ビザを巡る現地情報を丹念に追っていくと、ナイジェリア権力中枢における構造的な偽情報操作と政権の腐敗体質が浮かび上がってきた。 野党が指摘する「政権の利益」ナイジェリア野党・アフリカ民主会議(ADC)の広報官は、日本政府が「特別ビザ発給」を否定した件について、次のように強く非難している。 「日本が特別ビザ発給に合意したという声明は、与党・全進歩会議(APC)主導のティヌブ政権が、自らの政治的利益のために虚偽の情報を流布したものだ」 さらに同官は続ける。 「ティヌブ政権は国民からの好感度を上げようと必死だ。今回の偽発表は、そのためにフェイクニュースを流布しても構わないと考えている証拠だ。もはやこの政府の何を信じればいいのか分からない」 そして最後に、こう訴えた。 「日本政府が公式に否定したことは国家的な恥辱であり、政府の情報発信に対する国民の信頼を損なった。この恥ずべき状況はもう終わらせなけれ

先週、横浜市で開かれたTICAD=アフリカ開発会議にあわせ、JICA=国際協力機構が交流を後押ししようと、4つの自治体を「ホームタウン」に認定したことに関連して、SNSでは「移民を定住させる制度だ」とか「ふるさとが明け渡される」などと、誤解に基づいた情報が広がっています。自治体には抗議のメールや電話が相次ぎ、SNSで伝えられている事実はないとする見解をウェブサイトに掲載するなどの対応をとっています。 日本とアフリカのかけ橋となる人材の育成につなげようと、JICAは先週、 ▽山形県長井市をタンザニアの、 ▽千葉県木更津市をナイジェリアの、 ▽新潟県三条市をガーナの、 ▽愛媛県今治市をモザンビークの 「ホームタウン」に認定しました。 交流を深めることが目的ですが、「移民を定住させる制度だ」とか「ふるさとが明け渡される」などと誤解した投稿がSNSで広がっていて、なかには500万回以上見られている

アフリカでコメの消費量が伸び続けている。おいしく調理も簡単なことから、需要は約30年間で4倍に急増し、米食がすっかり定着した。アフリカ東部のウガンダで10年にわたり稲作の研究、普及に取り組む神奈川ゆかりの専門家、宮本輝尚さんは「経済性と環境を両立しながら持続的な農業を目指したい」と語る。 「味が良く貯蔵や輸送に適しており、都市化で共働き家庭が多いアフリカでは調理のしやすさが特に受け入れられた」と宮本さんは人気の理由を説明する。 国際協力機構(JICA)の専門家で、日本大生物資源科学部(藤沢市)の出身。首都近郊の国立作物資源研究所(NaCRRI)を拠点に「持続的なコメ振興プロジェクト」(エコ・プライド)のチーフアドバイザーを務める。 ウガンダのコメ生産量は20年で6倍に増えた。「土地が肥沃(ひよく)で気候と需要に適合した」(宮本さん) 主力は陸稲。水稲に比べ収量や品質は落ちるが、水田を作らな

【3月6日 AFP】アフリカ南部レソトのレジョネ・ムポチョワネ外務・国際関係相は5日、ドナルド・トランプ米大統領が施政方針演説でレソトを「誰も聞いたことがない国」と嘲笑したことに「驚き、困惑」していると述べた。 レソトは南アフリカに四方を囲まれた小さな王国で、人口は230万人。トランプ氏は演説で対外援助の大幅削減を正当化する際、過去のプロジェクトではレソトでの性的少数者(LGBTQI+)支援に800万ドル(約12億円)を拠出したと主張。「誰も聞いたことがない国だ」と続けると、共和党員らの間で笑いが起きた。 ムポチョワネ氏はAFPに対し、レソト政府はトランプ氏の発言に「驚き、困惑している」「国家元首が他の主権国家をあのような形で呼ぶとは予想だにしていなかった」と語った。 続けて「われわれはこの問題を軽視していない」として、正式に抗議の書簡を送る方針を示した。 米国はレソトの首都マセルに大使

