はじめまして、平野たいる(@tairu_mk)と申します。 すっかり年の瀬ですね。今年はちょっとユニークな体験をしたので、振り返りがてらnoteを書きます *𝟭。表題の通り、「普通の会社員が新しい図形を発見 *𝟮 *𝟯したのでハンガリーのポスドクの助けを借りてarXivに論文を投稿した話」です。なお本稿(の公開部分)では、筆者自身の活動への直接的なリンクは張らない方針とします *𝟰。 タイリングとは?まず前提として、数学的タイリング(Mathematical Tiling)という数学の分野があります。 現実世界においてタイルといえば、タイル張りされた床や壁などに見られる、陶器などでできた板でしょう。最も単純なタイル張りは正方形を並べたものですが、たとえば正六角形を蜂の巣状に並べるなど、タイルの形状とその並べ方について、様々なバリエーションが存在します。 さて、このタイル張りの本質と

はじめに こんにちは。データシステム部・推薦基盤ブロックのかみけん(上國料)です。 突然ですが、デザインパターンの中で個人的に一番好きなのは Strategy Pattern です。 学生時代、研究で鬼のように使っていました。機械学習の研究では「複数のモデルを同じ条件で比較する」場面が頻繁にあって、モデル A とモデル B、さらに提案手法 C を差し替えながら実験を回すわけです。このとき、各モデルを Strategy として切り出しておくと、実験コードがかなり綺麗に書けました。 if-else が増えてきたら「Strategy で綺麗にできないか?」と考えるのが癖になっていたくらいです。 この記事では、なぜ Strategy パターンが好きなのか思い出しながら、コード例を交えながら語っていきます。 Strategy Pattern とは 「アルゴリズムをオブジェクトとしてカプセル化し、実行

花王の”ガチすぎる”映像スタジオに潜入。年間8,000万円削減を実現、機材の主役は「Blackmagic Design」 ATEM Television StudioとDaVinci Resolveでコスト革命。ただし300万円のフジノンレンズは妥協しない徹底ぶり 「花王」と言えば洗剤やコスメのイメージが強いが、実は社内にとんでもない映像スタジオを構えている。先日取材に訪れてみると、そこに並んでいたのは放送局レベルの高額機材……ではなく、我々ガジェット好きもおなじみのBlackmagic Design製品の数々だった。 なぜ大企業が「Blackmagic」を選んだのか。どうやって年間8,000万円ものコスト削減を実現したのか。その秘密は、徹底した「コスパ追求」と「泥臭い工夫」にあった。 男心をくすぐる”Blackmagic一択”の機材選び 花王が映像制作の内製化にあたって中心に据えたのが、

はじめに あるデータの組み合わせが手元にあるとき、それらがどれほど依存関係にあるのか?というのはデータを触っていると自然に湧いてくる疑問だと思う。 データの依存関係を見る時、「相関係数」なるものを計算するのは大半の人が行うと思うが、この相関係数は「ピアソンの相関係数」を指すことがほとんどであろう。この相関係数は Y = aX + b という線形の関係を捉えることはできる。 と、ここまで書いてたのだが、つい先日 Qiita にこんな記事が投稿された。 まさにこういう話をしたかったので完全に先を越されてしまった。悔しい… だがせっかくなので、実はこの相関係数は「バイアス」があると指摘した論文についてでも紹介しようかと思う。以下はarXivに投稿されたワーキングペーパーをベースにしたものである 注意:以下は夜中に勢いで書いたので、構成とか変わる可能性がある (12/10) 新しいセクションを追加

この話が届きやすい人・届きにくい人この記事は私自身のポジションに依存したポジショントークです。ですので誰にとって参考になりやすいか、あらかじめ整理しておきます。 こういう人には多少役に立つかもしれません 美大や専門学校に通っていない、あるいは通えなかった 絵を本格的に描き始めたのが20代以降、もしくは社会人になってから 既存の学歴・所属ベースの権威構造に自分がうまくなじめない感覚がある それでも絵を描くことを完全に趣味に留めるのではなく、ある程度は仕事として成立させたいと考えている こうした条件に当てはまる方にとっては「似たような制約条件の中で、先に少し進んでいる人が、どの断絶をあきらめ、どの断絶を自分のゲームに組み込んだか」という意味で多少具体的な参考になる部分があるかもしれません。 逆にあまり当てはまらないかもしれない人 すでに美大や大学院で体系的な美術教育を受けている/受けてきた 既

