ここのところ連続して90歳を迎えた老母の話を書いている。 mazmot.hatenablog.com mazmot.hatenablog.com ほかにネタはないのかと言われそうだが、ネタはある。ただ、タイミングを見計らっているうちにどんどん逃げていく感じで、記事にあげていない。それでもひとつは遠からず書くはず。 ともかくも、今回もその老母のことだ。相変わらず私は数日おきに顔を出して、買い物その他の日常のサポートをしている。だから、高齢者を抱えた世間の人々が経験している介護の苦労のようなものとは、いまのところ無縁だ。基本的な日常生活は、自立している。私の介助は必要としていない。この先、日常の動作が自立できなくなったら、そこからはかなりたいへんだろうと予想できる。だから、できるだけ自立を失わせないようにと、そこは心がけている。 それでも徐々に失われていくものはある。小さなことではある。たとえ
東京・国立市の住宅で、102歳の母親の首を絞めるなどして殺害した罪に問われている71歳の女の初公判が開かれ、女は起訴内容を認めました。小峰陽子被告(71)は去年7月、国立市の自宅で母親の小峰フクさん(102)…

意見陳述の練習をするミャンマー人技能実習生の女性。読みにくい漢字のある場所にはマーカーが引いてある=北九州市小倉北区で2025年7月26日、山下智恵撮影 福岡県の最低賃金(時給992円)の上げ幅を決める福岡地方最低賃金審議会で、介護現場で働くミャンマー人の技能実習生の女性(24)が31日、意見陳述をする。厚生労働省によると、技能実習生が直接意見陳述するのは全国初とみられ、最低賃金で働く技能実習生の現状を訴える。 審議会は労使双方が最低賃金に関する意見を述べる機会を設けている。今回は女性を支援する労働組合から「日本を支える労働者である外国人技能実習生の意見も聞くべきだ」との申し出を受け、実施を決めた。 意見陳述する女性は、北九州市内の高齢者介護施設で働く。日本のアニメが好きで高校時代から日本語を学び、大学卒業後は語学留学をして日本でミャンマー語を教えるのが夢だった。 だが、2021年に起きた

「もうここを出て、自由に暮らしたいけど、出られない」。関東地方の老人ホームに住む安藤照夫さん(69)=仮名=は、そう言ってうつむいた。安藤さんは「末期がん」ということになっているが、再発してから3年以上生きている。自分で歩くことができ、元気だ。 ところが、ホームでは散歩も自由にさせてもらえないという。 このホームは末期がんや難病の人を対象にした「ホスピス型住宅」と呼ばれるタイプ。運営会社は入居者へ訪問看護と訪問介護を提供しているが、安藤さんはほとんど必要性を感じない。生活保護を受けているため、全額が税金で賄われる。 家賃を含めるとその額は年間約800万円に上るとみられる。本人が望まない生活にこれだけのお金が投じられていた。なぜこんな不可解な状況が生じるのか。(共同通信=市川亨) ▽胃がんで入院、紹介された老人ホーム 「まともに外出するのは、ほぼ3年ぶりです」。4月の昼下がり。安藤さんはそう

ずっと更新していなかったブログを、金を払うのさえ忘れてしまってアドレスすら変わってしまったこのブログに新しくエントリを追加する気になったのは、どうも自分は死ぬらしい、と思ったからだ。 誤解のないよう付け加えると、今死にたいとか何か深刻な病気で、というわけでなく、なんとなく近々死ぬようだ、と思っただけなのだけど、そういう時に、このブログのことを考えると、ある程度は私という人間を司っている部分があったように思うし、読者の方々の声や存在に励まされたことも何度かあったから、このブログをそのままにして死んでしまうのも何だか落ち着かないというか、少し薄情な気がした、という理由である。 ご存知のように私は17年ほど鬱病を患っているのだが、最近になって精神障害者保健福祉手帳なるものの3級に認定された。申請することになった経緯については、今ひとつ覚えが悪いのだが、職を一つダメにして、主治医に見放されて、代わ