前回、ウマの家畜化に関する記事を書きました。ナショジオに載った記事を絡めて、コンパクトにまとめることができた反面、大ネタの割にボリュームが不足かとも思える出来でした。 前回の記事はこちら。 さてその記事をまとめている途中、ふと思い出したのは手元にある書籍にシマウマの家畜化についても書かれていたはず、ということでした。そこで該当箇所を探したところ、なかなか見つからない。 以前、ネット上でシマウマは気性が荒くて家畜化に向かない、と主張している人がいた時に、この本ではシマウマには家畜化を妨げる気性的な問題はなく、単に文化的なものだと書かれていたことを思い出したので、書かれていること自体は間違いないのだが、と不思議に思いながら探します。結局、なかなか見つからなかったのは、記憶にあるよりもずっと僅かな記述しかなかったからでした。 せっかくシマウマの家畜化、というもの珍しさで興味を引くことのできそうな

ナイジェリアのスタートアップで、ナスダック上場まで登りつめた農業スタートアップ・ティンゴ(Tingo)。6月に以下の記事で取り上げたあとの新展開です。 SECが「大規模な詐欺」と起訴、「見たことがない」とヒンデンブルグ、ティンゴは冤罪と主張空売りヒンデンブルグが「極めて明白な詐欺会社」「財務諸表を完全に捏造」というレポートを発表したあと調査を行っていたSEC(米証券取引委員会)が、創業者ドジー・ムモブオシ氏とティンゴグループ他2社を起訴しました。 ヒンデンブルグがレポートした詐欺と不正が、ほぼ確認できた模様。。。容疑は、インサイダー取引、監査法人への虚偽報告、内部統制違反など多岐に渡っており、SECは「大規模な詐欺」であり、その規模は「驚異的」であるとしています。 調査のきっかけを作ったヒンデンブルグは、上場企業の不正や詐欺をレポートして空売りで稼ぐ企業ですが、そのヒンデンブルグをもって「

佐々木 裕馬さん、という起業家がいる。 めっぽう変わった方で、少し前まで「失業率60%の国」ジブチにいたが、とつぜん最近、エチオピアで電動バイク販売のスタートアップを立ち上げた。(写真中央) エチオピアという国は総人口が約1.1億人でアフリカで2位。 しかし、そのほとんどが若者で、中位数年齢が19歳(日本は48歳)と、日本よりかなり若い。 GDPはアフリカ大陸の中で7位(2022年)と上位に位置し、急成長している国だ。 こういう国であるから、佐々木さんの電動バイクの事業は、立ち上げ好調だったようで、8月1日の発売開始から3週間で50台の初期ロットを売り切ってしまったと聞いた。 余談になるが、きわめて市場の可能性が大きいことから、関係者がかなり興奮しており、追加投資がかなり集まっている。アフリカでの事業展開に興味のある方は問い合わせてみてほしい。 エチオピア人の気質は日本人そっくり さて、

西アフリカにある世界で最も貧しい国の一つ、ニジェールの砂漠にごみをまき続けている日本人がいる。都市で出た生ごみやサンダル、鉄鍋まで。目的は一体――。 その人物は京都大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科の大山修一准教授(46)。サハラ砂漠南縁のサヘル地域で各民族の生活様式や食糧問題などを研究する地理学者だ。 大山さんは2000年から、首都ニアメー近郊にある農耕民ハウサの小さな村を拠点にフィールドワークを続けている。周囲には砂漠が広がり、硬い地面がむき出しになっていた。 ある時、村人が自宅の生ごみや家畜のふんを砂漠に放置した。雨期を経て、ごみから草木が茂りだした。大山さんが調べると、ごみに住み着いたシロアリが砂漠を栄養のある土壌に変え、ごみに混じった植物の種子が発芽したとみられるという。 一方、同国では人口増加によ…

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