毎年億単位の寄付金を集めているにもかかわらず、厳しい批判にさらされている番組がある。チャリティー番組の『24時間テレビ』(日本テレビ)だ。 以前から存在した、出演者に出演謝礼が支払われることに疑問を呈する言説に加え、近年では番組が、健常者を感動させたり、やる気を出させるために障害者を利用する「感動ポルノ」にあたるとする言説も増えている。 私、ダブル手帳は1993年生まれの脳性麻痺・発達障害当事者だ。アニメファンであることや、就活における自身の経験から、メディアにおける障害者の描かれ方について興味を持ってきた。 言うまでもなく、障害者が普段のテレビ放送に登場することは、ごくごく少ない。『24時間テレビ』は年に1度、障害者の存在がテレビで大きく取り上げられる機会である上に、いまだ15〜19%の視聴率を誇る人気番組でもある。 この番組を生み出した人は、一体どういった考えを持って、番組を企画したの

住むところは人の悟性を育てる。 地面とつながる暮らしにこだわりたい。 「機動戦士ガンダム」の生みの親として知られ、数々のロボットアニメーションの監督や原作を手がけてきた富野由悠季さん。その作品は社会現象を巻き起こし、根強い熱狂的なファンをもつことでも有名です。今回はご自宅を訪問し、「私の流儀」についてお話を伺いました。 ご挨拶が済んだところで開口一番、「まずは私が一方的にしゃべります。いいですね」と、富野さん。もちろんです、設計担当をつとめた谷本繁彦をはじめ一同が頷いて、取材がスタートしました。 「家づくりにとりかかったのは10年前、60歳を超えたときです」 富野さんは、細かなところまですべて覚えている様子で、語り始めました。 「いちばんに考えたのが立地でした。これはどうしても譲れなかった。この先ずっと仕事をさせてもらえるとすると、クルマに乗らないで、歩いて無理なく職場と行き来できる場所が

【川西賢志郎】40歳で漫才コンビを解散。「人生に本気で向き合ったからこその、決断だったと思う」|インタビュー後編 トップクラスの人気を博していた漫才コンビ“和牛”が解散して約1年。ツッコミ担当だった川西賢志郎さんが、エッセイ『はじまりと おわりと はじまりと ―まだ見ぬままになった弟子へ―』を発表しました。インタビュー後編では、人生に大きな決断を下した川西さんに、読者の熱い人生相談を!川西さんらしい、厳しくも温かい回答をどうぞ。 ──少し読者の話をしてもいいですか?お聞きしたいことがあるんです。 もちろんもちろん。 ──30代からの働く女性は、転職や、今の時代なら独立とか、さらに結婚や出産という、人生の大きな岐路に立つ世代が中心です。川西さんが、昨年コンビを解散されたときは40歳だったかと。 うん、そうですね。はい。 ──とても大きな決断だったと思うのですが、同じように人生の転換について悩

日本漫画史上最も重要な漫画10選anond:20241027145010 で参照したもの 諫山創と川窪慎太郎『進撃の巨人』の原点 諫山創×川窪慎太郎 ロング対談 | Febri 諫山氏が、担当編集者川窪慎太郎と一緒にインタビューを受けた対談。 若き2人の出会いが令和のまんが道だぞ。 諫山創の語る半生『進撃の巨人』すべてはこの男の脳内で始まった――『ダ・ヴィンチ』2014年10月号 諫山創が生い立ちを赤裸々に語るインタビュー。 世代が完全に切り替わった感じがビシビシ伝わってくるぞ。 メビウスと大友克洋【メビウス一周忌企画】インタビュー:大友克洋が語るメビウス(前編)|BDfile 【メビウス一周忌企画】インタビュー:大友克洋が語るメビウス(後編)|BDfile 大友克洋がメビウスを褒めまくるインタビュー。大友克洋は話が本当にスラっとしていて面白いぞ。 他にも、NHKが制作した、往時の大友が