ことし1月に発表された精神疾患の患者数は推計603万人。 国が長期入院から地域でのケアへの移行を推し進めるなか、主な受け皿となっているのが“家族”です。今回、取材班は当事者や家族への取材に加えて「家族会」にアンケートを実施。 患者を支えることで家族の「心身」や「経済状況」にどのような影響があるのか。 「差別・偏見」を受けた経験や「求める支援」などについて聞きました。 (アンケートに寄せられた声) 「私が目をはなした隙に死のうとするので、目がはなせない」 母親(77) 娘(35)が統合失調症 「本人といると、うつになり、時々死んでもいいのかなと思ってしまう」 母親(74) 娘(47)がうつ病・不安障害 取材から見えてきたのは、負担を抱え込み追いつめられる現実でした。 “閉じる家族”の実情とは。 (報道局 社会番組部ディレクター 宮川俊武) 家族が翻弄され続ける現実 “その場をずっと耐えしのぐ

滋賀県野洲市で34年にわたって寝たきりの長男の介護を続けてきた82歳の父親が、自身の体調の悪化などから将来を悲観し、承諾を得た上で長男を殺害した罪に問われました。10日の裁判で、大津地方裁判所は懲役3年、執行猶予4年の判決を言い渡しました。裁判では、被告が周囲との接点がありながら頼らずに孤立していった状況が明らかになりました。 34年、奇跡を信じた父親 滋賀県野洲市の督永勝次 被告(82)。 去年12月、自宅で、介護を続けてきた50歳の長男の剛志さんを、本人の承諾を得た上で結束バンドや両手で首を絞めて殺害したとして、承諾殺人の罪に問われました。 被告による長男の介護は34年に及びました。 高校時代、強豪校でサッカー部に入っていた長男は、練習でランニング中にトラックにはねられ、脳挫傷の後遺症で寝たきりになりました。 16歳の時でした。 左手は自由に動かせるものの、ことばを発することができず、

名古屋市内の病院に入院していた85歳の母親の点滴に、市販のサプリメントを注射器で注入し、その後、死亡させたとして62歳の息子が傷害致死の疑いで逮捕されました。警察によりますと、調べに対し「母親の体調を回復させようとした」などと供述しているということです。 逮捕されたのは、名古屋市南区の無職 伊藤直行容疑者(62)です。 警察によりますと、ことし8月に名古屋市内の病院に入院していた母親の晴代さん(85)の点滴に水に溶かした市販のサプリメントを注射器で注入し、その後、誤えん性肺炎で死亡させたとして傷害致死の疑いが持たれています。 これまでの調べで、容疑者はインターネットで注射器とサプリメントを購入していて、点滴に注入する際に細菌が混入したとみられるということです。 看護師が点滴を交換する際に異物が混入しているのを見つけ通報したということで、警察が詳しいいきさつを調べています。 警察によりますと

イヌを飼っている高齢者は、飼っていない人と比べて認知症を発症するリスクが40%低くなっていたとする研究結果を東京都健康長寿医療センターなどのグループが発表しました。 東京都健康長寿医療センターなどのグループは、都内で2016年からおよそ4年間にわたって行われた65歳以上の男女1万1000人余りの疫学調査のデータを基に認知症の発症とペットの飼育が関連するかどうかを調べました。 その結果、イヌを飼っている人は飼っていない人と比べて認知症を発症するリスクが40%低くなっていたということです。 一方で、ネコを飼っている人と飼っていない人では認知症の発症リスクに差はみられませんでした。 また、運動の習慣や社会的なつながりがある人も認知症のリスクが低くなっていましたが、これらに加えてイヌを飼っている人ではさらにリスクが低くなっていたということです。 グループによりますと、イヌの世話をすることで頻繁に散

きっと、この記事を読もうとnoteを開いた人は、どこかすがるような気持ちがあってのことだと思います。 ようこそ、おいでくださいました。 もう大丈夫、と言ってあげたいのですが、わたしができるのはあくまでもお手伝いだけ。しかも、テキスト上で。 実際に、介護を受けるかどうか考え、決めて、関係各方面を調整し、いろんなところに出向くのはあなたです。 わたしは、正解を提示することができません。 自分らしい決断というものを信じ、突き進んだり軌道修正したりするのは、あなたです。 これが、この記事をこれから読み進める上でのマインドのひとつ。 あと、ふたつあります。 前置きが長くてごめんなさいね、でも大事なことだから。 ひとつは、プライドや見栄を捨ててくださいということ。 「介護を受ける」ということは、できないことや弱いことを社会的に証明する必要があります。国の税金を使わせてもらうということは、それ相応の理由

