想像を超える一冊 書店で『もう一度プログラミングをはじめてみませんか?』(山崎晴可・山崎彩子著/技術評論社)を手に取りました。 もう一度プログラミングをはじめてみませんか? ――人生を再起動するサバイバルガイド 山崎晴可,山崎彩子 著 新刊案内のタイトルで「初心者向けの再入門書」という印象を受けて、あまり興味を持っていなかったのですが、実際に手に取って、それがまったく違うことに気づきました。 序章「再起動」には、障害者支援技術を手作りして、ある人の人生を支えたことが、静かに、しかし確かな手触りで描かれていました。 「こんな時代に、こんな形で作られた支援技術があったのか」と、私は衝撃を受けました。 この「序章」は「サンプルPDFファイル」として公開されています。 私の勝手な憶測 序章とは異なり、本編では、障害のある人についての明示的な言及は登場しません。 勝手な憶測ですが、私は、そこにも著者

「お金もらうわけにいかないし、晩飯だけ食べさせて」という約束で家庭教師をしていたことがある。指導することになったその子の状況について、家族全員に説明していたところ、その子の妹が不思議そうに「なんで文章みたいに話せるの?」と聞いてきた。 その家族の会話は、ほとんど単語で終わっていた。「ねえ、○○は?」「おい、△△しろ」その場の状況から察することができるから、単語で事足りる生活をしていた。状況から察する能力があるのだから、頭は悪くない。ただし、言葉を鍛えられる環境にはなかった。 もちろん家族の誰も、本を読む習慣がなかった。「文章」と出会うのは、学校の教科書くらい。そんな生活環境の中で、私のように「文章」のように論理を組み立ててしゃべる人と出会って、その妹は驚いたようだ。 そのような生活環境で言葉を鍛えることができるかというと、難しい。言葉を鍛えなければ、学校の勉強についていくのも難しくなる。何

8月、スウェーデン国内各地の学校には休暇を終えた生徒たちが戻ってきた。教師の多くは、印刷された書籍や静かな読書時間、文字を書く練習に新たな重点を置き、タブレットを使う時間や生徒が独自に行うオンライン検索、キーボードの入力練習に充てる時間を削っている。 スウェーデンは保育園へタブレットを導入するなど国を挙げて教育の超デジタル化を推進してきた。そのアプローチが基礎学力の低下を招いているのではないかと政治家や専門家は問題視。それを受けて従来の学習方法を取り戻すという方針となった。2022年10月に発足した中道右派連立政権で教育大臣に就任したロッタ・エドホルム氏は、テクノロジーを全面的に受け入れる方針に厳しい批判の声を上げており、3月には「スウェーデンの生徒にはもっと多くの教科書が必要であり、学習には形ある教科書が重要なのだ」と訴えていた。 同氏は8月、デジタルデバイスを幼児教育に導入することを

灘中学・高校(灘校)では、教員7~8人がチームを組んで学年を担当する「担任持ち上がり制」を取っています。中学・高校の6年間、どんな教科書や教材を選ぶかは自由です。それをいつどのように教えるのか、カリキュラムも含めて基本的に担当教員がすべて考えていくことになります。 中1から高3までは長いですよね。国語科の場合、週4時間で6年間、合計700回くらい授業があります。生徒にしてみれば、毎年毎年、現代文だけじゃなく古文の時間も漢文の時間も私が来るわけで、「また、お前かい」みたいな(笑)。 そもそも、灘校の生徒は飽き性というか、新しいことをどんどんやりたいタイプが多く、飽きられたら、もうそこで終了。愛想を尽かされないよう、教員の側も頑張らないといけません。 井上志音(いのうえ しおん)。灘中学校・灘高等学校 国語科教諭。1979年生まれ。神戸大学大学院国際協力研究科博士後期課程単位取得退学。文学修士

「日本の大学がトップ10にない」「トップ100以内に少ない」ことばかり取り沙汰される世界大学ランキングだが、実は500位以内およびその近傍にまで視野を広げると、日本は2010年時点ではランクイン数で米英独に次ぐ世界第4位を誇っていた。ところが2022年には国別で8位まで後退し、中国に抜かれ、韓国と同順位になっている。 「日本の大学システムは『頂点の高さ』ではなく『層の厚み』が特徴であり良さだったが、これが今や失われつつある」――『国立大学システム 機能と財政』(東信堂)を著した島一則・東北大学大学院・教育学研究科教授の見解だ。旧帝大などとの大学間格差が広がる、地方国立大学の教育・研究環境の悪化とその原因について島氏に訊いた。 現在の国立大学への予算配分は、全体の食糧給付を減らして一部に栄養ドリンクを配るようなもの――現在の地方国立大学の教育・研究の窮状から教えてください。 島 これからお話

