函館のスルメイカに氷見の寒ブリ。 近年、日本各地の名産の魚が急激に減少しています。その一方で、これまで地域で馴染みのなかった魚が水揚げされる事例も相次いでいます。 各地で発生しているとみられる魚の“大移動”。原因のひとつと考えられているのが、“海の温暖化”です。海水から採取される魚のDNAを調べることで、魚の“大移動”の全貌を解明しようというプロジェクトが始まっています。 (クローズアップ現代取材班) 全国各地で漁獲量が急減 原因は“海の温暖化”? 近年、各地で漁獲量が急激に減少しています。10年ほど前と比べてみると、函館のスルメイカは10分の1、岩手県のサケは46分の1にまで減っています。 漁獲量が急減している原因の一つと見られているのが、世界的に進んでいる“海の温暖化”です。日本周辺の今年7月の海水温と過去30年の7月の平均値を比較すると、2~4℃高い海域が増えていて、こうした傾向はこ

産業技術総合研究所と東北大学は、地震を生じる断層周辺の岩石の亀裂内で石英が析出する時間を算出する新しい計算モデルを開発。このモデルにより算出した石英脈形成時間が、地震の繰り返し周期と一致することを発見した。地震発生周期の予測などに役立つと期待される。 今回研究グループは、過去に巨大地震が発生したとされる宮崎県の延岡衝上断層の周辺に分布する石英脈に注目。石英脈は地殻中の水に溶けたシリカが岩石亀裂内に石英として析出したもので、この現象により地下の水の溜まる場所、流れる方向、流体圧などが変わる可能性がある。そこで、石英脈の形成時間を算出できる計算モデルを開発した。 延岡衝上断層に相当する深さ10 km、温度250 ℃の条件での計算を行った。その結果、石英脈(当該断層の平均サイズ)の形成にかかる時間は6年から60年程度、また、比較的大きな亀裂でもほとんどが300年以下で石英脈になることがわかった。

一般社団法人環境金融研究機構 | Research Institute for Environmental Finance: RIEF 世界の海水から採取する食用塩のほぼすべてに、微細なマイクロプラスチックが含まれていることが、複数の研究で判明した。米国での研究では食品ストアで普通に販売されている食塩すべてから検出した。スペインの調査でも、すべての食塩から、ペットボトル原料のポリエチレンとテレフタレートを検出した。海塩は世界のどこでも同様にプラスチック汚染されているとみられる。現時点では、健康への影響は不明。だが、汚染の広がりは明瞭だ。 先に、マイクロプラスチックによる環境汚染が、世界の水道水に広範囲に及んでいることが報じられた。http://rief-jp.org/ct12/72488?ctid=65 今回、ほぼすべての食塩に汚染が広がっていることがわかったことで、マイクロプラスチック問

地上からの観測としては初めて、土星の衛星「エンケラドス」の周囲でメタノールが検出され、エンケラドスから噴出して宇宙空間へ飛び出した物質が複雑な化学変化を起こしている可能性が示された。 【2017年7月7日 RAS】 土星の衛星「エンケラドス」の南極には大きなひび割れが存在し、そこから蒸気や氷の結晶が噴出している。蒸気や氷の供給源は地下に存在する海だと考えられている。また、噴出した氷の粒や塵によって、土星の環のうち外から2番目にあるE環が形成されている。 土星のE環とエンケラドス(提供:NASA / JPL-Caltech / Space Science Institute) 土星探査機「カッシーニ」はエンケラドスの噴出の中を飛行し、メタノールをはじめとする有機分子を検出してきた。そして、最近の研究から、地球の海とエンケラドスの噴出には同程度の量のメタノールが存在することが明らかになった。

チリのプエルトモントでオゴノリをとる人たち(2010年12月7日撮影、資料写真)。(c)AFP/ARIEL MARINKOVIC 【7月18日 AFP】米国で外来種と見なされている日本渡来の海藻「オゴノリ」が、地球温暖化などの影響で荒れ果てた脆弱(ぜいじゃく)な沿岸海域の回復に重要な役割を果たしていることが分かった。米国の研究者らが17日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に調査結果を発表した。「外来種は悪」と決めつける見方に一石を投じる内容となっている。 論文によると、北大西洋(North Atlantic)沿海の多くの干潟や河口では、温暖化や汚染、病気や過剰採取が原因で固有の藻類やカキ礁が「著しく減少」している。調査を行った米ノースカロライナ(North Carolina)州では、歴史上みられてきた水準に比べ藻類が約97%、カキ礁が90%、塩沼が12%失われているという。 こうした干潟な

