組織が誕生したのが大正14年。女人禁制の歴史に詳しい慶応大の鈴木正崇名誉教授(文化人類学)によると、当時は性別を問わず力士や行司ら関係者以外は土俵に上がれなかったという。政治家が土俵に上がることが増えたのは、昭和43年の総理大臣杯創設からだ。鈴木氏は「当時は女性首相の誕生など想定すらされていなかっただろう」と指摘する。 森山官房長官の断念、救命措置…社会で女性活躍が進むにつれ、女性初の官房長官となった森山真弓氏が平成2年、総理大臣杯の授与を断念するなど土俵を巡る問題が浮き彫りになった。30年の京都府での巡業で、あいさつ中に倒れた男性市長の救命措置で土俵に上がった女性が下りるように求められたこ

(2025年10月5日更新:カザフスタン、バングラデシュ、ウズベキスタン、シンガポールを追加) 万博。開幕まではほとんど興味ありませんでした。 でもよく考えてみると、これは世界中の人たちと直接会って話せる絶好の(というか、たぶん最初で最後の)チャンス。 なので、この国の人にはこれを聞いてみたい・・・と前から思っていたことをたずねてみました。 質問日:2025年4月21日、5月13, 27日、9月25日 ※ここに書かれているすべての「回答」は、応えてくださった方個人の意見であり一般化できないものであることをお断りしておきます。 目次 目次 カザフスタン - 中央アジア最大かつ最も裕福な国のもつ「兄弟」意識 バングラデシュ - パキスタンと分離して正解だったと思うか ウズベキスタン - サマルカンドの国で「ザナルカンドにて」は知られているのか シンガポール - 建国の父リー・クアンユーは今も尊

1. 概要 「アメリカ人はなぜDIYをするのか」という問いに対し、日本における一般的な説明はほぼ定型化している。すなわち、アメリカでは「まず自分でやってみる」ことが当たり前であり、巨大なホームセンターやプロ仕様の設備が整っているため、DIYが文化として根付いているというものだ。また、「家は資産であり、修繕は価値維持の手段である」といった経済合理性の説明も頻繁に用いられる。そして最終的には、「できるかどうかではなく、まず挑戦する」という精神主義的結論に帰着することが多い。 しかしながら、これらの説明はいずれも「なぜDIYをやらなければならないのか」という根源的な問いを回避している。この欠落こそ、アメリカ社会におけるDIY文化の実像を理解するうえでの重要な手がかりとなる。筆者はアメリカで生活した経験から、DIYが必ずしも「嗜好」や「文化的価値」として広く内面化されているわけではないことを実感し

先週末、ロジャーズ・コミュンケーションズ〔カナダの大手通信企業〕の前CEO、ナディル・モハメド(Nadir Mohamed)が亡くなったという悲しいニュースが入った。モハメドは、カナダを代表する大物の1人だった。私自身は彼と知り合いだったわけではない。だが一度だけ、病院の待合室でたまたまモハメドと一緒になる機会があった。それは、私が機会がある度に語りたくなるような、大変愉快なエピソードであった。以下の文章は10年前、ワルラス誌(The Walrus)に掲載されたものだが、ワルラスのウェブ版はひどい出来なので、ここで再掲してもよいだろう。(念のため言っておくが、この記事のエピソードは10年以上前の話であり、モハメドの死因となった病気とは無関係である。) ナディルと私:待合室での「強制的連帯」 去年の夏、私は「カナダ的な場面」に出くわした。それはトロントの病院の待合室でのことだった。待合室は殺

この記事は“中国、脱「超高層ビル」都市開発で方針転換”というニュースの解説です。 【北京共同】中国の習近平指導部は共産党・政府の高官が都市開発について議論する「中央都市工作会議」を北京で10年ぶりに開き「超高層ビルの建設を厳格に制限する」方針を示した。急速に経済発展した中国は高層ビルの建設を世界と競ったが、必要性への疑問や安全面の懸念が噴出。不動産不況を経て方針転換を明確にした。中国、脱「超高層ビル」 都市開発で方針転換この方針変換の裏側には「高層マンションはいずれスラム街となるだろう」という予測があります。中国では急激な経済発展のもとで都市化と不動産開発が加速、20階建て以上のタワーマンションの建築ラッシュが発生しました。 しかし、こうした高層住宅が将来的に「都市型スラム」へと変貌する可能性が指摘されています。 2019年の「予言」以下は2019年に発表された、スラム化する高層マンシ