この記事は一休.com Advent Calendar 2025の 5日目の記事です。 私は毎年この時期になると Haskell に関する記事を投稿していますが、今年もまた Haskell を題材にしつつ、今回は Haskell を使うことがプログラミング中の思考にどのような影響を与えるかについて考察してみようと思います。 LLM と「言葉が思考を形づくる」という直感 LLM (Large Language Models、大規模言語モデル) は次にくる言葉を予測しているだけなのに、それが知性のように見える。「言葉の推定」でプログラミングすらできてしまうという事実に誰もが驚いたところだと思います。 LLM を本当の知性とみなすかどうかは議論の分かれるところだと思いますが、LLM の原理をみるに、少なくとも「言語」が推論や思考の形式に深く影響するという直感は正しいのではないかと思います。 とこ
[この記事は、Insight Edge Advent Calendar 2025 5日目の記事です。] こんにちは。アジャイル開発チームの中根です。 週末に子どもとのお出かけ先を探すとき、「神奈川県 子ども お出かけ」などと検索していますが、いわゆるまとめサイトが中心に表示されることが多くないでしょうか?結局、自分が子どもと一緒に行ってみたい場所とは違うものが多く、どこがいいのか分からずじまいであんまり意味がないなと感じていました。 また、移動時間や交通手段も考えられておらず、「ここ良さそう!」と思っても、遠すぎたり、子どもの年齢に合わないようなところも多い印象です。いわゆるアミューズメントパークのような場所でなく、広い公園や公営の科学館などそういった地域に根付いた施設をまず第一に紹介してほしい気持ちがありました。 そこで何か作れないかと思い、VertexAIのGoogleMaps G

はじめに この記事は言語学な人々 Advent Calendar 2025 の4日目の担当として作成したものです。 adventar.org また、この記事の内容は、Twitterに関する論文、 (PDF)Twitter (X) 上の日本語を対象にした言語学的研究に関する覚え書き デジタルコミュニケーション研究会での発表 (PDF) マイクロブログを対象にした日本語研究の可能性:XからBlueskyへ で書いたり言ったりしたことから抜粋して整理したものです。 内容はささやかなものですが、若干煽り成分も含んでいますので、大仰なタイトルにしました(ほかに良いのが思いつかなかったというのもあり)。 なぜTwitterに関する論文(上記)を書いたか この論文を書いた一番の理由は、2024年までにTwitterからXへの移行とそれに伴うさまざまな変化が急激で予測が付かず、またその後が不安になるよう
「どう稼ぐか」を人生のメインストーリーだと思っている人が多いけれど、本当はあれってチュートリアルなんですよ。稼ぎ方を極めるよりも、“お金をどう使うか”が人生の本編に近い。稼いだところで、使い方が下手だとずっとしんどいままだから。 で、「使い方の方が重要ですよ」と言うと、だいたい抽象的に聞こえてしまう。でも実際はもっと現実的で、もっと即効性があって、もっと生活に直結している。今回はその“使い方”を、役に立つノウハウだけで具体的に落とす話をしたい。お金の話って、だいたい「節約しましょう」「投資しましょう」「スキルを磨きましょう」みたいな方向に流れがちなんだけど、僕はそこよりもまず“体力の運用”を整えた方が早いと思っている。というのも、人生のしんどさって収入の少なさより「体力の配り方の下手さ」から来ることの方が多いから。逆にここが上手くなると、稼ぐ額が増えなくても生活の難易度が一気に下がる。

村山悟郎Goro Murayama @goromurayama 美大で教えていると、現代の芸術表現の在り方が難しい局面にあることを感じざるをえない。端的に言うと、極めて私的なモチーフからしか表現を出発できない学生が増えている。 (以下、ツリーで書きます) 2025-12-03 11:30:51 村山悟郎Goro Murayama @goromurayama 芸術は、科学のように普遍一般の真理を探究するのではなく、個別具体と普遍一般の複合領域に存在する。だから必ずしも私的なモチーフから出発するのが悪いわけではないが、そのモチーフを接続しうる普遍一般の美術理論・批評・社会状況がもはや見定められず(細分化と分断)、 2025-12-03 11:31:41 村山悟郎Goro Murayama @goromurayama 強いてあげればメディア環境(インターネット・SNS・AI)くらいである。