平成27年、業務後に急死した家事代行兼介護ヘルパーの女性=当時(68)=を巡り、労働基準法が適用されない「家事使用人」との理由で労災と認めなかった渋谷労働基準監督署の処分は不当として、夫(75)が国に取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、請求を棄却した。 家事使用人は、個人の家庭から指示を受けて家事をする者とされ、労基法上は労働者とみなされない。 片野正樹裁判長は判決理由で、女性が東京都の訪問介護・家事代行サービス会社から利用者の家庭に派遣され、介護や家事に従事したが、家事に関する雇用契約はこの家庭と結んでおり、会社の業務とは認められないと指摘。女性は家事使用人に該当するとした。 訴状などによると、女性は27年5月、「要介護5」の利用者宅に泊まり込んで約1週間ほぼ休みなく働き、勤務を終えた日の夜に入浴施設で急性心筋梗塞を発症して死亡した。夫は労災申請したが認められず、再審査も退け

家政婦は「家事使用人」ではなかった初回放送日:2023年11月6日 去年9月の東京地裁判決で、ある家政婦が介護や家事の長時間拘束で死亡した件について労災が認められなかった。なぜ法で守られないのか、その背景と今後何が必要かを語る。

親より先に子どもが亡くなる。 それを望む親など、どこにもいないはずだ。 しかし、この日本には「子どもより1日でいいから長生きしたい」そう願わざるをえない親もいることを知った。 私が倒れたらわが子はどうなってしまうのか。 行き場が見つからず、親たちは不安を抱えている。 (社会部記者 周英煥) 今年3月、ある親子と出会った。大阪・八尾市に住む松江佐枝子さん(73)。 娘の知美さん(45)と2人で暮らしている。 知美さんには、重度の知的障害のほか、両足にも障害がある。 会話はできず、表情やしぐさで感情を読み取らなくてはならない。 松江さんは、デイサービスなども利用しながら、これまで45年にわたって娘の介護を続けてきた。 5年前に夫を亡くしてからは、その役割を1人で担っている。 日常生活の全般でサポートが欠かせない知美さん。食事の時は、ごはんを口に運んであげたり、おかずを食べやすい大きさに切り

【試し読み】書店員さんから大反響! 精神疾患を抱えた妻の介護と仕事…約20年にわたる苦悩の日々を綴った傑作ルポ『妻はサバイバー』妻に異変が起きたのは結婚4年目、彼女が29歳の時だった――。2022年4月20日に発売された、朝日新聞記者・永田豊隆さんのルポルタージュ『妻はサバイバー』。朝日新聞デジタルで連載中、100万PV超の大きな反響がありました。単行本化にあたり、連載のその後の日々を綴られていますが、発売前のゲラを読んだ書店員さんからも大きな反響がありました。病に苦しむ妻が、「私みたいに苦しむ人を減らしてほしい」といった言葉が、本書執筆のきっかけとなったと永田さんは綴っています。 4月18日から28日まで行った期間限定全文公開は終了しましたが、期間中たくさんの方にお読みいただき、様々な感想をいただきました。本当にありがとうございました。「むしろ反面教師にしてほしいところも」ある、「ルポ

人材不足が最も深刻な分野の一つでありながら、効率化に役立つ(はずの)IT化が最も進まない介護の世界。私の実体験をベースに、介護ITの“闇”に迫りつつ、その中から一筋の光明ともなり得る、“安らぎ”を得るための手段について考えたいと思います。⇒連載バックナンバーはこちらから。 「通常運転」だった父 あれは今から数年前、父がまだ生きていたころの、正月休みが終わった最初の日、寒風吹きすさぶ、平日の午前9時ごろのことでした。 市役所から派遣された調査員の方が、父を担当されていた介護支援専門員(ケアマネジャー、以下、ケアマネという)を伴って、父の実家にやってきました。これは、1年に1度、必ず行われる大切なイベントです。 調査員の方が、父に対して、いろいろと質問をします。必要に応じて父に実際に体を動かすように求め、私にも話を聞きます(食事、排便、衣服の脱衣や外出の状態など)。 次に、調査員の方が、3つの

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