江戸時代の日記や文献に残された記述から、1770年に京都で観測された巨大なオーロラを発生させた磁気嵐が史上最大規模であったことが推定された。 【2017年9月22日 国立極地研究所】 太陽で爆発が起こると、太陽磁場と共に大量のプラズマが放出され、それが地球に到達すると、地球の磁場が一時的に減少して「磁気嵐」が起こる。大きな磁気嵐の場合、極域だけでなく低緯度でもオーロラが見られるようになり、1859年9月に発生した観測史上最大の磁気嵐「キャリントン・イベント」の際には、青森県や和歌山県でもオーロラが見られたという記録が残っている。 キャリントン・イベント以前にも、日本国内におけるオーロラ観測の記録がある。古くは藤原定家の日記『明月記』に記されたもので、1204年の京都で1週間のうちに何度もオーロラが見られたと記述されている。また、古典籍『星解』には山から放射状に吹き出すような形のオーロラが描

地上からの観測としては初めて、土星の衛星「エンケラドス」の周囲でメタノールが検出され、エンケラドスから噴出して宇宙空間へ飛び出した物質が複雑な化学変化を起こしている可能性が示された。 【2017年7月7日 RAS】 土星の衛星「エンケラドス」の南極には大きなひび割れが存在し、そこから蒸気や氷の結晶が噴出している。蒸気や氷の供給源は地下に存在する海だと考えられている。また、噴出した氷の粒や塵によって、土星の環のうち外から2番目にあるE環が形成されている。 土星のE環とエンケラドス(提供:NASA / JPL-Caltech / Space Science Institute) 土星探査機「カッシーニ」はエンケラドスの噴出の中を飛行し、メタノールをはじめとする有機分子を検出してきた。そして、最近の研究から、地球の海とエンケラドスの噴出には同程度の量のメタノールが存在することが明らかになった。

アメリカ航空宇宙局(NASA)は、土星の北極にある巨大な六角形の最新カラー映像を公開した。土星探査機カッシーニが今年4月25日に撮影したもので、2013年6月撮影の映像と比べると、六角形の色が青から黄色へと大きく変化していることがわかる。 カッシーニは先月、土星の環をくぐりぬけ、土星本体への接近探査を行うミッションを成功させたが、今回の映像はこのミッションに入る直前に撮影されたもの。撮影時の土星中心までの距離は72万5000kmから23万kmで、高度を変えながらの連続撮影を行った。撮影にはカッシーニの広角カメラを使用。赤、緑、青の波長フィルターによって天然色の映像が作り出されている。 土星の六角形は、一辺の長さが約1万3800kmで、直径が地球の2倍以上という巨大なもの。2013年の映像では六角形の領域全体が青く見えていたが、今回の映像では、ほとんどの部分が黄色っぽいスモッグに覆われており

Exploring theBlue 謙虚かつ貪欲に「面白い」を追求する、 青二才のような好奇心。 宇宙空間というブルーオーシャンを文化圏に変える開拓者精神。 広大な地球を、無数の星屑の一つと捉える PaleBlue Dotの視点。 私たちは「人工流れ星」の発明と、 その科学によって、 「未来は自分で創れる」という気づきを、育て、 広げていきたい。 未知を楽しむ探究心が、 未来を拓く一歩につながると信じて。 人々の好奇心を育む 世界初の宇宙エンターテインメントと、 気候変動の解明に貢献する 大気データの蓄積と活用を通じ、 科学と人類の持続的な発展を、 ALEは目指していきます。 ALEの活動は、3つの領域で構成されます。 宇宙エンターテインメント事業 (SKY CANVAS) ⼤気データ事業 世界初の⼈⼯流れ星をはじめとした⼈々の好奇⼼を育む宇宙エンターテインメントと、 気候変動の解明

幅400キロに及ぶ小惑星衝突跡がオーストラリア中央部で見つかったと、オーストラリア国立大のチームが3月23日に発表した。幅400キロに及ぶ巨大なものだが、過去に起きた生物の大量絶滅との関連は分からないという。 衝突跡は地下を掘削することで判明。小惑星は衝突前に2つに分解したとみられ、それぞれが直径10キロほどあったという。 衝突跡は3億~6億年前の岩石に覆われていたが、衝突した時期は具体的な特定できていないという。3億年前だとすると「これに対応する大量絶滅イベントが見当たらない」と同大のアンドリュー・グリクソン博士は述べ、3億年より前に衝突した可能性があるのではないかとしている。 成果は地質学誌「Tectonophysics」に掲載された。 6600万年前の白亜期末に恐竜などが絶滅した大量絶滅は小惑星の衝突が引き起こしたと結論されている。白亜期末を含め、過去に5回起きた大規模な絶滅は「ビッ

ブラックホールは直接的な観測を行うことが困難であり、物理学の観点から計算されて作成されたモデルの画像のみで見ることができます。そのブラックホールの魅力に取りつかれたRiccardo Antonelliさんは、自分で理論的な計算を基にしてシミュレーション画像およびリアルタイムシミュレーションムービーを作成し公開しており、物理学が一切分からなくてもブラックホールがどのような形状をしているのか理解できる内容になっています。 SchwarzschildBlack Hole http://spiro.fisica.unipd.it/~antonell/schwarzschild/ Raytracing aBlack Hole http://rantonels.github.io/starless/ Antonelliさんが作成したブラックホールのリアルタイムシミュレーションのムービーは下記から確