【※注意※】この記事には『ブレスオブザワイルド』『ティアーズオブザキングダム』をはじめ、最新作『知恵のかりもの』までを含むゼルダシリーズ作品のネタバレが含まれます。 一応今回は以前投稿した記事の改訂版ですが、内容が色々と変わってるので前のヤツは別に見なくてもいいです。 【追記(2025/11/16)】イメージ図の修正及び追加と「1.ハイラル王国について」「7-2.六賢者の起源」で文言を補足、その他一部表現を改善 【追記(2025/11/18)】サムネイル更新 序文 アタリマエを見直す2024年11月末、ゼルダシリーズのポータルサイトにて、ブレワイ(2017)・ティアキン(2023)より後に発売された知恵かり(2024)がシリーズ公式時系列(ゼルダ史)に加えられた。 この記事を執筆中の2025年2月現在、依然としてブレワイ・ティアキンは時系列の“欄外”に位置しており、ゼルダ史と具体的にどのよ

比較的最近の本誌『応用物理』に掲載されていた図表を拝見し,「分かりやすさ」「シンプル」といった観点からの改善点を検討した.その検討結果から,図のパーツ(図形,矢印・線,文字),図の配色,図のレイアウト,グラフ・表といった要素別に,魅力的な図表の描き方について概説する.無駄な要素を削ぎ落とすことで機能美が生まれ,最も伝えたい図の内容が伝わるようになるだろう.ぜひご自身の図表作成に役立てていただきたい.
今回は『カービィのエアライダー』のスタッフについて見ていきます。 この作品については正直、異常な注目を集めており、絵も動画もない文章のポストが14万インプレッションを獲得したときには我が目を疑いました。 エアライダー、 エアライドという思い出補正が強いタイトルを復活させることと バンナムにとっては自社エンジンを絶対に成功させる という2つのお題がのしかかったタイトルなので、ライダー人選やカービィシリーズの要素については工数をなるべく掛けないよう慎重になったのではと考えてます。— パーペン (@Papen_WaC) 2025年11月26日 そんな『エアライダー』ですがゲーム作品にはつきものの「スタッフリスト」の話は、意外なほどされていません。 スタッフリストはロードトリップのエンディングで公開され(すでにネタバレも飛び交う中)ていますが、その割にあまり知られていません。 スーパーバイザーに現

Tidy First? ―個人で実践する経験主義的ソフトウェア設計著者/訳者:Kent Beck、 吉羽 龍太郎、 永瀬 美穂、 細澤 あゆみ出版社:オライリー・ジャパン発売日:2024-12-25単行本(ソフトカバー):164ページISBN-13:9784814400911ASIN:4814400918 脳に収まるコードの書き方 ―複雑さを避け持続可能にするための経験則とテクニック著者/訳者:Mark Seemann、 吉羽 龍太郎、 原田 騎郎、 Robert C. Martin出版社:オライリー・ジャパン発売日:2024-06-18単行本(ソフトカバー):312ページISBN-13:9784814400799ASIN:4814400799
……春にして君を離れ……でも今は春じゃないわ、十一月じゃありませんか…… アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』 はじめに この文章は、「競技プログラマーのためのコーディング面接、これだけ」というタイトルで書き始めたものだ。以前よりソフトウェアエンジニアの教育をしており、年によってはGAFA が揃うこともある。Google のソフトウェアエンジニアだけでも10年近く毎年入っており、教えられて入った人も教えるようになり、今年曾孫(4代目)のGoogle ソフトウェアエンジニアが誕生した。ただこの育成速度ではまったく十分ではない。年間一万人の桁で育てる必要があると考えるので教え方自体を広めることにした。書き進めていくうちにコーディング面接に有用なだけでなく、むしろ学習や仕事全般に共通する話になった。おそらく、汎用性がある話ではあるのだろう。外資系コンサルタントや外資系金融機関の人たちが時々
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