作家たちは日々、どんな作品を、どんなふうに読んでいるのだろうか? ベストセラー『哀しい予感』の英訳版が10月に出版されるなど、海外にも多くのファンをもつ作家・吉本ばななに、米紙「ニューヨーク・タイムズ」がインタビュー。彼女の濃密な読書体験について聞いた。 最近やっと読み終えた「名作」 ──ベットスタンドにはどんな本がありますか? ほとんどの本はKindleで読んでいます。紙の本でいうと、管啓次郎の『エレメンタル 批評文集』(2009)や、柴田元幸が編集長を務める文学雑誌「MONKEY」、それから稲田俊輔の『食いしん坊のお悩み相談』(2023)が置いてあります。どれも読み応えがあり、何度も読んでいます。 ──最近読んだなかで、いちばん良かった本はなんですか? 管啓次郎の『エレメンタル 批評文集』でしょうか。まるで美しい小説のように読めます。前書きは若い人に向けて書かれていますが、それもまた見

毎週土曜日午後1時からTBSラジオで絶賛放送中の「久米宏のラジオなんですけど」の人気コーナー「今週のスポットライト!」のコーナーに、わかりやすいニュース解説で、去年大ブレイクした池上彰さんが登場して、「ニュースステーション」でニュース番組の歴史を変えた久米宏さんと対談しておりまして、大変興味深い内容だったので、全編書き起こしてみました。 追記:コーナー後の雑談部分を書き起こしたエントリをアップしました。本エントリの後でお楽しみください。 http://d.hatena.ne.jp/toshi20/20110320#p1 池上彰と久米宏、初対面 久米宏:池上さんです。こんにちは。 池上彰:あ、こんにちは。はじめまして。 久米:あ、はじめましてなんですよねー。ほんとに初めてお目にかかって。 池上:ええ。 久米:今日は黒のタートルに紺のスーツで、テレビで見るよりはるかにシックな格好で。 池上:い
週プレNEWSTOPニュースエンタメメジャーデビュー35周年! 筋肉少女帯・大槻ケンヂが語る「鬱屈した中年よ、バンドを組め! そして面白くもない生配信を観よ!」 筋肉少女帯。左から本城聡章(ギター)、大槻ケンヂ(ボーカル)、内田雄一郎(ベース)、橘高文彦(ギター) 多彩な文学や映画に影響を受けた不条理で幻想的な歌詞と、高いパフォーマンス技術で日本ロック界でも異彩を放つロックバンド・筋肉少女帯。今年でメジャーデビュー35周年を迎える彼らが本日6月14日(水)にリリースするのが、メンバー選曲・監修によるオールタイム・ベストアルバム『一瞬!』だ。 そんな筋肉少女帯の顔ともいえるボーカリスト・大槻ケンヂに、今回のアルバムの内容から、デビューして35年経った今のバンドの状況、近年のマイブームまで話をうかがう。 * * * ■35年が永遠のようでもあったし、一瞬のようでもあった ――筋肉少女帯が今年

記事:平凡社 坂本龍一さん(2013年5月撮影) 撮影:榎本佳嗣 書籍情報はこちら バッハの「マタイ受難曲」を聴くと、まさに「音楽に救われる」という感じがする ――東日本大震災と原発事故はだれしもにとってたいへんショッキングなできごとだったと思います。坂本さんはどうお過ごしでしたか。 坂本龍一:うーん……、直後はやっぱり、音楽を聴く気になれませんでした。 ――音楽家の方でも、音楽が聴けなくなるんですか。 坂本:ええ、(音楽家には)きっとそういう人は多いと思いますよ。それで、ずいぶんと経ってから……、ひと月ほど経ってからかな、やっと聴いてみようかなと思ったのは。 ――そのときに、慰めや励ましになったもの、あらためて立ちかえったものってありますか。 坂本:それは、やっぱりどうしてもバッハの「マタイ受難曲」です。僕のまわりの音楽好きでも同じようにいう人は多いけれど、やっぱり特別な曲ですね。「また