雪の降る朝。寒いので防寒着を着て登校するという当たり前のことが認められなかった生徒。 ルールを変えるために話し合いをしたいと動きましたが、先生たちの反応は想像していたものと大きく異なりました。 「先生の立場からしたらノーコメント」 生徒の思いはやがて諦めに変わりました。これは「中学校の校則」をめぐる話です。 (広島放送局記者 重田八輝) 1月25日。私(記者)は朝、分厚いダウンを着て、スノーブーツを履き、職場に向かいました。 広島はこの冬一番の強い寒気が流れ込んで大雪となる予想で、厳しい寒さになるとわかっていたからです。数日前から報道各社のニュースで何度も報じられていました。 まわりを見ると厚手の上着を着た人たちが慎重に雪道を歩く姿が。広島市の最低気温はマイナス4.2度、最高気温は3.1度を観測していました。 そんな日に、広島市立の中学校で、校則をめぐってある出来事が起きていました。 2年

令和3年11月29日(月)、鳥取県立青谷高校からICT活用プロジェクトリーダーの瀬田幸一郎教諭にChromebook活用研修の依頼があり、約1時間半のリモートによる研修を行いました。瀬田教諭は、これまで学校訪問への対応に加え、セミナー講師も数多く務めています。この日はスライドによる説明をした後、リモートによるGoogle Classroomの実践演習の指導も行いました。これまでリモート講師を務めたのは、京都府立日吉ヶ丘高校・茨城県立那珂湊高校・鳥取県立倉吉東高校・岐阜県関市立関商工高校(令和2年度)、勝央町立勝央中学校・福岡県立糸島高校・株式会社ティエラコム・島根県教育センター・株式会社ラーンズ・鳥取県立青谷高校(令和3年度)です。今後も依頼があれば、全国のICT普及に向けて頑張っていきます。

2022.12.5作成 2025.3.31更新 大学ICT推進協議会(AXIES)では、著作権教育教材として、以下の教材を企画・制作しております。 ・先生向け冊子(PDF, WEB) ・学生向け学習教材(動画) 2018年に著作権法35条が改正され、教育現場においての著作物の取り扱いについて変更がありました。 AXIESとしてはその変更を広く教育機関へ伝えるとともに、著作権についての理解を促進し、著作権教育がより活発となることを目指し、以下の教材をクリエイティブ・コモンズ ・ライセンスのもとに公開します。 先生向け冊子(PDF, WEB) 「すごくわかる 著作権と授業 Web/Understanding Copyright in Classes Web」 2025年3月10日 Ch.1Sec.1の「授業で著作物を扱う時のフロー図」を変更、Ch.4最後の記述を変更し、35条1項で複製を行う場

これもOLPCのメーリングリストに出ていましたが、http://www.donhopkins.com/home/catalog/hyperlook/HyperLook-SimCity.gifのような見た目のUnix版SimCityってありましたね。誰かが大学の研究室で遊んでいたのを見た覚えがありますが、誰だったでしょうか。これをやったDon Hopkinsという人が、自分が過去にやったいろいろな仕事を列挙したメールを書いていました。 AlanはSimCityが出たころからWillなどと話をしていたようですが、世の中の一部の人がSimCityは教育用途にも効果的であるといっていたのに対して、「教育用途としてはSimCityは最悪である」と言っていましたし、今も言っています。「警察署を建てるとその周囲の犯罪発生率が下がる」というような非現実的なルールに基づいているだけではなく、そのルールが括り
アムウェイは昨年、逮捕者を出しています。逮捕されたのは京都府教育委員会職員。この逮捕が、今回の行政処分に繋がったという報道もあります。 民法が改正され成年年齢が引き下げられたことで、若者がマルチ商法に狙われる可能性がより深刻になりました。その被害を防ぐ役割の教育行政関係者が、違法勧誘で逮捕される。非常に恐ろしい話ではないかと思います。 実は、日本アムウェイは、かねてより教育、特に消費者教育と深い関係を持っています。「公益財団法人 消費者教育支援センター」のスポンサーであり、その広報誌に大きく広告を出し続けています。 令和4年6/7月号日本アムウェイから逮捕者が出ても、その広告掲載は続きました。そして最新号でも。 消費者教育支援センターのスポンサーだけではありません。 日本アムウェイにより、教員の民間企業研修が行われています。 ”一般財団法人経済広報センター主催の「教員の民間企業研修」に協力