2024年12月3日、戒厳令の夜 「韓国、戒厳令?っていうのが出されたらしいよ」 夜11時半、「寝る前に何の変な冗談いうの」と言う私に、彼女がテレグラム(メッセージアプリ)のチャンネルからロシア語の速報を見せてくれました。頭の中が、はてな、はてな、はてなだらけになり、絶対に北からの攻撃があったと思って、韓国の家族のことを思いながら、大統領の戒厳令宣布の動画をクリックすることで始まった、12月3日の狂気。韓国大手メディアや独立系メディアが、YouTubeで緊急生中継で映すソウル市内と国会の様子を見ながら、「おかあさん、おかあさん」と焦って韓国の母に電話をしても、向こうは出ず。警察によって封鎖されている国会議事堂の正門と、その警官たちを囲んで抗議する市民たち、そして警察の目が届かない所で塀を越えて国会の中に入っていく国会議員たち。戒厳令を解除できる権限を持った国会を、その戒厳令を使って封鎖し

どうせ「オタクの終活」というならば、葬儀でもオタ活したい。戒名に“推し”を入れたい。 俺が死んだら、ハードディスクは中身を見ずに処分してくれ――そんな定型文が生まれるほど、「オタクの終活」といえば集めたデータやグッズの話題が多いです。 確かに、死後のグッズの行方はもちろん心配ですが、しかし、それ以前に我々は葬儀について何も知らないのではないか。 ということで、本記事では葬儀で必要になる「戒名」に焦点を当て、法具による演奏でクリスマスを祝う動画等をニコニコへ投稿しているリアル住職、蝉丸Pさんにインタビューしました。 そもそも戒名とは何なのか? なぜ戒名代は高額なのか? 「自分はこんなオタクだったんだ」、「私はこのコンテンツが好きだったんだ」と伝えられる戒名を付けることは可能なのか? 『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のあのキャラに戒名を付けるなら? 『涼宮ハルヒの憂鬱』、『新世紀エ

アーカイブの危機とメンテナンスの大事さ 2025.01.15 Updated by yomoyomo on January 15, 2025, 13:09pm JST 無駄に長くネットで文章を書いていると、自分の中にあるネットに関する常識が、時代に合わなくなっているのに気付くことがあります。 例えば、こうした技術コラムを書くのであれば、(Googleと名前を出すたびにGoogleのトップページにリンクをはるようなやり方は過剰としても)必要に応じて他のサイトのページにリンクすべきであり、参照リンクがウェブにおける説明責任を担保し、元の文章の主張を補強するのが当然のように考えてきました。 昨年末、某セキュリティベンダーの技術ブログがいつの間にかパパ活ブログに変わっていたのに驚く投稿をしたところ、意図せずバズり、結果やじうまの杜やITmedia NEWSに取り上げられました。これはいわゆる「ド

1967年、モンキー・パンチが生み出した「ルパン三世」は、現在アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、韓国ほか8つの国と地域で、現地の言語に翻訳され出版されている。さらに日本で1971年からスタートしたテレビシリーズ、劇場用作品、テレビ用長編スペシャルなどを含むアニメ版は、アメリカ、イギリス、イタリア、フランス、ロシア、中国、韓国、台湾など20の国と地域で上映、放送、配信、ソフト販売などの展開が行われている。劇中のルパン一味よろしく、まさに世界を股にかける活躍ぶりなのだが、実は中でも絶大な支持を得ている国がイタリアである。 今回、ナタリーではTMS ENTERTAINMENTEUROPE S.A.Sの田原亜紀子氏と、イタリア文化に造詣が深いラジオDJ・翻訳家である野村雅夫氏の2人にインタビューを実施。なぜルパンはイタリアで人気なのか? その秘密を両者の発言から紐解いていく。 取材・文 /

