またエジプトで軍部のクーデータが起きた。改めて言うまでもない。2011年初頭、ムバラク政権を倒したとする「エジプト革命」とやらも、ただの、軍部のクーデターだった。今回のモルシ大統領の排除となんら変わりない。もっとも多数のエジプト国民の賛意を背景に軍部がクーデターを実施したとは言える。途上国の軍部はその国の合理的なナショナリズムの先端でもあるので、多数の国民の意向にまったく反して行動することはない。いずれにせよエジプトは、前回も、今回も「アラブの春」とかとは関係ない、ただのクーデターだった。 前回のクーデターが起きた理由は、ムバラク独裁への反抗だと言われている。が、実際は経済問題だった。二面あった。表面と裏面である。リーマンショック以降の国際的な金融緩和で途上国にインフレが発生し、エジプトでも物価が上がった。なかでも食料の高騰はエジプトでは以前からこうした暴動の原因となっていたものだった。こ
新作のご案内 何年か前、エロゲーのシステムの仕事をしていたときのことです。私はプロデューサーに尋ねました。 私:「世の中には名作といわれるエロゲーがたくさんある。名作だからといって必ずしも中古はプレミア価格ではなく、安く売られていることも多い。同人で流行った作品をやれば二次創作も楽しめる。新作を買う人はみな、そういう過去の名作をあらかたやり尽くしたうえで、さらに新作を買っているのだろうか?」 プロデューサー:「いや、そんなことはないだろう」 私:「安くて確実に楽しめるはずの過去の名作をやらずに、我々のような三流ブランドが出す海のものとも山のものともつかない新作を、税込9240円で買う人がこの世に何千人もいるのは、いったいどういうわけだろう?」 プロデューサー:「さっぱりわからんね」 私の読者の皆様にも、やはりお尋ねしたいところです。『新ナポレオン奇譚』、『兵士シュヴェイクの冒険』、『レスト
応答をしなければならにゃーのだが*1、応答内容と深く関連することなのでこちらをまずあげておきますにゃ。 http://d.hatena.ne.jp/eisberg/20110515 2011-05-21 さて、上記にリンクした2つの記事のあいだには、一読して矛盾がありますにゃ。 PTSD(心的外傷後ストレス障害)は過去の心的外傷が原因で発症しますから、 現在進行形の事態に対してPTSDを持ち出すことはそもそもおかしな話です。 また、あたかも「放射能を心配しすぎて」PTSDになるかのような説明は 間違っています。「心配しすぎて」PTSDになったりすることはありません。 PTSDはレイプ、虐待、戦争体験、交通事故などなど、生命が危険にさらされる 現実の出来事の後に生じる疾患です。 今、原発被害に関してPTSDを論じるのであれば、PTSDの予防ですから、 「安全な場所に避難すること」と「事実を伝

キュレーション【curation】とは、無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、 そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること。ー本文より 著者 佐々木俊尚さんからのメッセージ この「キュレーション」という言葉がいま、インターネットの世界を席巻しようとしています。情報の膨大なノイズの海の中から、どうやってキラリと光るあなただけに重要な情報を取り出すのか。劣化したマスメディアでなければ、無味乾燥な検索エンジンのアルゴリズムでもない。情報と人を結びつけ、そこに人と人のつながりをも生み出す新たな概念「キュレーション」。この本では、芸術や音楽、茶道、陶器、歴史などさまざまな文化的エピソードを紹介しながら、21世紀の新たな情報共有圏の世界を明らかにしていきます。

雑記 | 00:45 | 先日、『第三の波』を再読していろいろと発見があったので、同じ著者アルビン・トフラーが、2006年に出版した『富の未来』を読んでみた。 『富の未来』には、社会が工業社会から知識社会へ移行するとともに、「富の体制」が大きく変わっていくことが書かれている。なお、トフラーのいう「富」とは、金銭だけではない。金銭で買ったわけではないが、人々のニーズを満たすものも全て含めて「富」と呼んでいる。 富の未来(上)ジャンル:本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 社会科学 > 社会科学全般ショップ:楽天ブックス価格: 1,995円楽天で詳細を見る この本で興味深かったのは、「生産消費者(プロシューマー)」の増加が、新しい知識社会のなかで大きな役割を果たすとしている点だ。 1.生産消費者生産消費者とは、自ら消費するためにモノやサービスを生産する人のこと。工業化社会のモ
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