南極半島のラーセンC棚氷に生じた巨大な亀裂。NASA提供(2017年6月1日提供)。(c)AFP/NASA/SWANSEA UNIVERSITY/JOHN SONNTAG 【6月2日 AFP】地球温暖化の影響が拡大する南極のラーセンC(Larsen C)棚氷から、米デラウエア(Delaware)州の面積に匹敵する約5000平方キロメートルもの巨大な氷塊が分離する目前だと、科学者らが1日に発表した。過去最大級の氷山になるという。 ラーセンCにできた亀裂を観測している研究者らが所属する英ウェールズ(Wales)のスウォンジー大学(Swansea University)は、衛星データをもとに「ラーセンCの亀裂から、過去最大級の氷山ができそうだ」との声明を発表した。 厚さ約350メートルの棚氷に走った亀裂は6日間で17キロ広がり、南極大陸を覆う氷床につながる部分はわずか13キロまで減少した。「分離

このエントリーは、KLab Advent Calendar 2015 の12/3の記事です。 KLabとしては久々のAdvent Calendar参戦です。3番手も緊張しますね。全国行脚の旅に出ている pandax381 です。よろしくお願いします。 はじめに 今日は大阪〜岡山の移動で念願のエヴァ新幹線に搭乗してきました。 さて、本題。 RPi2 で遊んでいてネットワークブートしたい衝動に刈られ「PXEブートできると嬉しいけど、あれってIntel NIC 以外でもできるんだっけ?」とか「そもそも ARM だけど SYSLINUX 対応してるの?」とか思いながら調べていたら U-Boot が PXE クライアント機能を持っているらしいということが分かったので実際に PXE Boot 環境を構築してみました。 出回っている情報が古かったり、ドキュメント読んでも簡単に見つけられない事などが多かっ

北海道大学は、チュウヒという湿地性の猛禽類の繁殖成功度が高い湿地を保全すれば、その他の小鳥の繁殖成功度の高い地域も保全できることを明らかにした。(写真:北海道大学の発表資料より)[写真拡大]北海道大学の先崎理之氏らによる研究グループは、北海道苫小牧地方の湿帯で、チュウヒという湿地性の猛禽類の繁殖成功度を3年間調べ、チュウヒの繁殖成功度が高い湿地を保全すれば、その他の小鳥の繁殖成功度の高い地域も保全できることを明らかにした。 猛禽類の生息地の保全は、最も頻繁に行われる生物多様性保全手法の一つであるが、猛禽類の保全が他種の保全に繋がるのかあまり調べられていないこと、この手法が猛禽類の親鳥にのみに着目し、その繁殖成功度を無視してきたことが問題点となっていた。 今回の研究では、北海道苫小牧地方の分断化された湿地景観で、2012〜2014年にかけてチュウヒの繁殖成功度を調べ、2014年に3年間のチ

おじいさんは山へしばかれに行きました。おじいさんはドMでした。 1.はじめに 昔話の「桃太郎」の冒頭は、「おじいさんは山へしばかりに行きました」で始まることが一般的です。では、この「しばかり」とは何を意味するのか。このネタは森林学の書籍を読むと、高い確率で出てきます。 現代の日本に生きる我々の感覚としては、「芝刈り」が容易に想像できると思います。しかし、正解は「柴刈り」です。「芝」と「柴」はどう違うのか、おじいさんはいかなる目的で「柴刈り」に行ったのか。今回の記事では、森林の利用と破壊を中心として、日本における環境問題の歴史を考えてみたいと思います。 とても1本の記事でまとめられる分量ではないので、数回に分割して掲載します。この記事では、導入と内容の整理を兼ねて、概略を示します。科学論文の冒頭に「abstract」が掲載されているようなものとお考え下さい。 なお、後の記事でも繰り返し強調し

海の中をゆらゆら漂うクラゲ的な動物を含むクシクラゲ類は、基本的に骨格を持たないものとして知られています。しかし、新たに発見されたクシクラゲ類の化石には骨格があり、かつては骨を持つ動物として生息していたことが判明しました。これまで信じられてきた進化の考えを根本的に覆すものだとして、研究者らに衝撃が走っています。 A vanished history of skeletonization in Cambrian comb jellies | Science Advances http://advances.sciencemag.org/content/1/6/e1500092 Ancient comb jellies had skeletons, but they still lost the arms race | The Verge http://www.theverge.com/2015

