インターネットを通じて情報が手軽に得られるようになった一方で、根拠に乏しい「陰謀論」も拡散し、人々に影響を与えている。その一つである「ディープステート」は、奥深くにある(DEEP)国家(STATE)が政府をひそかに操っているとの考え方だ。その存在を語る人々の中には、「あの人も?」と驚くような政治家、著名人もいる。 一人一人に会い、話を聞いてみると、誰もが熱心に自説を展開する。世の中で起きていることの背後には、何者かのたくらみがある――。ネット情報に依拠し、荒唐無稽とも言える主張に、なぜ染まってしまったのだろうか。(敬称略、共同通信=佐藤大介) ▽「覚せい」した元総務相 東京・永田町の議員会館。立憲民主党の衆院議員で元総務相の原口一博は、硬い表情で振り返った。 「その存在を認識するようになったのは2002年のこと。日米地位協定の改定案を議論していたら、米中央情報局(CIA)の日本担当を名乗る

【(4月8日)記事を分かりやすく整頓しました。以前のバージョンはこちらから。】 ・「私」という漢字はかつては「和多志」であったのにGHQによって「私」になった ・「乾杯」という言葉はかつては「弥栄」で、GHQは「弥栄」の言霊をおそれて「完敗」を想起させる「乾杯」になった ・「気」は本来は「氣」であり、エネルギーが広がる「米」だったのに「〆る」にGHQによって替えられた ・「漢字」は「神運字」だった などなど、これらは一部で流布しているスピリチュアルな言霊信仰ともいえる漢字や単語に対する認識の一例で、GHQという外敵によって本来あったであろう日本や日本人が歪められたという疑似的な「かつての日本」の復古運動の流れともいえるでしょう。で、この運動というか、ネット上で使用する人が近年見る頻度が高くなったと思われ、それ自体はSNSなどによる可視性、拡散性と似非知識によるバズ狙い、また反ワクチンなどの

科学的根拠のない、不思議なトンデモ健康法が発生する現象を観察するライター山田ノジルさんの連載コラム。驚くべき言説で広まる不思議食品の数々や、その沼にはまった住人たちをウォッチし続けている山田ノジルさんが今回は、かつてのゲテモノ扱いからエシカル消費へと転化した、昆虫食にまつわる陰謀論を観察します。 流行の裏には陰謀がある!?「流行ると陰謀だと思うのが、陰謀論者の発想」2022年12月に開催されたトークショーで、『あなたを陰謀論者にする言葉』(フォレスト出版)の著者であるライターの雨宮純さんが語っていた言葉です。続けて紹介されたのが「昆虫食陰謀論」。昭和〜平成とゲテモノ扱いだった昆虫食は、深夜番組の罰ゲーム小道具としてお馴染みでした。それが陰謀論に登場したということは、かなり認知度が上がってきた証拠です。 陰謀論とは、大きな事件や世の状況を「闇の組織が関与している」とする世界観のこと。有名ど

2022年は神真都Qに参政党と、陰謀論絡みの団体が勃興し世間を驚かせる中、様々な陰謀論が流行した。2023年最初の記事では、日頃陰謀論をウォッチしている筆者にとって印象深かった2022年の陰謀論を紹介する。 10位. 新型コロナワクチンを打つと巨大な血栓ができるが、これは人工寄生虫である「新型コロナワクチンを打つと巨大な血栓ができる」という海外の陰謀論が輸入され拡散。元は一人のエンバーマーが主張したもので、そもそも根拠になっている遺体にワクチン接種記録がないことや、一般的に死後見られる血栓と見分けがつかないことから既に否定されている。 10月25日頃から「新型コロナワクチンを打つと巨大な血栓ができる」という怪情報が出回り、1,000RTを超えるツイートも出ていますが、これは既に海外のファクトチェックで否定されています。https://t.co/EaiKyAUa8h pic.twitter.

今回紹介するのは、ジョセフ・ヒースの論文「When does Critical Theory Become Conspiracy Theory?」である。この論文でヒースは、「新自由主義」概念をルーズに用いた議論などを念頭に置きながら、批判理論が陰謀論に堕してしまう条件、さらにまっとうな批判理論と陰謀論紛いの批判理論を分かつ特徴を検討している。 なお批判理論というのは、とりあえず「規範的目的を明示した社会科学的探究」ぐらいの意味で捉えればよいと思う。批判的社会科学や批判的〇〇研究を名乗っている研究はもちろん批判理論に含まれるし、左派的なポジションを明示した研究の多くも含めることができるだろう。 どれくらい知られていることなのかは分からないが、ヒースはハーバーマスの弟子であり、自らを批判理論の伝統に属する研究者と位置付けている*1。それゆえにこそ、堕落した批判理論に対して厳しい態度をとってい