教職員の処遇や勤務制度の見直しに向けた検討が政府や与党で始まる中、教職員の時間外勤務は改善傾向が続いているものの、改善幅が小さくなってきていることが12月23日、文科省が全国の教育委員会に行った学校の働き方改革を巡る取り組み状況の調査で明らかになった。時間外勤務が「月45時間以下」となっている割合を4月から7月までの平均でみると、小学校は2019年の51.5%から22年の63.2%に、中学校は同じく36.1%から46.3%に、高校は同じく53.5%から63.4%に改善した。しかし21年と22年を比べると、改善幅は小学校で1.9ポイント、中学校で1.8ポイントと小幅の改善にとどまり、高校ではマイナス0.4ポイントと悪化した。学校行事や部活動などによって教職員の時間外勤務がなかなか減らないという、業務改善の「壁」もうかがえる調査結果となった。過労死ラインの目安とされる月80時間を超える時間外勤

東京大学 中村高康 先生 執筆者プロフィール 東京大学大学院教育学研究科 教授 東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。博士(教育学)。専門は、教育社会学。戦後日本の教育選抜のシステムと社会の変容、高校生の進路に関する量・質混合調査、社会階層と教育格差等の研究に取り組む。主な著書に、『暴走する能力主義』(ちくま新書、2018年)、『大学入試がわかる本』(編著、岩波書店、2020年)、『現場で使える教育社会学』(共編著、ミネルヴァ書房、2021年)など。 1.ホットイッシューとなりつつある「公平性」の議論 つい最近の話だが、ジョン・A・ダグラス『衡平な大学入試を求めて:カリフォルニア大学とアファーマティブ・アクション』(九州大学出版会)を監訳者の木村拓也氏より送付いただいた。日本でも近年は特に進学をめぐる格差や差別の問題はしばしば議論になるため、社会的にも時宜を得た出版だと思うが、私
Embed <iframe src="https://www.npr.org/player/embed/357629765/357998990" width="100%" height="290" frameborder="0" scrolling="no" title="NPRembedded audio player"> Modern computer science is dominated by men. Butit hasn't always been this way. A lot of computing pioneers — the people who programmed the first digital computers — were women. And for decades, the number of women studying computer s

最近、初対面の人との自己紹介で、一通り自分のやっていることを話終えるっと、「なぜ家庭科教師になったの?」と聞かれることが多い。 多いというかほぼ100%聞かれます。 統計的に見ても男性家庭科教師はかなり少ないから、男性家庭科教師に会ったことがある人は珍しいと思います。珍しく思われるのも、当たり前といえば、当たり前の話ですね... 多くの方にとって初めて会った男性家庭科教師というだけで、興味をもってもらえるのはとてもありがたいことだなと。(そう思いつつも、いずれは男性家庭科教師が珍しいと感じられない世の中になって欲しいです。) 「初めまして、家庭科教師です!」 「家庭科?珍しいですね!」「なぜ家庭科教師になったの?」 こんな感じのやり取りを繰り返しているうちに気がつきましたが、「ぼくが家庭科教師になった理由」を語ることは、自分が何者であるかということを語ることと同じだなと思っています。 家庭

以下を紹介する。(2022年6月8日最終確認) ・「教科書図書館」 公共財団法人教科書研究センターの附属図書館。戦後の検定教科書、教師用指導書などを収集。 研究者や学生など調査・研究のため利用可能。利用方法についてはホームページ参照。 ・「国立教育政策研究所」 研究の紹介のひとつに、「算数・数学の教科書」の研究があり、アメリカ、カナダ、イギリスなど の教科書の特徴などの掲載がある。 ・「math trailblazers」アメリカで使用している教科書のタイトルなどが確認できるサイト。 ・「学林舎」アメリカで使われている教科書を販売している書店。 参考にしたレファレンス事例、調べ方 ・「アメリカの中学・高校相当の数学の教科書が読みたい。」 近畿大学中央図書館 管理番号:20170213-1 ・「アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、インド、中国、韓国など、海外の中学生相当の子供たちは、

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