ナチス親衛隊(SS)の探検隊がチベットから持ち帰った毘沙門天像(2012年9月26日公開)。(c)AFP/ STUTTGART UNIVERSITY/ELMAR BUCHNER 【9月27日 AFP】1938年にナチス親衛隊(SS)の探検隊がチベットから持ち帰った仏像は、隕石(いんせき)を彫って作られていたという論文が26日、科学誌「Meteoritics and Planetary Science(隕石学と惑星科学)」に発表された。 アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の「第三帝国(Third Reich)」と宇宙からの「財宝」の結びつきを示した独オーストリアの合同研究チームによる調査結果は、まさに映画『インディ・ジョーンズ(Indiana Jones)』を地で行くような話だ。 鉄分を多く含む岩石で作られていることから「アイアンマン(Iron Man、鉄の男)」と呼ばれるこのチ

Imagecredit:NASA 米航空宇宙局(NASA)は1月9日、ミシシッピ州にあるステニス宇宙センターにおいて、開発中の超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」の第1段ロケットエンジンに採用される予定の、RS-25ロケットエンジンの燃焼試験を実施した。 エンジンはステニス宇宙センターにあるA-1と呼ばれる試験台に取り付けられ、約500秒にわたって燃焼し、無事に完了した。 RS-25は液体水素と液体酸素を推進剤とするロケットエンジンで、かつてはスペースシャトルのメインエンジン(SSME)として使われていたものだ。しかし、スペースシャトルとスペース・ローンチ・システムでは作動環境に大きな違いがある。 例えば、スペースシャトルはRS-25を3基並べて装着していたが、スペース・ローンチ・システムでは4基並べることになるため、それぞれのノズルが受ける温度は高くなる。また加速が大きくな

悠久の時を超えた宇宙での話ですけどね……。 ブラックホールを1つ発見するだけでもビッグニュースになると思うんですが、このほど天文学者たちは、互いにわずか1光年しか離れていない距離に2つの超巨大なブラックホールが接近しているとの発見を明らかにしました! このままいったら、ブラックホール同士の衝突は、ほぼ確実視されるとの計算まで出されているんだとか。 もしも本当に、この2個の巨大ブラックホールがぶつかり合ったなら、1億個の超新星爆発に匹敵する莫大なエネルギーが放出され、一気に取り巻く銀河は破壊滅亡に至るとの見通しも発表されています。一方で、天文学的にはこのペアになったブラックホールから発される重力波の検出に成功すれば、時間の進み方が他とは異なるブラックホールや宇宙の謎の解明へとつながるのでは?と、そんな期待も高まっているようです。 なお、そんな恐るべき衝突が太陽系の近くで起きたりしようものなら

平成33(2021)年度の完成に向け、米ハワイ・マウナケア山で26年10月に建設が始まった世界最大の望遠鏡「TMT」。136億光年も離れた宇宙誕生直後の天体観測を目指す望遠鏡の要となる巨大な鏡(直径約30メートル)を製造するのは相模原市の特殊ガラスメーカー「オハラ」だ。気温によって影響を受けるガラスの膨張を極力抑えた高い技術力が各国の注目を集めている。(小野晋史) ◆相模原の「オハラ」 TMTは東京・国立天文台が米国、カナダ、中国、インドの4カ国と進める国際共同プロジェクト。 遠くの天体から届いたかすかな光を集めるTMTの主鏡は一辺72センチの六角形の鏡492枚を組み合わせて作られる。オハラは31年度までに予備を含めた特殊ガラス574枚を準備しなければならない。 主鏡用のガラスにとって最大の敵は気温の変化による膨張だ。ガラスがゆがむと正確に集光できず、画像が“ピンぼけ”となってしま

欧州宇宙機関(ESA:European Space Agency)は1964年に誕生したアメリカやソ連に対抗するためにヨーロッパ10カ国が参加し、宇宙開発・研究を行う機関で、現在では19カ国が参加し2000人以上のスタッフを抱えています。そんな欧州宇宙開発機構が、宇宙空間から撮影した美しい地球の映像をYouTubeに公開しています。Alexander Gerst’s Earth timelapses - YouTube まず映し出されるのは緑色のオーロラの様子。 オーロラは通常地球上から見上げるものになりますが、上から見ると全体の様子を確認できます。 次は日の出の様子。 光が地球を包んでいき、壮大な風景になっています。 続いては雲の上から地球を見た様子。 飛行機よりもさらに高度が高いので、雲が遠く、機内から見る光景とは違う世界が広がっています。 夜の都市は光が地上に広がっており、その様子

NASAの迷走は続く… 6ヶ月前、NASAは3億4900万ドル(約421億円)(←訂正)かけて真空の試験棟を建設しました。 しかしそれを祝えるような状況ではありません。 有人宇宙飛行は数年前にすでに中止が決定されており、このミシシッピに建設された巨大建造物は、施設の巨大なシンボルとして難なく見つけることができる位のメリットしかないかもしれないからです。 David A. Fahrenhold氏はワシントンポスト紙で、NASAのジョン・C・ステニス宇宙センターに立つA-3試験棟の抱えてきた多くの問題について書いています。 2010年に有人宇宙飛行計画が中止になった後にも関わらず、A-3試験棟の建設はミシシッピ州の出身のRoger Wicker上院議員(←訂正)による改正案によって続けられており、NASAは年間70万ドル(約8400万円)をこの使う予定のな構造物のメンテに費やしているのです。

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