写真家・山岸伸さん(72)はポートレート撮影の第一人者として広告からグラビアまで幅広く活動を続けている。撮影した写真集は400冊以上を数え、被写体はばんえい競馬や世界遺産にも及ぶ。2009年からは白血病の投薬治療を受けながら、ライフワークともいえるシリーズ写真展『瞬間の顔』を展開してきた。フィルム時代からデジタル、ネット時代へ。そして「写真家」ではなく「カメラマン」へのこだわり。激変する写真や写真家を取り巻く環境の中で、山岸さんは何を感じながら撮り続けるのか。(取材・文・撮影:志和浩司/Yahoo!ニュースオリジナル特集編集部) ビジネスパーソン、アスリート、タレント、政治家......。これまで出会った各界の第一線の人物たちを15年にわたり撮り続けたポートレートの作品群『瞬間の顔』。山岸さんは今年3月に行われた展示で一区切りをつけた。その数、実に1000人分に達する。 「これからどうする

#04 吉田豪さん 1/4 吉田 豪(よしだ ごう) プロインタビュアー&プロ書評家。 現在、雑誌・新聞などでの連載数が20を超えるライター。主な著書は『バンドライフ』、『hon- nin列伝セキララなオンナたち』、『続・人間国宝』、『吉田豪のセメント!!スーパースター列伝』、『元アイドル1&2』、『人間コク宝』、『男気万字固め』。新刊は『サブカルスーパースター欝伝』(徳間書店)。 新宿ロフトプラスワンで行われる各種トークライブでも人気を博す。テレビ・ラジオ出演も多数。特に最近は『情熱大陸』や『さんまのまんま』に単独出演し、大きな話題となった。twitter:@WORLDJAPAN 吉田さん、今日はよろしくお願いしま~す! 吉田 はい。坂井ノブさん、結婚おめでとうございます! 今日はですね、元『紙プロ』編集部の坂井ノブさんの結婚パーティーに来てまして、そのパーティーの司会業の合間に吉田豪さ

自宅と仕事場を兼ねているケースが多い、小説家や漫画家、美術家など作家の家。生活の場であり、創作の場でもある家にはどんなこだわりが詰まっているのでしょう。 作家の家を訪ね、その暮らしぶりや創作風景を拝見する連載「作家と家」。第4回は『対岸の彼女』『八日目の蝉』『紙の月』などで知られる小説家・角田光代さんの自宅を紹介します。 数年前、長年暮らしてきた東京都杉並区にまるで森のような庭付きの一戸建てを建てた角田さん。「飲み屋みたいにしたかった」という温かな雰囲気のダイニングと、開放感のある夫婦の書斎が特徴的な住まいです。 それまでは長らくマンション住まいだったという角田さんですが、ここに越したことでどんな変化があったのでしょうか? 都心にありながら自然を身近に感じる穏やかな暮らしぶりについて伺いました。 ※取材は、新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じた上で実施しました 「愛着のある杉並区」で、

4月、世界最大級の音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」に宇多田ヒカルが現れた。アジアのカルチャーシーンを世界に発信するメディアプラットフォーム「88rising」が主催するステージへの参加アーティストとして。その数日後、宇多田自らが対談相手に指名したジェーン・スーとのロングインタビューが行われた。 プルオーバー ¥49,500/SACAI(サカイ) 「TRINITY FORCHITOSE ABE of sacai」限定コレクション シングルイヤリング ¥594,000 ネックレス ¥2,217,600(ともに予定価格・限定店舗にて展開・6月中旬発売予定)/ともにCARTIER(カルティエ カスタマー サービスセンター) 宇多田ヒカル(以下・宇多田) タイミングと、「コーチェラだから」の二つですね。キャラ的にも歌唱法にしても、私はあまりフェスに向いているタイプではないし、きっかけもなかっ

