自民、公明両党の税制調査会は27日、それぞれ非公式の幹部会を開き、2024年度の税制改正議論を始めた。岸田文雄首相が前日に検討を指示した所得減税などの具体策が、今後の大きな焦点。納税額が少なく4万円の減税を満額受けられない人にも恩恵が届くようにすることや、所得制限の有無など課題は山積だ。(市川千晴) 所得税減税 経済対策の一つとして、岸田文雄首相が26日、与党に検討を指示した。案では、子どもなどの扶養家族を含めて所得税と住民税の減税を1人当たり計4万円を2024年6月から行う。一方、所得税などの課税がない低所得世帯には、1世帯7万円を給付。支給は今年3月の物価高対策で決まった分と合わせて計10万円となり、年内に始める。減税策は11月2日に閣議決定予定の経済対策に盛り込み、具体的な制度設計について与党の税制調査会で議論する。 制度設計の最大の課題は、1人当たり4万円の減税額を満額で受けられる

7年8ヵ月という、憲政史上最長の通算・連続在任日数を記録した安倍晋三内閣が退陣した。世間の話題は、安倍内閣の路線を引き継ぐと公言し、成立した菅義偉内閣の働きぶりに移っている。 「史上最悪」だの、「アベノミクスで景気回復を達成した」だの、安倍内閣は毀誉褒貶の激しい政権ではあった。 しかし1億人を超える巨大国家における国民の生命と財産を守る仕事に専心された姿には、一国民としては、敬意と感謝と慰労の念しかない。 すでに安倍内閣に対する種々の論評は一段落した感もあるが、本稿では、改めて少子化対策という観点から、この政権の「レガシー」を評価してみたい。少子化対策は効果がなかった少子化が日本で社会問題化してから、今年でちょうど30年目となる。 1990年6月9日、旧厚生省が、前年の合計特殊出生率(=女性が一生に産む子ども数の推計平均値)が当時過去最低を下回る1.57であったことを公表したこの日から、

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