「複雑な現実は複雑なまま扱い、焦って単純化しないこと」というのは私が経験的に学んだことの一つである。「その方が話が早い」からである。話は複雑にした方が話が早い。私がそう言うと、多くの人は怪訝な顔をする。でも、そうなのだ。いささか込み入った理路なので、その話をする。 私は人も知る病的な「イラチ」である。「イラチ」というのは関西の言葉で「せっかち」のことである。どこかへ出かける時も、定時になったらメンバーが全員揃っていなくても置いてでかける。宴会でも時刻が来たら来賓が来ていなくても「じゃあ、乾杯の練習をしよう」と言ってみんなに唱和させる(来賓が着いたら「乾杯の儀に粗相があってはならないので、繰り返しリハーサルをしておきました」と言い訳する)。 そういう前のめりの人間なので、当然ながら話をする時も最優先するのは「話を先に進めること」である。ぐずぐずと話が停滞することも、一度論じ終わったことを蒸し
参政党の活動が参院選をひかえ活発化しています。神真都Qが民族主義陰謀論を掲げたことで、右派で民族主義的な参政党も同類として語られがちです。はたして参政党への理解はこれでよいのでしょうか。 ●最新の動向 加藤文宏 聞き取り/加藤・ハラオカヒサ:プロジェクト 彼らはいかにして参政党の党員になったのか「義父母の動きが活発になってきたので報告します。二人とも参政党の党員になって地方支部の活動にのめりこんでしまい会話が選挙運動一色になってしまいました」 Aさんの義父母が党員になった参政党は神谷宗幣氏、松田学氏、渡瀬裕哉氏、篠原常一郎氏、赤尾由美氏によって2020年に結成され、「先人たちが守ってきたこの国を、次の世代へ引き継ぐために」「身近なコミュニティ活動から始める政治参加」をモットーに活動する民族主義的傾向を帯びた政治団体だ。 二人は民族主義に傾倒して党員になったのかというと、そうではないらしい。

はじめに 陰謀論の記事を書いていて思ったのは、やはり陰謀論者への嘲笑が多いということでした。必要なのは誰かが陰謀論に陥ってしまう前に踏みとどまる手助けをすることであり、自身も陰謀論に染まらないように生活するということです。「自分は絶対に陰謀論に染まらない」などという慢心には特に注意すべきでしょう。 しかし、厄介なのは「陰謀論とは何か?」が定義しにくいことです。どうやらマルチ商法や情報商材商法、カルト、スピリチュアルなどにハマりやすい人が陰謀論にも染まってしまう、という傾向はあるようで、陰謀論そのものもそれらと同様の傾向を持ちやすいことがわかっています。 「陰謀論とは何か?」を解説してしまうと膨大なテキストが必要ですので、それは別の機会か様々な方の記事に頼るとして、ここでは「陰謀論とは思考法そのものである」という仮説を立てて検証していこうと思います。 思考とは何かを定義しておく 思考とは、科
むしろ自分の頭で考えてるからこそ陰謀論に毒されちまう。 「自分で確認したものだけを信じろ」とか「自分の頭で考えろ」とか「常識を疑え」とかそういうのがもう通用しなくなってんだよな。 それは「ハイテク家電の動作原理を理解しないかぎり使ってはならない」とか言ってるようなもんなんだよ。 そら分かりやすいデマの一つや二つなら自分で裏をとって確認することはできるけど、そんなのが数十数百もまとめてやってくるのが現代社会でさ。 単純に情報を精査するだけでも多すぎて無理だし、なかには個人レベルじゃどうやっても真偽を確認できない巧妙なデマだってある。 もう学者やマスコミを信じるしかないわけ。 学者やマスコミは人類の上澄みだって信じることだよ。 まあ奴らも間違いはいっぱいするよ。 でもその他よりは絶対的にマシなんだよね。 朝日や産経を信じられないなら、迷惑系まとめサイトや海外の三流ニュースサイトなんかもっと信じ

母の入院先で看護師に吠えてきた。 あなたたちは異常です。コロナ騒ぎにに振り回されてバカみたいにバタバタと駆けずり回ってばかりで患者や家族への気遣いがなくなってる。 コロナは詐欺なんですよ。あなたたち... 56 人がブックマーク・36 件のコメント
特集『総予測2021』(全79回)の#56では、元2ちゃんねる管理人で実業家のひろゆき氏が、論争や炎上のこれからを読む。ひろゆき氏が見込むのは、政治家も企業も個人も「嘘をつくほうが得」だと気付く社会の姿だ。(ダイヤモンド編集部論説委員 小栗正嗣) 【この記事の画像を見る】 「週刊ダイヤモンド」2020年12月26日・2021年1月2日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。 ● 「嘘つきだ」と指摘されても 大したデメリットにならない 2021年には、何か嘘をついた方が得するということを皆が理解するんじゃないかという気がしています。政治家も個人も企業においてもです。トランプ米大統領がメディアから嘘を指摘されても、いくら指弾されても、米国の半分近くの票を取ったわけじゃないですか。 日本でも、森友学園に関わる公文書改ざん問題を巡る国会答弁で、安倍政権が139回

アメリカでトランプ支持者たちが、連邦議会に乱入し、大統領選の投票結果を認定する議会の手続きが一時停止する、という前代未聞の事件が起きた。選挙結果に抗議する集会で支持者を煽る演説を行ったトランプ氏への批判が高まっている。トランプ・マジックが解けた? 再開された議会では、議長を務めたペンス副大統領、ミット・ロムニー上院議員ら共和党陣営からも暴力への批判や選挙結果の正当性を認める発言が出た。トランプ政権の元高官からも批判が発せられ、現政権からも辞任の動きが出ている。 死者まで出る衝撃的な出来事で、これまでのトランプマジックが解け、目が覚めた人も少なくないだろう。まっとうな共和党員は距離を置き、トランプ氏の政治的影響力にも変化が出てくるのではないか。 カルト性を高める熱烈支持者 その一方で、残った支持者はますます「カルト性」を強めていくのではないかと心配だ。トランプ氏とその熱烈支持者は、分断を

1リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く