今日は僕がインタビュアーを務めている「考える高校生のためのサイト MAMMO.TV」について書きたい。 というのも、このところ「MAMMO.TVを読んでますよ」という声をネットで、あるいは直に聞く機会が増えているからだ。2001年にスタートして以来、「読み手に求められている内容になっているだろうか」と悶々としたこともあっただけに、読者から感想を聞くのはとてもうれしい。 サイトを主宰されている古藤晃さんは、かつて河合塾の名物講師として鳴らした方で、「受験勉強だけが人生ではない」との至極まっとうな考えから、若者に向けて情報発信サイトを立ち上げられた。 サイトを見れば一目瞭然だけど、広告がついておらず、それで10年もやり続けるなんてすごいとしか言い様がない。 それにしても年末からいまを見越したように上原善広さん、坂口恭平さん、七尾旅人さんに取材し、震災後は飯田哲也さん、河野太郎さんに話を聞けたの
エクスペリメンタル(実験的)な音楽シーンにおいて、「巨匠」と呼ぶにふさわしい地位を築くブライアン・イーノ。「アンビエントミュージック」のパイオニア的存在であり、デヴィッド・ボウイ、U2などのアルバムプロデュースや、近年ではデヴィッド・バーンとのコラボーレションアルバムなど様々なアーティストとの盛んな交流でも知られる彼が、ニューアルバムを発表した。詩人のリック・ホランドとコラボレーションを行い、「声(ボイス)の可能性」という自身の長年の疑問に対して、ぐっと近づくことができたと語る本作。曇りなき言葉の数々からは、デジタルレコーディングの進化を喜び(もちろん、アナログ文化への称賛も忘れることなく)、時には道端で偶然出会った人に朗読を依頼するなどユニークな行動へも屈託なく取り組む、己の好奇心へひたすらに突き進む音楽家の姿を垣間見ることができるだろう。 「くそくらえ…デジタルに突き進もうぜ」と言いた

前編では、『ゲンロン12』の読みどころから、ゲンロン入社までの経緯を語ってもらった。後編ではゲンロンの解散危機直面から代表取締役就任を経て、自社放送プラットフォーム、「シラス」開設と今後の展望について聞いた。(聞き手・構成/鴇田義晴) ――ここからはゲンロン入社後のお話を伺えればと思います。雑誌や書籍編集のお仕事は入社後に初めて行った感じでしょうか。 演劇博物館で助手をしていた時に展示の図録を作ったくらいなので、ほとんど未経験に近いと思います。もともとゲンロンには編集者になろうと思って入ったわけではなく、東さんの仕事を何か手伝えたらというくらいでした。研究者として論文を書いたり、読んだりといった作業は行っており、書くことは好きなので軽い気持ちだった。ただ、実際にやってみるとわからないことだらけでした。専門用語もわからないし、紙の選び方や、デザイナーさんとの打ち合わせの仕方もわからない。だか
――今回の『ゲンロン12』はコロナ禍での編集となりました。これまでの号から何か変化はありましたか? 編集方針として、コロナを大々的に特集するといった考えはありませんでした。唯一、11号から始まった「ゲンロンの目」というエッセイのコーナーでは、「家」や「家族」に関連する原稿を依頼しました。コロナ禍ではステイホームが叫ばれ、家や家族を大切にするという伝統的な価値観が戻ってきたように見える。けれども家や家族との関係は人それぞれで、いろんな考えがあるはずです。前号に続いてご寄稿いただいた柳美里さんの「ステイホーム中の家出2」も、コロナ禍をきっかけに家や家族を広い視野から捉え直すエッセイです。 特集テーマの「無料」にかんしては、昨年10月に自社の映像配信プラットフォーム「シラス」を作ったことが大きいです。コンテンツを無料にせずに、有料で提供することの意味について、『ゲンロン』の編集長で、シラスの発案
ライオンの頭を無防備になで、ワニの口に笑顔で頭を入れる。ライオンに右手の中指を食べられてもまったく懲りる気配すらない。“動物愛”という枠を大きくはみ出した畑さんの生き方は日本中を魅了した。1980年に始まった「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」はあっという間に人気番組になり、平均視聴率は20%に迫った。 しかしTVシリーズは2001年に終了し、2000年代後半には北海道の中標津から東京のあきる野市に移転した「ムツゴロウ動物王国」も閉園。3億円とも言われる巨大な借金を抱えたが、それもあふれるバイタリティで完済し、現在は40年前に移り住んだ北海道の中標津にある大自然に囲まれたログハウスで生活している。

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