「笑う」ことは心身のリラックスやストレスに効果があることが科学的に証明されており、健康的にも笑うことが推奨されています。 一方で「どんな理由で笑うか」は結構センシティブな話題で、人種やジェンダー、宗教、特殊な身体的特徴をあげつらって笑ったことで、毎日どこかで誰かが炎上しています。笑うという行為は、いかなる理由があってもしてはいけない、という極端な主張がなされた時代もありました。 今回は歴代の「笑い」に反対する哲学者の主張を時代を追ってみていきたいと思います。 1. 反お笑いの元祖プラトン 古代ギリシア人は大変お笑い好きな人たちでした。 喜劇役者、道化師、コメディアン、伴食者など笑いを専門にする職業も多彩にあったそうです。特に人々が好んだのが劇場で見る喜劇。著名な喜劇詩人、エウリポスやクセルナルコス、アリストファネス、息子のニコストラトスの作品は現代でもいくつも残っていて、今読んでみると、声

先月、ヴィジュアル系バンドのライブに行ってきた話をしました。そこには様々な服装をした人たちがいてすごく素敵な空間だったということを書きました。 よく日本の人たちと服装の話をすると、私の地元は日本の人には「海外の方が服装に寛容である」と思われているようなのですが、その実態について語りたいと思います。 地元で数少ないゴスパンクだった私中学生だった私は日本に一時帰国しては親にPUTUMAYOや時にh.Naotoのお洋服を買ってもらっていた。まずゴスパンクに転向した時、冷たい言葉を浴びせられたのは確かに日本人からだった。同級生たちはTシャツにアームカバーをつけた私を見て「セクシーすぎるー!」と、どちらかというと興味津々だったのだが、校長先生からは「どこで買ってくるのかしらね、あんな服」と言われ、担任からは「まあ2学期になってみたら首輪つけてる人(私)もいればですね…」と始業式に嫌味を言われた。 一

村上春樹の作品『ダンス・ダンス・ダンス』には、「文化的雪かき」という表現が登場する。 彼女から月面の絵はがきが届いた一週間後に、僕は仕事で函館に行くことになった。例によってあまり魅力的とは言いがたい仕事だったが、僕は仕事のよりごのみが出来るような立場にはなかった。それにだいたい僕のところに回ってくるどの仕事をとってみても、そこにはよりごのみをするほどの差はないのだ。幸か不幸か一般的に物事というのは端っこに行けば行くほど、その質の差が目立たなくなってくる。周波数と同じことだ。あるポイントを越してしまうと、隣接する二つの音のどちらが高いかなんて殆ど聴きわけられないし、やがては聴きわけるまでもなく何も聞こえなくなってしまう。 それはある女性誌のために函館の美味い食べ物屋を紹介するという企画だった。僕とカメラマンとで店を幾つか回り、僕が文章を書き、カメラマンがその写真を撮る。全部で五ページ。女性誌
秋田に暮らす元マタギの男性が、ふとしたきっかけでゲーム機を手にし、シューティングゲームのすご腕スナイパーとして世界中のプレーヤーと戦う物語「マタギガンナー」。漫画雑誌「モーニング」で2022年から連載され、1巻は刊行直後に重版。単行本は現在までに10巻が刊行されている人気作です。 作画を担当するのはスペイン出身のフアン・アルバランさん(49)。もともとはアメリカンコミックの仕事をしていました。 日本で漫画を描くという夢をかなえるため、オンラインサービスを使って、みずからアシスタントとして売り込み、着色や背景などの作業を請け負うようになったといいます。 その後、実力が認められ、「マタギガンナー」連載のチャンスをつかみます。 連載開始当初はバルセロナに住んでいましたが、2023年、北九州市に移住しました。

アイドルのコンサートで使用するペンライトを持ってデモをする人々=ソウルで2024年12月6日午後9時20分、日下部元美撮影 「弾劾! 弾劾!」――。「非常戒厳」を宣布した尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する抗議デモで、爆音で流れるK-POPに合わせ、ペンライトを振る人たちの姿が注目を集めている。韓国におけるデモ文化の変遷について、韓国外国語大日本研究所の河昇彬(ハスンビン)招へい研究委員に聞いた。 ――韓国では、いつからデモで歌うようになったのでしょうか。 ◆まず、韓国人を表す言葉として「飲酒歌舞」が挙げられるように、昔から公共の場で歌ったり、踊ったりする文化がある。北朝鮮のニュース映像を見ても、市民がよく歌ったり踊ったりしている。朝鮮民族に刻まれているものだと思う。

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