森林のノーベル賞と言われるマルクス・ヴァーレンベリ賞を、日本人が初めて受賞することになった。スウェーデンのマルクス・ヴァーレンベリ財団が、2015年の受賞者を東京大学の磯貝明教授と齋藤継之准教授、そしてフランス国立科学研究所植物高分子研究所の西山義春上級研究員に授与すると発表したのである。 この賞の存在は日本ではほとんど知られてこなかった。実際、受賞者の決定を発表した記者会見場には私を含めて数人の記者しかおらず、大手メディアはいなかったようである。 しかし今回、磯貝教授をはじめ日本人が3人受賞した意義は極めて大きい。 とりわけ、国内で消費するエネルギーのほとんどを海外からの輸入に頼ってきた日本にとって、日本が実は世界でも類まれな森林というエネルギー資源大国であるだけでなく、その森林資源を最先端の構造・機能材料として使う研究で世界のリーダー的役割を担っていることがはっきり示されたからである。

2015年03月16日 05:00 カテゴリサイエンス最前線〜進化サイエンス最前線〜環境 ヒ素耐性人間 Posted by science_q No Comments No Trackbacks Tweet 【ヒ素耐性人間】3月3日・スウェーデン:アルゼンチン北部の標高4000メートルにある村では近郊の火山岩盤からの漏出で地下水にWHOガイドラインの20倍以上のヒ素が含まれているにも関わらず、村人はヒ素中毒症状を示さない。 http://t.co/VjdlOUYAfF— サイエンスあれこれ (@sarekore) 2015, 3月 9 【ヒ素耐性人間】3月3日・スウェーデン:天然のヒ素耐性ヒト集団見つかる。アルゼンチン北部の標高4000メートルにある村(San Antonio de los Cobres:上地図)では近郊の火山岩盤からの漏出で地下水にWHOガイドラインの20倍以上のヒ素が含
アメリカ航空宇宙局(NASA)は3月5日、約43億年前の火星には少なくとも2千万km3の水が存在していたと発表した。 同成果はNASAの科学者であるGeronimo Villanueva氏らによるもので、3月5日付け(現地時間)の米科学誌「Science」に掲載された。 研究では、チリにあるヨーロッパ南天天文台のVery Large Telescope、ハワイにあるW・M・ケック天文台などの観測施設を用いて、水(H2O)と重水(HDO)を測定し、「今までに大気中からどのくらい水が失われたか」という観点から太古の火星に存在した水の量を計算。その結果、約43億年前には約137mの深さで火星全てを覆うことのできる水量があり、現在の地表状態から、北半球に全表面積の19%を覆う海があったと推定した。 同研究グループは今回の結果について「今まで考えられていたよりも長い期間、火星が生命が生存可能な環境で

軽井沢……日本の先人たちが大切に守り育ててきた自然と文化が残る場所。 そんな場所で地域環境を蹂躙する巨大別荘の建設が進んでいる。しかも、その別荘の主は……渾身の取材でお届けする怒りの告発である。 軽井沢にビル・ゲイツが別荘を建てる――そんな噂が流れたのは2012年冬のことだった。その年の1月、環境アドバイザーの鈴木美津子さんは「木がすべて切られ、ひどいことになっている」と知人から連絡を受けて、千ヶ滝西区の別荘地へ向かった。小高い丘の約6000坪の土地に木が1本もなくなったことを悲しんだ。鈴木さんは伐採予定の樹木を引き取って移植するボランティアを行っている。それだけに、野鳥や小動物たちが暮らす林を簡単に伐採するということが許せなかった。鈴木さんが、噂の別荘を建設する場所が、そこだと知ったのはそれからしばらく経ってからだった。 2月のある日、軽井沢町議会議員のMさんは軽井沢新聞社を訪れ、千ヶ滝

心臓発作の際に電気ショックで心臓の動きを正常に戻すAEDが、氷点下の環境では正常に作動しないおそれがあることについて、厚生労働省と総務省消防庁は、全国の設置者と消防に対して、AEDの保管場所が氷点下にならないよう注意を呼びかけることになりました。 AEDを巡っては、使用する際の気温の条件が0度から50度とされていて、氷点下での使用はメーカーの保証の対象外となっています。 実際、3年前には関西地方で、救急車に搭載されていた医療用のAEDが氷点下の寒さが原因とみられる不具合で作動せず、心臓発作を起こした男性を蘇生できなかったケースがありました。 一方でNHKの取材では、スキー場など氷点下の環境でAEDを使わざるをえない施設などでは、使用する直前まで暖かい室内に保管するなど独自の対策でしのいでいることが分かりました。 このため厚生労働省はAEDのメーカー6社に対し、寒冷地でAEDの保管場所が氷点
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